ナタリー PowerPush - DDTプロレスリング

DDT両国大会前哨戦!? オーケン、プロレスを語る

週プロを毎号買ってたときが僕のピーク

高木 あとはBiSっていうグループが出ます。

大槻 ああ、BiSはビックリしましたよ。競泳用水着でダイブしたりとか。画質がピンク映画みたいなPVとか。

──全裸PVもやってますからね。

大槻 え! 全裸もやったの? 昔、アンドールって全裸セクシーグループいたけど。

──全裸でニプレス着けて森の中を走り回るっていう。BOW WOW WOWみたいな感じで。

大槻 それはもう鶴見五郎さんの青果市場プロレスみたいなとこまでいっちゃってますね。

──予算がない中でどうやって話題作りをしていくかっていう活動を続けているわけですよ。

高木三四郎

高木 だからBiSは昔の僕らを見てるような感覚があって。とりあえず両国でのワンマンはやりましたからね。

大槻 えっ! BiSが両国? ホントにアイドルって、今ステップアップの速さが異常だね。バンドブームのときのバンドより、あっという間。

──あっさり武道館やっちゃうグループも増えてますからね。

大槻 みんなパーッといっちゃうね。だからプロレスもUWFとFMWがガーッときてた頃にインディーブームがあって。コンサバティブな一般社会に適応していく若者たちはUWFとかにいってたんですけど、そうじゃない、UWFからはぐれた者たちがW★INGとかに流れて。高木さんはその内の最果て、屋台村デビューですよね。

高木 そうです。あれはいろいろとひどかったですね。

大槻 俺、屋台村はなんか行く機会なかったの。

──そうなんですか? あの頃、高野拳磁を推してたのに。

大槻 うん、でも高野さんの試合自体、実はそんなに観てない。「リングの魂」っていう番組で一緒になることがあって。だから「週プロ」も毎号買って、釘のボードに将軍KY若松があぐらかいて瞑想してるのとかを読んでたときが、僕のピークでしたね。これもう最高だなと思ってて。でも、なぜか観には行かなかったんですよね。

──それって、たぶん杉作(J太郎)さんが高野拳磁にハマりすぎてて、ちょっと怖いとか思ったんじゃないですか?

大槻 あっ! そうだね。

DDTも現代の太閤記みたいなもんだよ

大槻ケンヂ

大槻 「野良犬伝説」っていうビデオがあったじゃないですか。若松さんと高野拳磁さんとかの闘いにすごいオーケストラが流れる。あれを観てちょっと引いちゃったんだよね(笑)。外道が演奏してて。

──プロレスラーじゃなくて、加納秀人率いるバンドのほうの外道が。

大槻 あのとき、なんで外道が演奏してたんですか? ロックとコラボっていう。

高木 あれは企画会社が入ってて、もともと「ビデオ安売り王」で売るのが前提にあった大会だったんですよ。

大槻 それで円山町のO-EAST、旧ON AIR EASTの外に出て、ずっと場外乱闘して、そのまままた中に入っていくとまだ外道が演奏してて。あれはホントになんだろうっていうプロレス映像でした。

高木 「野良犬伝説」は自分も出てました。旧渋谷ON AIR EASTでやった興行で。

大槻 円山町で高野拳磁さんが暴れるやつ!

高木 あのときは最初、僕らは若手のトーナメントみたいなのをやってくれって言われて行ったんです。僕は屋台村プロレスにいたんですけど、あそこってアマチュアなのかプロなのかわからない状態だったんですよ。だからあれが初めて出るプロの団体だったんです。そしたら高野さんが「こんな若手のトーナメントを渋谷でやってもしょうがねえだろ。おまえら全員ペイントしろ」って言い出して。

──いきなり(笑)。

高木 「おまえら全員ペイントして名前も変えろ」って言われて、「ええっ?」と思っちゃって。しょうがないからみんな東急ハンズで絵の具みたいなの買ってきてペイントして。そこで日本初のペイントレスラートーナメント実現ですよ。

