DAOKO|多彩なクリエイターを迎えた新作で「青との訣別」果たす

Tempalayとの出会いは「忘れていたことを思い出した感覚」

──「ワンルーム・シーサイド・ステップ」はTempalayとのコラボですが、これはどういうアイデアで?

Tempalayは、私が今一番好きなバンドなんです。去年ライブを観に行ったときに、今まで聴いてきた音楽と全く違うけど、すごく面白いと思いました。ボーカルギターの小原(綾斗)くんが作曲してるんですけど、ライブを観たときに「すごいギター弾く人だな」って。ギターが歌ってるみたいな感覚なんです。それまで私、バンドのサウンドではギターよりドラムで感動することが多くて、ギターで感動するってあんまり経験してなかったのでそれが衝撃的で。それで曲をいろいろ聴いてみたら、ドラムも全部よくて。音楽的にどうというのはうまく言えないけど、バイオリズムと言うか、自分の心の波長と音の波長が合ってる感じなんです。それくらい「見つけた!」みたいなバンドで。それで実際にお話しする機会があったときに「曲を作りたい」って伝えて。最初は遊びで何曲かトラックを送ってもらって、それに対して何曲か作ったうちの一番好きな1曲です。

DAOKO

──心の波長が合ったというのはすごく興味深いですね。どういうところなんでしょう?

忘れていたことを思い出したみたいな感覚があったんです。これまで第一線の人と仕事したり、いわゆるメジャー的な制作が続いてて、自分が本当に好きなものってなんなんだろうと思うようになってて。でも時間がなかったり、目の前のことに追われてるだけの生活だと、音楽にしても映画にしても、あんまりそういうものに出会えないから。何が楽しくて何が美しいのかわからないっていう、自分を見失ってるような不安に駆られている時期にTempalayと出会ってこの曲ができて。それですごくうれしかったんです。「こういう感覚だった!」みたいな感動があった。曲作りってこういうクリエイティブなものだったなと言うか。世に出ていくことも考えてなくて、2人だけのキャッチボールで曲が生まれたんです。例えば何かの主題歌とかだと、物語を引き立てることを考えたり、いろんな人の事情もあるんですよね。それはそれで構築美があるし、そういうのもやっていきたいなと思うんですけど、そうじゃなくて自然と瞬間的に曲が生まれるときの純度を取り戻した感じがしたと言うか。自分が音楽をやるうえで「自分が美しいと思えるものを貫き通してやっていこう」という指針にもなった。自分自身が救われた曲でもあります。

──これもTempalayというバンドのよさを引き出したタイプの曲ですよね。彼らは一般的にはサイケという言葉で表現されるけれど、じっくりと染みてきて、気付いたら虜になっているみたいなタイプの美しさを表現しています。

この曲もTempalayがTempalayであるための曲ではなくって、「DAOKOがこうだったらいいのにな」っていうイメージで作られたものなんです。そこが触媒力っていうものなのかもしれない。たぶんそれぞれの人の中に「こうだったらいいのに」という私のイメージがあるんだろうなって。

──DAOKOさん自身も、そういういろんなクリエイターの人の「DAOKOはこうすればカッコいい」という提示にちゃんと乗っかりますよね。その一方でさっき言われたような「自分が美しいと思えるものを貫き通す」という考えもある。

私にも自我はあるんですけど、「もっとこうしたらいい」とか「こういうのが面白い」と言われたものに対して、「そうなんだ」みたいに、スポンジみたいに吸収するところもあるので。ただ、やっぱりTempalayとかD.A.N.とか岡村靖幸さんとか椎名林檎さんみたいに、その人にしかない色や世界観を持ってる人に憧れるし惹かれます。その人の色を通して、自分の色も探すみたいな感じですね。誰かとコラボすることによって見つかる自分みたいなものを取り入れられたらと思います。

