=LOVE「ラストノートしか知らない」インタビュー|最年少メンバー齋藤樹愛羅の目覚ましい成長

10月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで過去最大規模のコンサート「=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」を成功させた=LOVE。ストリングスの生演奏を交えたパフォーマンスなど見どころの多い公演だったが、その中でもひと際大きな歓声が沸き起こったのが15thシングルの表題曲「ラストノートしか知らない」が初披露された場面だ。この曲では、最年少メンバーの齋藤樹愛羅がセンターを担当。金髪にイメージチェンジした彼女を中心に、切なさに満ちたラブソングを歌うメンバーの姿に大勢の観客が夢中になった。

音楽ナタリーではメンバー全員を2組に分けてインタビューを行い、「ラストノートしか知らない」をはじめとするシングル全収録曲についてたっぷりと話を聞いた。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 上野留加

大谷映美里齋藤樹愛羅佐々木舞香瀧脇笙古諸橋沙夏 インタビュー
左から瀧脇笙古、大谷映美里、齋藤樹愛羅、佐々木舞香、諸橋沙夏。

左から瀧脇笙古、大谷映美里、齋藤樹愛羅、佐々木舞香、諸橋沙夏。

センターをやるとは想像もしてなかった

──新曲「ラストノートしか知らない」は齋藤樹愛羅さんのセンター曲です。齋藤さんがシングル表題曲でセンターを務めるのはこれが初めてですね。

齋藤樹愛羅 自分がセンターを務めるとは知らない状態で、メンバーみんなで音源を聴いたんですよ。そのときは大人っぽくて素敵な曲だなと純粋に感動して、まさか自分がセンターをやるとは想像もしてなかったです。指原さん(=LOVEのプロデューサーを務める指原莉乃)にお会いしたときに、「樹愛羅をセンターにしようと思う」と言われて。本当にびっくりしすぎて、今思うと「がんばります!」と言いたかったんですけど、そのときは「どうしよう……!?」といろいろ考えてしまいました。

齋藤樹愛羅

齋藤樹愛羅

──そのほかに指原さんからは何か言葉をかけられましたか?

齋藤 歌うのがすごく難しい曲なんですけど、(佐々木)舞香ちゃんや(野口)衣織ちゃんがセンターの両サイドにいるから大丈夫だよ、という話を優しく伝えてくださいました。でもシングルの表題曲でセンターを務めるのは、そのグループの顔になるということですし、歌番組でパフォーマンスする機会があるかもしれないと考えたら、不安な気持ちもありました。

──ちなみに、金髪にイメージチェンジしたのは新曲に合わせて?

齋藤 はい。指原さんが「金髪にするのはどう?」と言ってくださいました。センターのことを伝えてくれたときにはおそらく新曲の衣装もほとんど決まっていて、以前のピンクの髪より金髪のほうが合うんじゃないかと考えてくださったみたいなんです。実際、金髪にしたら華があって目立つし、それと同時に「ラストノートしか知らない」の儚い感じにも合っていて、髪を染めてよかったと思います。

佐々木舞香 すごくかわいいよ。肌の白さが際立つ。

大谷映美里 「Be Selfish」(2022年9月発売の12thシングル)のときに髪色で悩んでたよね。

大谷映美里

大谷映美里

齋藤 うん。そのときも金髪にしようとしてたけど、似合わないかもと思ってピンクにして。前からこの色に憧れていたものの、怖くてできなかったんです。指原さんのおかげで新しい自分を見つけることができました。

──「ラストノートしか知らない」は、10月にさいたまスーパーアリーナで行われた6周年コンサート「=LOVE 6th ANNIVERSARY PREMIUM CONCERT」にて初披露されました。公演終盤のMCでは齋藤さんが感極まる場面もありましたが、やはりプレッシャーや不安を感じていたのでしょうか?(参照:=LOVEの6周年コンサートSSA初日、齋藤樹愛羅センターの「ラストノートしか知らない」初披露 / =LOVEの6周年記念コンサートSSAに2万8000人!来年は初のアリーナツアー開催

齋藤 そうですね……新曲のお披露目はもちろん、さいたまスーパーアリーナのステージに立つこと自体にも不安があって。ステージに立った瞬間は「もうやるしかない!」と思って、すごく冷静だったんですよ。でもコンサートが進んでいくにつれ、その場にいることの実感みたいなものがどんどん湧いてきて。最後のほうは、さいたまスーパーアリーナでのコンサートの開催が発表されてから感じていた感情があふれ出ちゃいました。言葉に表すのが難しいんですけど……不安と同時に安心感もあって、本当にいろいろな感情が出てきました。

