ナタリー PowerPush - でんぱ組.inc

梨紗・もが・ねむが語る「演じること、素を見せること」

「でんぱの神神」は歴史を知ってもらうのに最適な記録

──ここからは「でんぱの神神」についてお話を聞きたいと思います。いよいよDVD化ですね!

夢眠 来ました、ついに!

相沢 いやあ、DVDが出るまで続いてよかったなあ(笑)。

──番組がスタートしたが2012年の6月ですよね。

最上 もうそんなに続いてるんだね。

相沢梨紗

相沢 「でんぱの神神」って最初のコンセプトは、メンバーそれぞれの神様的存在に会いに行くことと、でんぱ組.incのライブの楽屋裏だったりリアルな私たちのドキュメンタリー映像を通じてファンの方に成長を見守ってもらうことだったんです。

夢眠 そもそも私たち、こうやって活動に密着してもらったことがなかったから、最初はすごい不安で……。

相沢 しかも番組で面白いことができないという恐怖が、常に付きまとって……。

最上 最初の頃は空気感が異常でしたね。

相沢 DVDで言うと、特にDISC 1の頃はすごい緊張してるんじゃないですかね。観るの怖いです(笑)。

最上 怖くて観れないですよ。

──第1回(DISC 1収録)はマンガ家の種村有菜先生に会いに行ったんですよね。

最上 種村先生がえいたその神として出てるんですけど、実はでんぱ組.inc全員の神みたいな方で。

夢眠 みんな種村先生のマンガを通ってるから、憧れの人に会わせてもらって最終的に全員号泣してるんですよ。でもあれを観てすごく……我ながら、「なんてピュアな子たちなんだ!」みたいな(笑)。

──あははは(笑)。

夢眠 そんな貴重な経験をさせてもらったことないから、「うちら、もっとがんばんなきゃいけないね」って言って。

相沢 1回目から「本当にいい番組ですね!」とか言ってた記憶が(笑)。

夢眠 まるで他人事みたいな(笑)。

──改めてDVDで確認しましたけど、皆さん初回から変なテンションでしたもんね。

夢眠 たぶん半分くらい空回ってるんですけど(笑)、それくらい気合い入れて撮影に臨んだんです。

相沢 でも「でんぱの神神」に出てくれた神の方と、そのあと何回もお仕事ができるようになったし、この番組はでんぱ組.incの活動にも大きな影響を与えているよね。今思うと、番組と一緒に成長している感がすごくあるなって。まあ1回目を観るのは恥ずかしいけど、でもすごくいい番組だし、でんぱ組.incがどうやってここまでたどり着いたかという歴史を改めて知ってもらうのに最適な記録になってるんじゃないかなと思います。

最初は裏側を撮られることにも慣れてなかった

──梨紗さんが言ってるように、ドキュメントパートは今観ると「あのときはこうだったんだな」っていうのを振り返るのに最適なんですよね。しかも時期的に今の6人編成になって半年くらい経った頃から番組がスタートしてるので、でんぱ組.incの勢いがどんどん加速していく様子を確認できるんです。

左から相沢梨紗、最上もが、夢眠ねむ。

夢眠 ほんとに大事なライブのときには「神神」のカメラが必ず来てるので、最近でんぱ組.incのファンになって昔のライブを観てない人にぜひ観てほしい。新曲の振り入れからお披露目まで観れちゃうんで(笑)。

──合宿してるところも収められてますし。

全員 してましたねー。

最上 だって初っぱなからどすっぴん晒してますからね(笑)。

相沢 ねえ。いいのかな?みたいな(笑)。

夢眠 最初は裏側を撮られることにも慣れてなかったし、こんな恥ずかしい姿をファンの人に観られて嫌われたらどうしようみたいな気持ちもあったんです。でもやっていくにつれてファンの人に「あのとき大変だったんだね」と言ってもらえるようになって、「ああ、受け入れてもらえるんだ!」って実感して。スタッフさんがほんとに……優しくはないんですけど(笑)、なんかもう家族みたいな感じで記録してくれてるんで、私たちもどんどん受け入れられるようになって、今ではこちらから「撮って撮って!」みたいに変わっていきました(笑)。

相沢 最初はカメラが苦手だったのに、最近では「なんで今日『神神』さんいないんですか?」って言ってるし(笑)。でも、その恥ずかしがってる頃の自分を改めて顧みて、今があるんだなってしみじみ思いますね。

みんながつらい思いをしてたことも「神神」を観て知った

──1月に発売される「神BOXビリワン」には2012年6月から11月までの半年分が収められています。

夢眠ねむ

夢眠 タイミング的には「キラキラチューン」(2012年7月発売)の合宿から、「冬へと走りだすお!」(2013年1月発売)の初披露までだ。

──そうですね。この時期で印象に残ってるエピソードって何かありますか?

最上 密着に関して言うと、「日本縦断アイドル乱舞2012」のときにえいたそがいなかったり、ぼくがいなかったりっていうところがあって(DISC 3、4収録)。その裏側にも確かずっとカメラが入ってた記憶があるんですけど。

相沢 そう、あれはやばかった……。

最上 自分がいなくてみんながつらい思いをしてたことも、あとで「神神」を観て知ったし。自分もえいたそがいなかったときに「ああ、えいたそがいないとこんなにつらいんだ。自分がいなかったときも、こんなにつらい思いをさせてしまったんだ」って思ったし……それが自分の中で印象に残ってるというか。初めてほかのアイドルさんたちと一緒に全国を回るっていうだけでテンションが上がって、「みんなでがんばろう!」って言ってたツアーなので、6人の初々しさとギリギリ感が詰まってるんじゃないかな。

でんぱ組.inc 主演映画「白魔女学園」 / 2013年12月25日発売 / ポニーキャニオン
プレミアムBlu-ray BOX / 7140円 / PCXE-50340
DVD / 3990円 / PCBE-54447
プレミアムBlu-ray BOX収録内容

DISC 1:劇場版+特典(舞台挨拶)
DISC 2:ディレクターズカット版+特典(メイキング)
封入特典:ブックレット
本編DISC:160分、特典DISC:160分

DVD収録内容

ディレクターズカット版+特典(舞台挨拶)
封入特典:ブックレット
160分

でんぱ組.inc(でんぱぐみいんく)

でんぱ組.inc

古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音からなる6人組ユニット。東京・秋葉原のライブバー「ディアステージ」をホームグラウンドに2008年から活動を開始。2011年12月に1stアルバム「ねぇきいて?宇宙を救うのは、きっとお寿司…ではなく、でんぱ組.inc!」をリリース。2013年1月にはいじめなど自己の暗い過去を歌ったシングル「W.W.D / 冬へと走りだすお!」でオリコン週間ランキング10位を獲得。主演映画「白魔女学園」の主題歌として同年10月にリリースした「W.W.D II」も話題を集め、同年12月に2ndアルバム「WORLD WIDE DEMPA」をリリース。“萌えキュンソング”と呼ばれるアッパーな楽曲と情感豊かなライブパフォーマンスで国内のみならず海外からの支持も厚く、ジャカルタや台北などでのライブやファッションイベントにも出演。メンバーはそれぞれアニメ、マンガ、ゲームなどの趣味に精通したコアなオタクとしても知られている。2014年5月6日には初の日本武道館単独ライブが予定されている。