──玉屋2060%さんの作った「Juicy」はどうでしょう? これは彼らしいアッパーでテンションの高い曲ですが。

これは2年くらい前からずっとあった曲ですね。どこかで発表したかったので念願叶いました。前回のツーマンツアーの仙台公演でWiennersに出演していただいたときに一度ライブで歌ったんです。この曲自体は「ShibuyaK」くらいのころに作っていた曲で。私も全然自分が見つけられてなかった頃ではあるんですけど、その感じが歌詞に表れていたり、この曲を聴くと自分で自分の歌詞にハッとします。玉屋さんのおもちゃ箱のようなサウンドと、このときの自分の声と言葉とメロディが絶妙にマッチしていると思います。

──THA BLUE HERBのO.N.Oさんがトラックを提供した「GRY」はどうでしょう? これはヒップホップとしての説得力をキッチリと示すような重みのある曲だと思いますが、どういうふうにして作っていったんでしょうか。

前回の対バンツアーの北海道公演でO.N.Oさんとご一緒させていただいて。そのときに曲をお願いしていて作り始めたトラックがやっと形になったんですよね。最初はこういうノリ方ではなかったし、違う印象の曲だったんですけど、自分の中にノリを見つけたと言うか。表現したいけど、うまく言葉にできないところを表現できた曲かなと思いますね。なんとも言えないグレーな感じのところという。この曲はすごく今の気分にハマった曲で、とても気に入っています。ポエトリーと歌とラップという、これまで自分が培ってきたスキルを発揮しながら、斬新なアプローチができたと思います。

DAOKO「THANK YOU BLUE」
2017年12月20日発売 / TOY'S FACTORY
DAOKO「THANK YOU BLUE」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
3888円 / TFCC-86624

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DAOKO「THANK YOU BLUE」通常盤

通常盤 [CD]
3024円 / TFCC-86625

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CD収録曲
  1. 打上花火(DAOKO×米津玄師)
  2. ステップアップLOVE(DAOKO×岡村靖幸)
  3. Juicy
  4. さみしいかみさま
  5. ShibuyaK
  6. BANG!
  7. ダイスキ with TeddyLoid
  8. 拝啓グッバイさようなら
  9. 同じ夜
  10. GRY
  11. もしも僕らがGAMEの主役で
  12. ゆめみてたのあたし
  13. Cinderella step
  14. ワンルーム・シーサイド・ステップ
初回限定盤DVD収録内容

チャームポイント

  1. チャームポイント
  2. 歌舞伎町の女王
  3. BOY(Re-Arrange)
  4. ぼく(Re-Arrange)
  5. okay!
  6. さみしいかみさま(Re-Arrange)
  7. Fog(Re-Arrange)
Cygames presents DAOKO TOUR 2017-2018 "THANK YOU BLUE"

2018年1月11日(木)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
※終了分は割愛

DAOKO(ダヲコ)
DAOKO
1997年生まれ、東京出身の女性ラップシンガー。ニコニコ動画のニコラップに投稿した楽曲で注目を集め、2012年に1stアルバム「HYPER GIRL-向こう側の女の子-」を発表。ポエトリーリーディング、美しいコーラスワーク、ラップを絶妙なバランスで織り交ぜたドリーミーな世界観で話題を呼ぶ。2015年3月にはTOY'S FACTORYよりアルバム「DAOKO」にて高校生にしてメジャーデビュー。2016年4月にTeddyLoidとのタッグで学校法人・専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)の2016年度テレビCMソングを担当。同曲も収めたトリプルA面シングル「もしも僕らがGAMEの主役で / ダイスキ with TeddyLoid / BANG!」を9月にリリースした。2017年8月には映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の主題歌を含むニューシングル「打上花火」を発売。10月に岡村靖幸とのコラボレーションによるシングル「ステップアップLOVE」を発表し、11月に配信限定リリースされたBeckの楽曲「Up All Night × DAOKO」にも参加した。12月に約2年9カ月ぶりのフルアルバム「THANK YOU BLUE」をリリース。1月11日まで全国ツアー「Cygames presents DAOKO TOUR 2017-2018 "THANK YOU BLUE"」を開催している。