ナタリー PowerPush - DDTプロレスリング

DDT両国大会前哨戦!? オーケン、プロレスを語る

「夏の魔物」で完全にイメージが固まった

──そもそも高木さんはなんで今回、大槻さんに声を掛けたんですか?

高木 去年DDTで日本武道館大会をやってるんですね。もともと3年間両国国技館大会をやってて、ちょっとステップアップ感を出さなきゃいけないなということで「次は武道館やります」って言って。その武道館の時点でまた両国に戻ることは決まってたんですけども、両国1日だけだとお客さんに「あ、また元に戻っちゃったのね」って言われるし、それもしゃくだったんですよ。だからちょっと無理して「両国2DAYSやります」って発表したんです。新日本プロレスさんのG1クライマックスも昔よくね……。

──両国7DAYSとかやってましたよね。

高木 ね、あったんですけども。ウチはプロレスの同じ興行で2日間やっても勝算はなかったので、初日はいわゆるタレントやアーティスト、アイドルとコラボをやりたいなと漠然と思いまして。

──それは「夏の魔物」とかに出た結果、そう思ったんですか?

高木 いや、「戦国武将祭」っていうイベントがあったんですよ。昔、さいたまスーパーアリーナでやった、コーエーテクモゲームスの「戦国無双」ってゲームとプロレスのコラボで。そこにGacktさんとかいろんなアーティストの方が出てたんですけど、あれが僕の中ですごく新鮮に映って、やるならこういう感じかなと思ってたんですね。そして「夏の魔物」に初めて出させていただいて、青森のすごい開放的な中でのごった煮感が僕のなかでツボにハマッて。

──アイドルとかミュージシャンがそこらを歩いていて、場外乱闘にも参加したりで。

大槻ケンヂ

高木 そうです。吉田豪さんもいたりして、これはおもしろいなと思って、あそこで完全にイメージが固まったんですよ。それで成田(大致)くんとお話をして「こういうことを考えてるんですけど」って言ったら「それは大槻さんしかいないですよ!」って言われたんですよね。

大槻 なんか彼に気に入ってもらってるらしく、ずっと「夏の魔物」に呼ばれてたんですけど、毎回断ってたんですよ。

──今年初登場なんですよね。

大槻 そうそう。とにかくいろんな評判を聞いていて(笑)。ミュージシャンがテントを作らされたとか、いろいろ話が盛られてて、おっかないからちょっと行かないでおこうって思ってたんですよ。でもついに去年、内田裕也さんまで出たって聞いたんで、それはちょっと行かないとなって。

高木 で、さっきも話したウチの入江茂弘っていう選手が筋肉少女帯の「タチムカウ」って曲をずっと入場テーマに使ってることもあって、これは大槻さんしかいないと思いまして。

大槻 入江選手が筋肉少女帯の曲で入場してくれるっていうのはけっこう前から知ってて、うれしいなと思ってて。一度観に行かなきゃなって思ってたんですよ。最近また「週プロ」(週刊プロレス)を買ってて、見てたら入江選手が「大槻ケンヂマニア」として出てたから、なんか恥ずかしくて照れちゃってパッと閉じて。だからまだそのページ読んでないんです(笑)。でもさ、今回DDTさんだから俺も普通に出るよりなんかあったほうがいいかなと思ってるんですけど。鈴木みのるさんの入場テーマを歌ってる中村あゆみさんの格好で出てきて「風になれ」を歌おうかなと思ったりしてて。わかる人は「あれ? 中村あゆみ?」ってさ。

高木 ハハハハハ!(笑)

坂口征夫は本物だったので欲しかった

大槻 僕が出る初日は南海キャンディーズの山里(亮太)さんが司会で、あとアントン(アントーニオ本多)のお父さんが出られるんですよね。

高木 そうです、アントーニオ本多のお父さんが渡辺哲さんっていう俳優さんで、あと坂口憲二くんが出るんですよ。お兄さんの坂口征夫くんが試合に出るんで。で、アントンが“モンスターアーミー”ってチームを今やってて、坂口征夫組との4対4でセコンドに憲二くんっていう試合があって。

──憲二さんのセコンドは、お父さんの坂口征二さんが限定復帰した10年前の新日本の東京ドーム以来ですかね。

高木 そうですね。

高木三四郎

大槻 征夫さんは、もうすっかりDDTに?

