音楽ナタリー Power Push - Def Tech
8作目で提示する2人の“インフィニティ”
目指したのは“スタジアムミュージック”
──続く「Journey」は、Shenさんがウクレレを弾いている、心地よいナンバー。
Shen ウクレレをちゃんと弾き始めたのはここ1年くらいですね。弾いていると、東京にいてもハワイにいるような気分を味わえるので、毎日練習するようになったんです。街を歩いているときに弾くこともあるんですけど、そうすると通り過ぎた人が和んだ顔をしてこっちを振り向いてくれたりして(笑)。そういうピースフルな雰囲気を、この曲や「Shaka!」で表現したつもりです。
──「Journey」の途中で入るラガマフィンは、どなたかミュージシャンをフィーチャーされているんですか?
Micro これ僕です。曲の流れの中で、太いボーカルのラガマフィンがあったら面白いのではないかと思って、1stアルバム「Lokahi Lani」以来、挑戦してみました。この曲は10分くらいで完成したかな(笑)。
──ハワイからジャマイカへ。これぞ、最新型ジャワイアンチューンといった感じですね。またアルバムにはこの楽曲のリミックス「Journey (Tropical Juice Mix)」も収録されています。スチールパンを取り入れて、よりカリビアンなテイストになっていますね。
Micro この曲はギターとボーカルだけのシンプルな構成でも面白いなと思い、アコースティックバージョンを作ろうと思っていたんです。そうしたら、Shenの知り合いにトリニダードトバゴで歴史のあるスチールパンブランドの社長の息子さんがいて。その方にお願いして、リミックスにスチールパンで参加していただいたんです。
Shen スタジオに入って音を鳴らしてもらった瞬間、一気にビーチへ移動した気分になれましたね(笑)。
──また「Journey」はミュージックビデオも制作されて。ライブのバックステージを撮影したものがメインになった映像ですね。
Micro これは以前僕らのバックダンサーを務めていて、今は映像関係の仕事をやっている方が「ぜひ作らせてほしい」と言ってくださって、幾つかバックステージでの映像をお渡しして完成したものなんです。僕らのことをちゃんと理解してくださっている人なので、愛を感じる仕上がりになったと思います。また2016年のWCT(「ワールド・チャンピオンシップ・ツアー」)に参加するという日本人初の快挙を成し遂げたサーファーの五十嵐カノンさんと知り合いになって、彼のサーフィン映像を使わせてほしいとお願いしたら、快諾いただいて。その映像も入っています。
──ちなみに、本作のジャケット写真もライブのカットですよね。ライブを意識して作った1枚とも言えるのでしょうか?
Shen もちろん、そこは意識していますよ。特に「The Force」という曲は、2016年以降のライブのオープニングを飾るものを作りたいと思って、完成させたものですね。だからほかの収録曲より音がちょっと大きいんです。
Micro 目指したのは“スタジアムミュージック”ですね。10~20万規模の観客を集められるような場所でも、ちゃんと盛り上げられる音。それって、ただウワーッと行くだけじゃダメで。もっと深みのあるものじゃないといけない。そういう作品を作りたかったという思いが、心のどこかにありました。
もし今ジャスティン・ビーバーに会ったら「Whats' up?」って対等に話せる
──また、アルバムにはスケーターたちへの思いをつづった「SK8 'N' LOVE」が収録。Def Techって、個人的にサーフィンの印象が強いので、ある意味新鮮でした。
Shen サーフィン同様、小さい頃からスケートボードはやっていて。ただ陸にいるか、海の上かだけの違いなので、特に違いはないですよ。車の中にはボードが入っているし、子供とも一緒に遊んだりしています。この年齢になっても、当たり前のようにスケートボードを楽しめる状況にいられるって、ありがたいことだなって思いますね。また、この曲はスケートボードで滑走している音のサンプリングからスタートするんですけど、このアイデアは面白いですよね。
Micro 僕はいつも気になる音を録音していて、それが曲にならないか?って考えているんです。サーフィンだと、どうしても波の音だけになってしまって、それだとありきたりだから入れたくなかった。でも、スケートボードの音だったら、面白い曲ができるんじゃないかってNgacho(G, アレンジャー)と新田雄一(プロデューサー)さんに相談して、さらにリリックにはONE OK ROCKなどとも仕事をしているJamilさんにも参加してもらって、完成させた曲なんです。Jamilさんは僕の日本語を英語に、Shenの英語を日本語に、ニュアンスを含め的確に解釈してくれて歌詞を構築してくれたので、すごくいい仕上がりになったと思います。
──また、途中ではエレクトロニックな要素が入ってきて、ダンサブルに変化する展開もスリリングで面白いですね。これぞ“スタジアムミュージック”って感じがします。
Micro Zedd & Aloe Blaccの「Candyman」が、頭に残っていてね。クオリティの高い変則的なEDMのビートで、しかもメロディが美しい。ああいうものを自分たちも表現してみたくて。この曲を完成させたことで、もし今ジャスティン・ビーバーに会ったら「Whats' up?」って対等に話せるくらいの自信が付きました(笑)。
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収録曲
- LOL
- Journey
- Town & Country
- SK8 'N' LOVE
- The Force
- Booty Clap
- Vacation
- One Hope
- Journey(Tropical Juice Mix)
- Shaka!
Def Tech Special Summer Live
- 2016年8月20日(土)大阪府 大阪城野外音楽堂
- 2016年8月21日(日)大阪府 大阪城野外音楽堂
- 2016年9月4日(日)山梨県 河口湖ステラシアター
Def Tech Zenkoku Tour 2016
- 2016年10月7日(金)新潟県 新潟LOTS
- 2016年10月8日(土)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2016年10月10日(月・祝)富山県 MAIRO
- 2016年10月15日(土)宮城県 Rensa
- 2016年10月17日(月)愛知県 DIAMOND HALL
- 2016年10月19日(水)大阪府 なんばHatch
- 2016年10月21日(金)東京都 新木場STUDIO COAST
- 2016年10月29日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
- 2016年10月30日(日)静岡県 SOUND SHOWER ark
- 2016年11月5日(土)香川県 高松festhalle
- 2016年11月6日(日)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2016年11月11日(金)福岡県 DRUM LOGOS
- 2016年11月16日(水)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2016年11月18日(金)台湾 Legacy Taipei
- 2016年11月22日(火)宮崎県 MIYAZAKI WEATHERKING
- 2016年11月23日(水・祝)鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2016年11月26日(土)沖縄県 ミュージックタウン音市場
Def Tech(デフテック)
Def Techハワイ出身のShenと東京出身のMicroによる“Jawaiianスタイル”のユニット。2005年にアルバム「Def Tech」でデビュー。200万枚を超えるセールスで当時の国内インディーズの売り上げ記録を塗り替えた。以後、活動休止や一時解散を経ながらも自由なスタイルの音楽活動を繰り広げ、2015年には自身初となる単独野外ライブを開催。ほかにもハワイや台湾などで公演を行う。2016年7月に8枚目のオリジナルアルバム「Eight」をリリース。