「YELL」は人生で欠かせない曲

──ラスト2曲「さわって」「YELL」も、ぜひ制作秘話を伺いたい曲です。まず「さわって」は、DAIGOさんの心根の優しさが垣間見えて胸が熱くなりました。

この歌詞はアルバムの中で一番自分をさらけ出してると思います。恥ずかしいくらいに。今って、何気ない日常でふと寂しさを感じる瞬間があったり、人間関係もデリケートな時代じゃないですか。ちょっとした言葉で相手を傷付けることもあるだろうし、その傷付いた人に声をかけたいけど、どう言っていいのかわからない……とか、ちょっと臆病になってしまってたり。そういうことをいろいろ考えてるときにこの歌詞が思い浮かんだんです。

──なるほど。

でもやっぱり、他人を変えることはできないから自分が変わっていくことはすごく大事で。自分自身が前に進むためにがんばって、どんどん殻を破っていかなきゃっていう思いを込めました。

──テレビで観るDAIGOさんのイメージからすると、こんなこと考えてるんだって意外に思う人も多いんじゃないですかね。

そうですね。でもこうして気持ちをさらけ出すことで、自分の心に触れてもらえるような、それこそ“さわって”もらえるような気がしたんで。わかるよって共感してくれる人がいたらうれしいですね。

──「YELL」は、ラストの曲にふさわしい壮大なナンバーです。

これは自分の中で大きな意味のある曲で。歌詞は悩んだんですけど、自分のすべてをここに詰めたいと思って書きました。

──というのは？

19歳の頃からメイクを担当してくれてた方が去年亡くなったんです。その方はずっと僕にエールをくれて、支えてくれて、俺がここまで歌い続けてることができた恩人の1人で。集大成的なアルバムというのであれば、その方への思いや感謝もちゃんと残したいなと思ったんです。今までの人生を総括するという意味では絶対外せない思いだったし、僕の人生の中でも欠かせない曲になりましたね。

40歳になるまでは全力で突っ走る

──改めて今回はDAIGOさんという人をいろんな角度から知れるアルバムになったと思います。ある意味、すごく人間味のある1枚というか。

そうですね。僕自身も、自分の中の金を掘り起こした感じがあるので。

──まさにゴールドですよね。ジャケット写真も金がまばゆいです（笑）。

ハハハハハ（笑）。ゴールドのナポレオンジャケットは、今こういう衣装を着る人ってやっぱり限られてくると思うので。ありがたいことに「違和感ない」とか「似合ってる」って言ってもらえるので、それも個性かなと思って着てみました（笑）。

──以前、DAIGOさんのインタビューで「目立っていきたい」という言葉を目にしたんですが、やはりそういう気持ちも常にあるんですか？

そうですね。とりあえず40歳になるまでは全力で突っ走って。どんな40歳が待ってるかっていうのが楽しみなんで。僕、忙しくなったのが30歳くらいからなんで、10年突っ走ったらどうなるかってことに興味あるんですよ。もしかしたらすっげーボロボロで「2、3年サイパンあたりで過ごします」ってなってるかもしれないけど（笑）。

──歌はもちろん、バラエティや俳優など、すべてに全力で臨むパワーの源はなんですか？

なんなんでしょうねえ。でもやっぱり、仕事があるのは僕にとってすごくうれしいことなので。疲れてはいるんでしょうけど、今思えば仕事がないときのほうが疲れてましたよね。人って、仕事がなさ過ぎると逆に疲れるんですよ。バイトとかでも、すっげー暇な日に意外と疲れるっていう（笑）。そういうのと近いものがあるかもしれないです。

──ちなみに、仕事がないときはどんなことをしていたんですか？

毎日、新宿で全力で飲んでました（笑）。それはそれで暇な時期しかできないことではあったんですけど、もうあの時代には戻りたくないなーっていうのはありますね。

キラキラした気持ちになれるツアー

──最後に、3月9日からスタートする全国ツアーに来てくれる方にメッセージをお願いします。

とにかく、この「DAIGOLD」の1曲1曲が引き立つようなライブにしたいと思っているので。みんなで楽しい時間を過ごして、次の日もキラキラした気持ちでがんばろうと思えるような時間にしたいですね。

──きっといろんなエンタテインメントが盛り込まれるでしょうし、DAIGOさんのライブは初参戦の人でも楽しめそうですよね。

そうですね。たぶん楽しみやすいライブになると思います。だから初めてで迷ってるっていう人もぜひ。俺、今回のアルバム作るのにけっこう時間かかってて、このペースだと2ndは4年後くらいかもしれないんで（笑）。ぜひこの機会に会いに来てほしいなと思います。