私立恵比寿中学「MUSiC」 PR

私立恵比寿中学|そんなこんなで10周年 これがエビ中の「MUSiC」

私立恵比寿中学が通算5枚目のオリジナルアルバムを完成させた。その名も「MUSiC」。小中学生のメンバーで2009年に結成され「キレのないダンスと不安定な歌唱力」を売り文句に活動を始めたエビ中が、あれから10年、正面から“音楽”を名乗るアルバムを世に送り出す。

本作のリリースを皮切りに、ライブハウスツアー、主催フェス、そしてもう1枚のオリジナルアルバム(タイトル未定)と、精力的な活動で10周年を駆け抜けるエビ中。この特集ではアルバム「MUSiC」の話題を通してエビ中の今に迫った。

取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 中野修也

エビ中ってなんだろう?

──2018年の頭に6人体制となり、1年が過ぎました。またイチから6人のエビ中を作り上げるのは大変だったと思いますが、2018年は皆さんにとってどんな1年でしたか?

真山りか 「大変だ」と考える間もなく1年が過ぎちゃった感じです(笑)。廣田(あいか)が抜ける前から1月の武道館に向けて6人体制の準備を進めていたし(参照:エビ中、新体制初ライブで見せつけた6人の誇り「これが“ebichu pride”だ!」)、6人になって初めての春ツアーがすごく長かったので(参照:エビ中が絵本から飛び出して繰り広げた春ツアーの物語、国際フォーラムで大団円)、6人の形に慣れるのは早かったですね。

星名美怜 去年はフェスにたくさん出させてもらったのも大きかったです。ずっと出たいと思っていたフェスに出られたり、年末の「COUNTDOWN JAPAN 18/19」は私はケガでお休みしてしまったけど、エビ中のステージが入場規制になったと聞いて、すっごいうれしかった。

──そういった外へ向けての活動も増える中で、改めてエビ中ってなんなんだろうなと思うんですよ。中学生は1人もいないし(笑)、中学生コンセプトの枠を超えた楽曲も年々増えていき、それぞれの歌唱力も上がっていて。1月のNegiccoとの「エビネギ」ライブでひさびさに「もっと走れっ!!!」を聴いたとき(参照:Negicco×エビ中の新潟開催「エビネギ」、世界一平和なジョイントライブでNao☆号泣)、すごく新鮮だったんですよ。「そういやエビ中も相当様変わりして今に至るんだな」と。

安本彩花 それこそ去年1年は「エビ中ってなんだろう?」とめっちゃ考えて……そのたびわからなくなるみたいな(笑)。エビ中って複雑だし難しいなって。

柏木ひなた エビ中=何っていう答えが明確にないから。

──年々わからなくなっていますよね。

真山 もはや中学生ではないということだけは確かです(笑)。

私立恵比寿中学

──皆さん自身にも変化している実感はあるんですか?

中山莉子 フェスではセットリストを自分たちで考えさせてもらったり、大人の人に対して……攻撃? 攻撃じゃないや、なんだろ?

小林歌穂 あははは(笑)。意見を言えるようになった。

真山 アイデアを自分たちから出せるようになったんだよね。攻撃って(笑)。

──去年はメンバーが自主的に何かをやっている様子も多くうかがえました。ツアーのBGMに安本さんがDTMで作った音楽が使われたり、柏木さんが振り付けを考案したり。それは「言えるようになった」というのもあるかと思いますが、周りの大人たちもメンバーの自発的な部分を取り入れようとしているところもある?

安本 何回も何回も言い続けて、やっと話を聞いてもらえるところまで行ったんです。

星名 勝ち取った感はあるよね(笑)。

安本 私たちがみんな大人になってきた中で、やっと対等に話せるようになったんだと思います。ずっと子供だと思われているのは悔しいという気持ちが自分にはあったから、いつか脱却したいという思いは個人的にありました。

小林 まだ完全なる大人にはなっていなし、対等とまではいかないけれど、ちゃんと意見を聞いてもらえる空気はすごく感じてもいて。私の場合はなかなか自発的には意見できないけど「私はこう思います」と自分の考えを伝えられるようにはなりました。

柏木 逆に大人たちから頼られることも多くなった気がします。ステージ上に立っている私たちメンバーにしかわからないこともあって、それをうまく反映させられないかなと相談を受けることも多くなりました。振り付けをやりたいというのは、いつだったかな……けっこう前から言ってたんですけど、ずっと「わかった、わかった」みたいな感じで流されてたんですよ。それが今のタイミングで実現したのは、私たちにもようやく頼れる部分が出てきたのかなって。

日本語で書けばシンメトリー

──例えばフェスのような対外試合と呼べる場に出たとき、エビ中は歌唱力の面で評価される、驚かれることが最近多いように思うんですよ。結成当時は「キレのないダンスと不安定な歌唱力」が売り文句だったとは思えない、「私立恵比寿中学」という名前には似つかわしくない歌唱力というか。

真山 あはは(笑)。歌を評価してもらえる機会は確かに多くなりましたけど、自分たちではまだまだだなと思うし……なんならもっと早くそうなりたかったんですよ(笑)。

──ライブ本番直前までボイストレーニングをしていたり、終演直後にトレーナーの方から指示を受けたりしていますし、そういう努力の賜物だとは思うんですけど、個々の声の強みが年々増しているなと感じます。それにより曲のバリエーションも広がっていると思うし、今のエビ中にとって大きな武器になっているんじゃないかと。

真山 昔はメンバーみんな似たような歌い方をしていたんですけど、えみこ先生(西山恵美子)に出会ってからは「みんなそれぞれ1人の人間で、違う声帯を持っている」ということを学んで。えみこ先生はそれぞれの声に合った指導をしてくださるんです。例えば私の場合だと、声が低くて、もともとの声質はあまりアイドル的ではないので、無理にアイドルっぽい歌い方をしなくていいと。そんなふうにメンバーみんなの声に個性があって、それぞれの個性をより追求したのが「MUSiC」というアルバムだと思います。

──アルバムタイトルはずいぶん直球ですよね。これまで「中人」だの「金八」だの「穴空」だの「エビクラシー」だのというアルバムを出してきた人たちが、ついにはストレートに“ミュージック”と。

小林 言っちゃいましたね(笑)。ついに。

真山 逆に原点回帰なんじゃないんですか? 日本語で「音楽」と書けばシンメトリーだから。

中山 お?

小林 ああー!

真山 でもアーティストじゃなくてアイドルだからこそ言えるんだと思うんですよ、「MUSiC」って。

星名 自分たちで作ってたら「MUSiC」と言うのは相当なプレッシャーだけど(笑)。

真山 今までいろんな方に曲を作っていただいて、私たちはすべてが勝負曲だと思っているので、今回も「MUSiC」というタイトルがぴったりなアルバムになったと思いますね。

──しかも今年はエビ中“開校”10周年で、秋にはもう1枚フルアルバムが出ることが決まっています。

柏木 そうなんですよ。これが出たあとにどんなアルバムを出すんだろう(笑)。