曽我部恵一
アナログレコードの魅力
ジャケットの大きさ、あの黒々としたヴァイナル、2台のスピーカーから絞り出される太く甘い音……思い浮かべるだけで、最高。
レコードで聴くべき3枚
拙作で失礼します。
サニーデイ・サービス「DANCE TO YOU」
6mmのオープンリールテープからアナログカッティングした、こだわりのレコード。再プレスのたびにSOLD OUTする人気盤。
サニーデイ・サービス「FUCK YOU音頭」
Illicit Tsuboi氏による超DOPEなミックス、テリー・ジョンソン氏(湯村輝彦)によるILLなジャケット。ワイルドに鳴りまくる45回転盤。フューチャー音頭の決定盤。在庫僅少。
曽我部恵一「shimokitazawa concert」
「レコードの日」に出る10年以上前のライブ音源。ビデオカメラのマイクで録られたライブがアナログ盤になることで、どこにもない宇宙を創り出してしまう。2枚組。
Technics製品のイメージ
大人になってからはずっとTechnicsです。安くて頑丈。音も文句なし。本当にお世話になっています。
- 曽我部恵一
- 1971年生まれ、香川県出身のシンガーソングライター。1990年代からサニーデイ・サービスの中心人物として活躍し、バンド解散後の2001年からソロアーティストとしての活動を開始する。精力的にライブ活動と作品リリースを続け、客演やプロデュースワークなども多数。2004年に自主レーベル・ROSE RECORDSを設立し、自身の作品を含むさまざまなアイテムを発表。2008年のサニーデイ・サービス再結成以降、バンドとしても楽曲制作やライブを行っている。また音楽活動の傍ら執筆および俳優活動に取り組むほか、レコードストア・PINK MOON RECORDSやカレーの店・八月の経営に携わるなど幅広いジャンルで活動中。
田島貴男(Original Love)
アナログレコードの魅力
今は人生で2度目にレコードにハマっている時期です。1度目は20、30代の頃。40代はほとんどレコードは買っていなくて、そのせいか普段の生活の中で音楽を聴く習慣が減っていきました。
そして50歳を過ぎて、改めて趣味としてレコードを買うことに目覚めました。それ以前は音楽をどこか自分の仕事と一緒くたに捉えていたんですけど、それを止めて、音楽を僕の趣味に戻すためにレコードという形が必要だったんだと思います。
レコードで聴くべき3枚
マイルス・デイヴィス「The Musings Of Miles」
アレサ・フランクリン「I Never Loved A Man The Way I Love You」
The Beatles「Revolver」
Technics製品のイメージ
HIP HOPのDJの人たちがターンテーブルを使ってスクラッチをしたり、リズムをつないだりするのを初めて目撃したのが1985年頃だったのですが、彼らが使っていたターンテーブルがTechnicsだったので、彼らの衝撃的なパフォーマンスとともに、強烈に印象付けられた音楽機器メーカーです。Technicsのターンテーブルはレコードプレイヤーであると同時に楽器の一種であるというイメージがあります。
- 田島貴男(Original Love)
- 1985年結成のバンド・THE RED CURTAINを経て、1987年より音楽ユニット・Original Loveとしての活動を開始。1991年にアルバム「LOVE! LOVE! & LOVE!」でメジャーデビューを果たす。以降コンスタントに作品を発表し、近年はバンドスタイルでのライブのみならず、田島貴男1人での「ひとりソウルツアー」や「弾き語りライブ」といったソロ公演も恒例化している。2019年に長岡亮介(ペトロールズ)やPUNPEEらが参加した18thアルバム「bless You!」、2021年にデビュー30周年記念作品第1弾の配信シングル「Dreams」を発表。2022年1月にTENDREを迎えたライブイベント「Love Jam Vol.6」を開催する。
テンテンコ
アナログレコードの魅力
自分の作品がアナログレコードになった時はマジで感動しました!!!
最近だとドイツのレーベル・TALから「An Antworten」というソロ作品がリリースされました。
ジャケやインナースリーブなどに私が描いた絵をプリントしためちゃめちゃ素敵な1枚です。
レーベル元では既に完売していて、今お店にある分のみ!!! 見つけたら即買ってください!!!
あと、昔、東洋化成に行ったときもヤバかったです。
アナログカッティングエンジニアの手塚和巳さんのお仕事を目の前で見たときは本当に痺れました!!!
