DISH//は自分の性格を変えた

──人前に立つことはもともと好きだったんですか？

いや、ほんと苦手でした。小学校のときはもうひっそりと静かにしてたし、笑うことも得意じゃなくて。でもDISH//をやってくうちに人前に立って何かするっていう楽しさがわかってきて、今は学校でもけっこう表に立つことが多くなりました。それにメンバーと話してるとめっちゃ面白くて、いつの間にか作り笑顔じゃなくて自然に笑えるようになっていたという。

──それはメンバーに感謝ですね。

そうですね。特にTo-iに会ってから明るくなったって言われる（笑）。To-iの「おかげ」なのか「せい」なのかわかんないですけど（笑）、騒げるようになりました。だから、DISH//は自分の性格を変えたと思います。

──TAKUMIくんはメインボーカルという大役を担っていますが、この役目をどう捉えていますか？

一番目立つんですよ、やっぱり。いつもセンターにいるし、歌うパートも一番多いし。メインボーカルでよかったなって思う瞬間はあるけど、やっぱ一番がんばんなきゃいけない立ち位置だと思ってて。歌のメッセージを一番わかってるべきだし、それをお客さんに届けなきゃいけない。つらいなって思うときもあるけど、役目はちゃんと果たさなくてはと思ってます。

TAKUMIと北村匠海

──TAKUMIくんは俳優業も活発に行ってますよね。オーディションにも足を運んだり。

そうですね。でもオーディションも、DISH//とおんなじで自信があるわけじゃなくて。「これは絶対獲ってやる！」って思うオーディションに限って獲れなかったりだとか。俳優業にも楽しい面と大変な面がありますね。

──DISH//の自分と俳優の自分を区別してますか？

「北村匠海」と「DISH//のTAKUMI」でスイッチの切り替えはしてるつもりです。DISH//のTAKUMIでいるときはうるさくなきゃ楽しくないっていう気持ちでみんなとワイワイ騒いでるんですけど、北村匠海でいるときはめっちゃ静かにしてます。俳優は自分1人で役作りする個人作業だから、自分なりに考えて演技しなきゃいけないのが難しいところです。

──俳優の仕事で培ったものがDISH//に生かされることもあるんでしょうか。

僕の感覚ではまったく別モノなんで、どちらかに生かせてるというよりはどちらも楽しめてますね。俳優の仕事ではいろんな人の人生を演じられるから楽しくて、DISH//では素の自分を楽しんでる感じ。

今は楽しみっていう気持ちのほうが大きい

──最近はいろんなアーティストのライブを観てるらしいですね。

そうですね。RADWIMPSさんのライブ映像観たり、ONE OK ROCKさんのライブ観に行ったりしてます。

──そういったロックバンドからどんな刺激を受けますか？

バンドそれぞれの盛り上げ方があるなって。ONE OK ROCKさんだったら、すごく攻撃的に見えるんですけど（MCは）敬語なんですよ。RADWIMPSさんは「みんなで一緒に気持ちよくなろうよ」って、優しく包み込むような盛り上げ方で。そういうのを学んで、僕はどうしよう？っていう。

──模索中なんですね。

そうですね。僕たちはアイドルじゃなくてダンスロックバンドなので、ロックをひたすらみんなで突き詰めようとはしてます。今はけっこう攻撃的に盛り上げてるんですよ。僕らはまだ高校生なんで生意気に見えると思うんですけど、今のうちにアグレッシブにいっとこうと（笑）。いずれ「僕たち若いんで」って言えなくなる時期が来るので。

──けっこう先のことも考えてるんですね。

最近はもう先のことばっか考えてます。武道館に立ったらこんなことしたいとか、こんな歌を歌いたいとか。横浜アリーナみたいなすごい大きな会場にライブ観に行くと「俺らがここでライブしたらどんなことしようかね？」って話したり。そんな夢ばっかり見て活動してます。

──今はDISH//とどう向き合っていますか？

武道館という夢に向けて今僕らが何をしなきゃいけないかを自分なりに考えて、必死こいてランニングしたり、風呂でめっちゃ歌ったり、ダンスの練習したりしてます。だから今は不安より楽しみっていう気持ちのほうが大きいです。こんなこと今まで言ったことないですけど（笑）。