諸橋沙夏 「ラストノートしか知らない」の初披露のときは、樹愛羅の緊張が伝わってきて、私も緊張しちゃいました。今後生放送の歌番組でこの曲を歌うことがあったら、そのときもすごく緊張すると思います(笑)。明るいアップテンポな感じではなく、聴かせるタイプの曲ですし、ラストの音が静かになる中で樹愛羅が歌うパートは特に緊張感がありますね。でも回数を重ねるごとにパフォーマンスがよくなっていくと思うので楽しみです。

佐々木 私は樹愛羅の緊張が移ったというより、まず新曲の初披露ということで緊張しました。確か「ラストノートしか知らない」は、本番までにちゃんとマイクを通して歌ったことがほとんどなくて。

諸橋 ほとんどぶっつけ本番だった。

諸橋沙夏

諸橋沙夏

佐々木 音の取り方や、イヤモニで聴こえてくる音の感触、声の出し方などを探りながら本番に臨みました。

瀧脇笙古 樹愛羅のソロパートがたくさんあるから「がんばれ!」と思いつつ、私も自分のソロパートの直前になるとかなり緊張しちゃうので、「私もがんばらなきゃ!」という気持ちでした。初日は自分のことで精一杯でしたね。

大谷 この曲はメンバーみんなソロパートが多いし、メッセージ性の強い曲なので、“歌詞のバトンタッチ”がうまくいかないと曲の魅力を伝えられないんです。でもみんな上手に歌っていて。特に樹愛羅がすごく上手で、陰ながらたくさん練習したんだろうなと思って尊敬しました。

次のセンターは樹愛羅かなと予想していた

──「ラストノートしか知らない」はしっとりとした空気感をまとった切ない恋愛ソングですが、ほかのメンバーから見て、齋藤さんのイメージとマッチしている感覚はありますか? 齋藤さんは=LOVEの最年少メンバーで、年齢的には大人びたイメージから遠い印象もあるのですが。

佐々木 この曲のセンターを伝えられる前、プリプロを録るにあたって仮歌を聴いたとき、衣織が「この曲、樹愛羅に合いそう」と言っていて。「確かに!」って話してたんですよ。実際、切なさが出るウイスパーボイスや、消えちゃいそうな儚い歌い方が樹愛羅にぴったりだなと思いました。

佐々木舞香

佐々木舞香

諸橋 私は逆に、この曲のセンターを樹愛羅が務めることが意外でした。前回のシングル制作期間に、次あたりで樹愛羅がセンターになるだろうなとは思っていたんですけど、楽曲のタイプとしては樹愛羅のソロ曲「Kiara Tiara」みたいなダンスナンバーが似合うと感じていました。最近、イコラブはダンス曲が少なかったし、樹愛羅がセンターのカッコいい曲が表題曲として来るんじゃないかと予想していたんです。でもその予想が外れた分、楽しみな気持ちが大きくなりました。

瀧脇 私も、次の表題曲のセンターは樹愛羅かなと予想していたんですけど、「ラストノートしか知らない」の仮歌を聴いたときに「あ、違うのかも」と思ってました。でも樹愛羅がセンターだと聞いて、樹愛羅も大人になったんだなと感じました。

瀧脇笙古

瀧脇笙古

──次のシングルが齋藤さんのセンター曲になるという予感は、メンバー間で共通していたんですね。

諸橋 ソロ曲の「Kiara Tiara」がきっかけだったのかな。樹愛羅は初期からダンスが上手だったんですけど、あまりそういうイメージを持たれていなくて、やっとファンからも気付かれてきた感じがします。「=LOVE 全国ツアー2023『Today is your Trigger』」日本武道館公演で樹愛羅が「Kiara Tiara」を披露したときに1人でお客さんを魅了していて。感激しつつも、前は赤ちゃんみたいだったのに、急にこんなに成長するんだって少し寂しくなりました(笑)。

齋藤 私としては、全然そういう自覚や自信はなくて……。表題曲でセンターを務めることに不安があったし、センターを務めることができたとしてもカップリング曲かなと思ってました。さらに大人っぽい曲でセンターになるなんて、とにかくびっくりでした。指原さんは意外性を求めてくださったんだと思うんですけど、自分のイメージの殻をもっと破っていかなきゃと思っています。センターをやらせていただくからは、しっかりやり切ろうって。