ナタリー PowerPush - DIR EN GREY
Die&Shinyaが明かす 激動の半年間と海外展開の意味
映像を通じて“人間っぽさ”を感じてもらえるんじゃないか
──映像の中ではメンバーの皆さんもインタビューに答えてます。この撮影で初めて会った監督さんとは、インタビューを重ねることでどんどん本音を出せるようになっていたんでしょうか?
Die そうですね。特に6月のヨーロッパツアーは同じ行程で移動したんで、バスで一緒に旅をしてるっていう。ある意味仲間ですからね。ライブが終わってからバスの中でいろんな話をしたんですけど、そこで監督さんもメンバーのことを理解しようとしてたんだと思います。
──ちなみに監督さんって若い方なんですか?
Die 34、5歳くらいですかね。自分たちと比較的世代が近いので、距離は縮めやすかったですよ。
──常にカメラで撮られているってことは、それこそ見せたくない素の部分、表に出したくない部分も撮られているわけですよね。そこを撮影されることに対する恐怖心は感じないんですか?
Die それも含めて今まではステージ以外の部分は、わりと見せないようにしてたんです。でもそういったことも少しずつ壊していって、オンステージとオフステージの温度感の違いは見せてもいいんじゃないかと自分は思うんです。こういう人たちがステージに立ってるんだよっていうことを、もっとリアルに感じてもらえたら、それはそれでいいのかなって。以前は笑いすらないような感じだったし(笑)。笑うの禁止みたいなところもあったんですよ。
──ShinyaさんもDieさんと同じ考え?
Shinya 俺は本当はいつ撮られても別にいいんですけど……寝起きとか、髪がボッサボサなときにカメラを回されてると、ちょっとリラックスできないなっていう葛藤はあったかな。
──DIR EN GREYが海外進出を始めた頃は、皆さんがどういうパーソナリティの持ち主でバンド内がどういう状況なのかって、外からはほとんど見えなかったんです。でもここ数年、こういったドキュメンタリー作品が制作されたことで、皆さんがそのときそのとき考えていること、思ったことが伝わりやすくなったし、バンドの裏側を見せることで……変な話ですけど、僕たちと同じ人間なんだなと実感できました。
Die 自分ではすごく人間らしいなと思うんですけどね(笑)。いろんなトラブルがあっても「ここであたふたしてもしゃあないし、なんとか切り抜けていくしかねえなあ」と考えたり。映像を通じて、そういう“人間っぽさ”を感じてもらえるんじゃないですかね。
情けないし悔しかった2度目のDownloadフェス
──本作には海外ツアー中に遭遇したトラブルの様子も収められてます。「Download Festival 2013」ではモニタートラブルで演奏する曲を何曲か削るはめになってましたよね。
Die なんか海外はねえ、そういうトラブルがいつもあるんすよね(笑)。Download出演は2回目だし、前回よりもいいライブをっていう思いが強かったから余計に悔しくて。しかも今回のヨーロッパツアー自体が4本しかなかったので、そのうちの1本がこれじゃあ何しに来たんだろうっていう……すごく情けないし悔しいし。なんかやりきれなかったですね。
──結局あのときのトラブルは何が原因だったんですか?
Die 機材はちゃんとしてたんですけど、モニターですよね。モニターを担当する人が、こちらが伝えたとおりにできてなくて。でもほかのバンドもみんな同じ条件やと思うのに、ちゃんとできてる。俺らだけやれへんていうのは、どうなんだろうなと。
──イギリスだけじゃなくて、いろんな国のバンドも出てるわけですもんね。
Die しかも転換時間も短くて、15分とか? でもね、ほかのバンドはそれでもやっぱりできてるんですよ。そこで俺らだけトラブってるのもなんかカッコ悪いなって。
海外に着いたらスイッチを入れ替えていかんとキツい
──国内ツアーでは途中で家に戻ることもできるけど海外ではそういうわけにもいかず、長期間ずっとバスでの車中泊が続くわけですよね。自身のモチベーションやコンディションを保つことは、日本にいるときよりも大変だと思うんですが。
Die 大変ですね、いろんなことが不便なんでね。ほぼアウトドア生活みたいなものなんで。日本を出て海外に着いたら、ほんまに自分の中のスイッチを入れ替えていかんと、キツいっすね。
──中でも一番キツいと思うのは、どういったところですか?
Die 何かなあ……メンバーそれぞれ違うと思うんですけど、俺はやっぱりバス移動で自由にシャワーを使えないことかな。ライブ自体は日本にいるときとやることは変わんないし、逆に終わったらすぐバスに乗れば次の会場まで行ってくれるんで、そういう意味では楽っちゃあ楽なんですよ。
──ああ、自分で移動しなくてもいいし?