顕微鏡で溝を見て最終確認をするのですが、アナログレコードは、音と物体が同次元で同時に存在するものなんだと神秘を感じました!!!
レコードで聴くべき3枚
The Residents「Eskimo」
The Residentsの奇妙な音楽を最大限感じられるのは、やっぱりレコード。
このレコードは特に変わっていて、北極圏に限りなく近いところに住むエスキモーたちの記録であるとされています。
極寒の地での凍てつく風の音、呪術的な太鼓のリズム、人々の声が、アナログレコードだと空間的に聴こえてきて最高。
Sympathy Nervous「Plastic Love」
アナログ機材の音はやっぱりレコードで聴くのが一番。
1980年代に日本で活動していたSympathy Nervousの音源を、アメリカのレーベル・Minimal Waveが発掘してレコード化したものです。
ビキビキ、ウネウネなアナログシンセのサウンドが堪らない!!!
ジャケットも透明なビニールで、めちゃめちゃ可愛いです。
Suicide「Alan Vega and Martin Rev」
甘美で退廃的な世界観がより洗練されたSuicideの2ndアルバム。
アナログだと、アラン・ベガのセクシーかつ変態的なボーカルが息遣いまで伝わってきそうだし、
マーティン・レヴのセンスの塊なトラックは、音数が少ないからこそ、その隙間がより鮮明!!! とにかくドキドキが倍増です!!!
Technics製品のイメージ
Technicsの製品は、まず見た目が渋くてカッコいいです!!! 無駄がなく、チャラつきゼロ!!!
最高です。そして何より、なかなか壊れず丈夫で音に安心感があります。
- テンテンコ
- 1990年生まれ、北海道出身のDJ / エレクトロニクス演奏家。2013年にBiSに加入し、2014年のグループ解散とともにフリーランスとして活動を始める。2019年に自主制作の音源集「Deep & Moistures: The Best of Private Tracks」、2021年3月には音楽レーベル・TALからソロ作品「An Antworten」をリリース。現在はライブ活動や楽曲制作の傍ら、ZINEやアパレル制作なども行っている。
仁村紗和
アナログレコードの魅力
父と昔からソウルバーに踊りに行っていました。そのときのDJさんたちがレコードを回していて興味が湧いて、それからソウルバーに行って店主の方とお話ししたりおすすめのものを教えてもらったりして、自然とレコードを買うようになりました。
レコードで聴くべき3枚
ロジャー「The Many Facets Of Roger」
ロジャーのトークボックス、ギターのジャガジャガカッティング、めちゃくちゃFUNKな1枚です。ずっと大好き。レコードで聴くと近くで演奏してくれている気分になる。「ヤーオ」って言いたくなる。
いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー「アワー・コネクション」
レコードが売っているパスタ屋さんでパスタを食べる前に聴きました。そのときは買わなかったのですが、忘れられなくて調べて買いました。「ムーン・ライト」「バイ・バイ・ジェット」が好きです。
マヤ・ホーク「Blush」
このアルバムは2020年にめちゃくちゃ聴いていました。レコードで聴くと、優しい空気感とホカホカする演奏と歌声にめちゃくちゃ癒されます。
Technics製品のイメージ
タンテについて調べていたときに一番最初に目に入ってきたのがTechnicsでした。私みたいな素人からプロの方たちまで使っているイメージです。幅広い音楽を楽しめるし、見た目も高級感があってかっこいい。
- 仁村紗和
- 1994年生まれ、大阪府出身のモデル / 女優。高校卒業後に上京し、2014年に芸能界デビュー。2015年から女優としての活動を本格的にスタートさせ、以降数々のドラマ、映画、CMのほか、Base Ball Bear、illion、竹内まりや、iriらのミュージックビデオにキャスティングされる。2020年にNHK連続テレビ小説「おちょやん」に出演。また現在放送中のNHK大河ドラマ「青天を衝け」に出演している(2021年11月現在)。趣味は音楽 / 映画鑑賞、写真、ダンス。得意なスポーツはバスケットボールとバドミントン。チャームポイントは太眉。
原田郁子(クラムボン)
アナログレコードの魅力
高校の頃から音楽を渇望し、音楽に魅了されて、今に至りますが、そこにはいつも憧れのようにレコードがありました。
音が好き。形が好き。宿題を終わらせて、一杯のみながらレコードを聴くのが好き。昨日もそんな夜でした。大事な時間。
レコードで聴くべき3枚
リンダ・ルイス「Lark」
ジョイス「Passarinho Urbano」
ニーナ・シモン「Nina Simone & Piano」
アルバムとしてフルで聴きたい3枚。何度も何度も数えきれないほど聴きました。
レコードで聴いて衝撃を受けた音楽は、やっぱり今でもレコードで聴きたくなります。