大槻 ハハハハ、素晴らしいですねえ!(笑)

高木 で、僕らの中で優勝したのちの菊タローが「高野さん、よろしくお願いします」って言ったら「おめえが勝ったのかよ!」とか言って(笑)。

──そんな流れも知らないんですか(笑)。

高木 で、「おめえじゃ俺とやってもしょうがねえな。じゃあ、おめえら全員かかって来い」って言い出して。

写真左から大槻ケンヂ、高木三四郎。

──トーナメントの意味ないですよ!

高木 そうなんですよ(笑)。で、「面倒くさいから次の宇宙パワーとの試合も全部くっつけちゃおう。1対7でやったらすごくなるんじゃね?」みたいなことを言い出して、みんなポカーンとしちゃって。もう流れが全部変わって1対7のハンディキャップマッチになったんです。

──それが当日突然変わったんですか?

高木 当日の休憩中に全部変わりましたね。

──それって対応できるんですか? しかもデビュー戦とかで。

高木 だから……大変でした(笑)。それに自分は外でずっと高野さんに首絞められてて。けっこうキツくてちょっと落ちちゃって、外に横たわってました。

──渋谷のホテル街で(笑)。

高木 そう。あれはひどかったですね。

大槻 そういう意味ではDDTも現代の太閤記みたいなもんだよ、屋台村から武道館って。そしたらBiSももしかしたら武道館イケるのかもって思うけど。これヤバいですよ! 今のアイドルはプロレスインディーブームのときにパッといっちゃった人、バンドブームのときにまだ実力が伴ってないのにバーッと大会場でやっちゃった人と一緒の状況だから。

──スイマーズがボーカルだけ引き抜かれてメジャーデビューしたみたいな感じですかね。

大槻 そうだよね! でも若い女の子は対応力があるから、そこから始められるのかもしれないね。しかし、BiS両国なの? そんな驚いちゃあれか(笑)。BiSが受け入れられる時代がついにきたのか。

DDTプロレスリング 両国国技館大会

DDTプロレスリング 両国国技館大会 フライヤー
DDT万博 ~プロレスの進歩と調和~
2013年8月17日(土)東京都 両国国技館
OPEN / 13:30 START / 15:00
席種
  • アリーナ席 / 完売
  • マス席 / 4000円(当日5000円)
  • 2階席 / 3000円(当日4000円)
両国ピーターパン2013 ~プロレスの傾向と対策~
2013年8月18日(日)東京都 両国国技館
OPEN / 12:30 START / 14:00
席種
  • ドラマティック・ドリーム・シート(大会特製パイプ椅子のお土産付き) / 完売
  • アリーナ席 / 完売
  • マス席A / 完売
  • マス席B / 7000円(当日8000円)
  • マス席C / 完売
  • 2Fイス席A / 5000円(当日6000円)
  • 2Fイス席B / 4000円(当日5000円)
  • 2Fイス席C / 3000円(当日4000円)
イベントの詳細はこちら! DDTプロレスリング公式サイトへ
大槻ケンヂ(おおつきけんぢ)
大槻ケンヂ

1966年東京出身の男性シンガー/作家。中学の同級生だった内田雄一郎と筋肉少女帯を結成し、1988年にアルバム「仏陀L」でメジャーデビュー。不条理かつ幻想的な詩世界と卓越した演奏力で、独自の世界観を確立する。またバンド活動と並行して、小説やエッセイを執筆。青春小説「グミ・チョコレート・パイン」は2007年に映画化され、話題となった。また1995年にはソロアーティストとして、アルバム「ONLY YOU」をリリース。1999年には新バンド・特撮を結成し、精力的なライブ活動を展開する。2006年に筋肉少女帯が再活動。現在はバンドやソロなど、さまざまな活動を行っている。