高木 溶け込みましたね。所属ではないんですけど。征夫くんは、小さい頃からプロレスラーになりたかったんですけど、なかなかなれなくて。あの人、高校の卒業式の前日に渋谷で大ゲンカして退学させられてるんですよ。で、お父さんお母さんが怒って、「おまえのようなヤツは新日本に行け!」って言われて。

大槻 いいエピソードだなあ(笑)。

──新日本が矯正施設扱い(笑)。

高木 それで新日本に強制的に入れられたんです。もちろん征夫くんはプロレスやりたかったんで、しめしめと思ったらしいんですけど、やっぱり何かにつけてお父さんと比較されちゃったらしいんですよ。それで「おまえはダメだけどお父さんはどれだけ素晴らしいか」って言われるのがすごく嫌で辞めちゃったんです。そんなことがあって、もう一生人前で裸になる仕事はしないってことで全身に刺青を入れて。

大槻 それなのにその後、全身刺青のレスラーや格闘家がいくらでも出てきた(笑)。

高木 そんなこんなで、自分が声かけたときはもう40歳前で、誰も声かけてこなくなってたらしいんですよ。

──総合格闘技も一回辞めてね。

高木 そう。それで佐藤光留っていうレスラーがいるんですけど、それが“ハードヒット”っていうウチのちょっとUWFっぽいスタイルの興行に征夫くんを連れて来たんです。なんでこの人はプロレスやらないんだろうなと思って声かけたら「僕は今でもやりたいんですよ」「じゃあ、やればいいじゃないですか」って、僕もあっさり「じゃあ武道館に出ましょうよ」って言って出てもらったのがきっかけだったんですけど。

大槻 征夫さん、試合の合間に物販コーナーにいるとオバチャン人気がすごいですね。やっぱり色気があるから、オバチャンが目キラキラさせてて。

高木 すごいですよね。昔不良だっただけあって不良の色気があるんですよ。彼は本物だったので欲しかったんです。

DDTプロレスリング 両国国技館大会

DDTプロレスリング 両国国技館大会 フライヤー
DDT万博 ~プロレスの進歩と調和~
2013年8月17日(土)東京都 両国国技館
OPEN / 13:30 START / 15:00
席種
  • アリーナ席 / 完売
  • マス席 / 4000円(当日5000円)
  • 2階席 / 3000円(当日4000円)
両国ピーターパン2013 ~プロレスの傾向と対策~
2013年8月18日(日)東京都 両国国技館
OPEN / 12:30 START / 14:00
席種
  • ドラマティック・ドリーム・シート(大会特製パイプ椅子のお土産付き) / 完売
  • アリーナ席 / 完売
  • マス席A / 完売
  • マス席B / 7000円(当日8000円)
  • マス席C / 完売
  • 2Fイス席A / 5000円(当日6000円)
  • 2Fイス席B / 4000円(当日5000円)
  • 2Fイス席C / 3000円(当日4000円)
イベントの詳細はこちら! DDTプロレスリング公式サイトへ
大槻ケンヂ(おおつきけんぢ)
大槻ケンヂ

1966年東京出身の男性シンガー/作家。中学の同級生だった内田雄一郎と筋肉少女帯を結成し、1988年にアルバム「仏陀L」でメジャーデビュー。不条理かつ幻想的な詩世界と卓越した演奏力で、独自の世界観を確立する。またバンド活動と並行して、小説やエッセイを執筆。青春小説「グミ・チョコレート・パイン」は2007年に映画化され、話題となった。また1995年にはソロアーティストとして、アルバム「ONLY YOU」をリリース。1999年には新バンド・特撮を結成し、精力的なライブ活動を展開する。2006年に筋肉少女帯が再活動。現在はバンドやソロなど、さまざまな活動を行っている。