Technics製品のイメージ
スタンダード! 初めて一人暮らししたときに買ってきたのが、中古のTechnicsのターンテーブル。うれしかったなぁ。
- 原田郁子(クラムボン)
- 1975年生まれ、福岡県出身。1995年に音楽専門学校の同級生だったミト(B)、伊藤大助(Dr)と3ピースバンド・クラムボンを結成。1999年にシングル「はなれ ばなれ」でメジャーデビュー。バンド活動と並行してソロ活動も行い、これまでにソロアルバム「ピアノ」「気配と余韻」「ケモノと魔法」「銀河」を発表した(2021年11月現在)。またハナレグミ、Polaris、toe、フィッシュマンズ、illion、rei harakamiといったさまざまなアーティストの作品に参加。共演、共作、舞台音楽の制作など多岐にわたり活動している。
福富優樹(Homecomings)
アナログレコードの魅力
レコードを買うようになった理由はCDより安いからとか、ジャケットがでかいからとか、とにかくスピッツのレコードを集めたいからとか、いろいろあるのですが、一番の理由は京都の町の中でレコード屋さんという場所がとにかくかっこよくて魅力的に思えたから、だと思います。Homecomingsを始める頃、僕が憧れていた京都のインディーシーンではレコード屋さんにデモが置いてあったり、ライブハウスにレコードを持ったお客さんがたくさんいたりしたこともあってそこからの影響もあります。ちょうどその頃から東京インディーと呼ばれていたアーティストをよく聴くようになったのも大きいと思います。みんなシングルを7inchのレコードでリリースしていて、毎週のようにJET SETというお店に新譜を買いに通っていました。レコードを買い始めてすぐの頃は、とにかく自分の部屋の棚をはやく埋めたい、という思いが強くて、とにかくなんとなくUSインディ感のあるもので値段が安いレコードをろくに試聴もせずに買っていました。その頃は高くても1枚1000円とかそんな値段だったのです。
あれから何年も経って、スピッツのレコードもあらかた集めてしまったし、新譜のレコードは輸入盤CDの倍以上の値段になることも少なくなくなりました。それでも僕がいまだに毎日レコードのことばかり考えているのは、結局は僕がいつまでも“モノ”を集める、“モノ”を手元に置いておく、ということに異常に執着しているからだと思います。音楽に限らず、本でも映画でも、いろんなものがほとんどサブスクで楽しめるようになっても、いつまでも僕は形のある“モノ”としてそれを部屋に置いておきたいのです。その中でもレコードの大きさや、形が僕にはぴったりで、それにそっと針を落とし、くるくると回るのを眺めながら大好きな曲を聴くという時間がたまらなく幸せなのです。僕らが所属しているレーベル・Second Royal Recordsも、メジャーデビュー以降お世話になっているカクバリズムも、どちらもレコード愛があるレーベルでそんなところも大好きです。
レコードで聴くべき3枚
キャット・スティーヴンス「Songs From Harold And Maude」
映画や海外ドラマのサウンドトラックのレコードを集めるのが大好きです。パンフレットを買うような感覚で好きな映画のサントラをレコードで買うというのも素敵ですよね。ジョン・ブライオンが手掛ける「Lady Bird」や「Etarnal Sunshine」、ランディ・ニューマンによる「The Meyerowitz Stories(マイヤーウィッツ家の人々)」「Marriage Story」 、監督本人の音楽への愛情が詰まった「Rushmore」や「Modern Love」、「Juno」や「(500) Days Of Summer」「Wallflower」といったインディーロックのコンピレーションとしても聴けるような作品なんかもあって、なんといってもジャケットがとにかく魅力的です。ソフィア・コッポラ監督の「Virgin Suicides」「Lost In Translation」「Marie-Antoinette」の3枚なんかも最高です。個人的にコレクター心が一番くすぐられるジャンルかもしれません。そんな中でも今年6月12日の「RECORD STORE DAY」でリリースされた「ハロルドとモード」のサントラを選びました。キャット・スティーブンスが手掛けた名作中の名作で、映画とセットでぜひ楽しんでほしいです。
ウェス・アンダーソン監督の新作「The French Dispatch」のレコードも出るし、「レコードの日」には大好きな「The Life Aquatic」のサントラもアナログ化されるのでとても楽しみです。あと「Home Alone」の劇中で流れるクリスマスソングのコンピが今年も再発されるのでおすすめです! 「her」のサントラも最高だったし、「Me And You And Everyone We Know」も「Sex Education」も「A Beautiful Day In The Neighborhood」も名サントラです!