Die そう。疲れたらすぐバスのベッドで寝ればいいし。むしろストレスが溜まらないように気分転換するようにしてます。会場に着いたらなるべく外に出て、向こうのイベンターとコミュニケーションを取ったりすると刺激にもなるし。
──Shinyaさんはモチベーションを維持するために、何か心がけていることはありますか?
Shinya いや、そんな……特にはないんですけど。
──じゃあ日本にいるときとは変わらず過ごせている?
Shinya そうですね。ただ、食事だけは困ります。最近はカロリーとか計算しながら食べてるんで。ハンバーグとかピザとか出ると困るんですよ。でもしょうがないから食べるんすけど。
Die ふふふ(笑)。
- ドキュメント映像作品「TOUR12-13 IN SITU-TABULA RASA」 / 2013年9月25日発売 / FIREWALL DIV.
- 初回限定盤 [DVD3枚組] / 8800円 / SFBD-0042~4
- 通常盤 [DVD2枚組] / 7140円 / SFBD-0045~6
- 通常盤 [Blu-ray Disc] / 8190円 / SFXD-0004
通常盤
<DVD>
DISC 1:ドキュメント映像(約105分)
DISC 2:LIVE映像(約110分)
<Blu-ray>
ドキュメント映像・LIVE映像(約215分)
TOUR2012 IN SITU 12.25 東京国際フォーラム・ホールA
- 狂骨の鳴り
- DIABOLOS
- LOTUS
- 凌辱の雨
- 冷血なりせば
- VANITAS
- 激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇
TOUR2013 IN SITU -The Depiction of Reality- 2.01 新木場STUDIO COAST -「a knot」&ONLINE only-
- DOZING GREEN
- LIE BURIED WITH A VENGEANCE
- THE IIID EMPIRE
- C
- Machiavellism
TOUR2013 TABULA RASA 5.16 新木場STUDIO COAST
- 狂骨の鳴り
- 業
- DIFFERENT SENSE
- Unknown.Despair.Lost
- 輪郭
- Bottom of the death valley
- INWARD SCREAM
- かすみ
- Unraveling
- THE FINAL
MINI ALBUM『THE UNRAVELING』【完全受注生産限定盤】購入者限定LIVE TOUR2013 TABULA RASA -揚羽ノ羽ノ夢ハ蛹- 5.24 渋谷公会堂
- 鴉
DOWNLOAD 6.14 Donington Park -Derby / UK-
- OBSCURE
初回限定盤付属DVD
LIVE映像 (約30分)
TOUR2012 IN SITU 12.25 東京国際フォーラム・ホールA
- Deity
TOUR2013 IN SITU -The Depiction of Reality- 2.01 新木場STUDIO COAST -「a knot」&ONLINE only-
- 蝕紅
- 艶かしき安息、躊躇いに微笑み
- CLEVER SLEAZOID
TOUR2013 TABULA RASA 5.16 新木場STUDIO COAST
- 蜜と唾
- CONCEIVED SORROW
- 霧と繭
DIR EN GREY(でぃるあんぐれい)
京(Vo)、薫(G)、Die(G)、Toshiya(B)、Shinya(Dr)からなる5人組バンド。1997年に現メンバーがそろい「人間の弱さ、あさはかさ、エゴが原因で引き起こす現象により、人々が受けるさまざまな心の痛みを世に広める」という意志の元に結成。ミクスチャー / ヘヴィロック的な要素をゴシック的な様式美の中で表現する世界観が評価され、日本のみならず海外でも大ブレイク。2002年にアジアツアーを成功させたのを機に、アメリカ、ヨーロッパ各国にも進出し、熱狂的なファンを多数獲得する。2008年にアルバム「UROBOROS」を世界16カ国で同時期にリリース。同作はアメリカのBillboard Top 200で114位、インディーズアルバムチャートBillboard "TOP INDEPENDENT ALBUMS"で9位、新人アーティストを対象としたチャートBillboard "Heatseekers Chart"で1位という快挙を達成する。その後、2008年末から2010年にかけて「UROBOROS」を携えたライブツアーを国内外で展開。2010年1月に日本武道館公演を2日間にわたり開催し、ロングツアーを締めくくった。2011年8月には約3年ぶりのアルバム「DUM SPIRO SPERO」をリリース。発売直後からヨーロッパや北米、中南米などで海外ツアーも行った。2012年1月には大阪城ホールで「UROBOROS -that's where the truth is-」と題した一夜限りのライブを敢行。しかし2月からは京の声帯不調を理由に表立った活動を休止していたが、10月よりライブ活動を再開。同年12月にはニューシングル「輪郭」、翌2013年4月にはミニアルバム「THE UNRAVELING」をリリースした。同年6月には2年ぶりとなるヨーロッパツアーも実施。この海外公演や2012年末の国内ライブの様子を収めたドキュメンタリー作品「TOUR12-13 IN SITU-TABULA RASA」が、2013年9月に発売される。