Jammin' Sam Miller「Donkey Kong Country OST」
これはすごいですよ。サウンドトラックの中でも相当なレア度(RARE社最高!)と完成度を誇るスーファミの「スーパードンキーコング」3部作から「1」のサントラのリクリエイト盤(演奏データをソフトから抽出して、当時の機材で演奏し直して……というもうとんでもない作品)がレコードで楽しめる。ちゃんとアナログ化のライセンスを取っているところも素敵。売り切れてしまう前にぜひ。
The Format「Dog Problems」
なんだかんだいって結局自分が思い入れがある、大好きで大好きで仕方ないアルバムをレコードで聴くのが一番楽しいですよね。ということで僕が大好きなアルバム「Dog Problems」です。Fun.として大ブレイクしたネイト・ルイスが以前組んでいたバンドの2007年作。高校生のときにCDをジャケ買いしてから、ずっと大好きなアルバムです。アナログが日本ではなかなか手に入りづらいのですが、3年前に誕生日にプレゼントしてもらいました。泣きながら針を落とした思い出の1枚。今年に入って再発されて、少しは手に入りやすくなったと思うのでおすすめです。
Technics製品のイメージ
Second Royal Recordsの事務所兼ショップのスペースがあるのですが、そこに置いてあったのがTechnicsのターンテーブルで、DJの練習などで使わせてもらったり、上の階にあるART ROCK NO.1というお店で買ったばかりのレコードを聴いたり、自分たちのレコードのテストプレスをみんなで聴いたりしていたので、今でもTechnicsのプレーヤーを見るとなんとなく京都での暮らしを思い出してしまいます。レコードを使ってDJをする機会が年に何度かあるのですが、会場にあるのがいつも決まってTechnicsのターンテーブルなので、やっぱり憧れてしまいますよね。いつか自分の家にもこのセットをそろえて、家でDJの練習をしたりミックスを作ったりするのが1つの夢です。
- 福富優樹(Homecomings)
- 畳野彩加(Vo, G)、福田穂那美(B)、石田成美(Dr)とのバンド・Homecomingsのギター担当。2012年の結成後、バンドとして2014年に1stアルバム「Somehow, Somewhere」、2016年に2ndアルバム「SALE OF BROKEN DREAMS」、2018年に3rdアルバム「WHALE LIVING」を発表した。その後もHomecomingsは国内のライブイベントやフェスのほか台湾やイギリスなどへの海外ツアーも精力的に実施。2019年、活動拠点を京都から東京に移し、2021年5月にポニーキャニオン内のレーベル・IRORI Recordsからアルバム「Moving Days」でメジャーデビューを果たした。
Technics「SL-1200MK7」
世界中のDJがプレイする現場で使われ続ける「SL-1200」シリーズの最新機種。ダイレクトドライブモーターやプラッター、シャーシなどすべてを一新しながら、トーンアームや各種操作スイッチなどの配置は「SL-1200」シリーズのレイアウトをそのまま踏襲し、これまでと変わらない操作性を実現している。ボディはブラックおよびシルバーの2色展開。
Technics「SL-1200G」
音楽好きにリスニング用機材として愛されている“グランドクラス”シリーズのターンテーブル。ダイレクトドライブシステムの課題を解決し安定した回転を実現する、Technicsが開発したコアレス・ダイレクト・ドライブモーターを搭載。Blu-rayディスクの制御技術が盛り込まれたことにより、回転制御がブラッシュアップされている。カラーはシルバーの1色展開。
レコードの日
アナログレコードの魅力を伝えることを目的として2015年より毎年11月3日に開催されているアナログレコードの祭典。東洋化成が主催、Technicsが協賛している。イベント当日は全国各地のレコード店でさまざまなイベントが行われ、この日のために用意された豊富なラインナップのアナログ作品が販売される。