Da-iCEが5月30日にニューシングル「FAKESHOW」をリリースした。
グループの“5周年イヤー第2弾シングル”として発表される今作の表題曲はジャズファンク的なストリングスとエレクトロなトラックが融合したサウンドに、人間の嘘や欺瞞に皮肉を込めた歌詞が乗るナンバー。前作「TOKYO MERRY GO ROUND」に続き、コモリタミノルが楽曲提供を行ったこの曲で、Da-iCEはクールに振り切ったパフォーマンスを披露している。
今作のリリースを記念して、音楽ナタリーではメンバー5人にインタビューを実施。楽曲について話を聞いたほか、ギミック満載の力作となった「FAKESHOW」のミュージックビデオについてもたっぷりと語ってもらった。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 草場雄介
僕らはすごくマッチングしている
──今年はまず、1月にコモリタミノルさんが楽曲提供をされた「TOKYO MERRY GO ROUND」を“5周年イヤー第1弾シングル”としてリリースされて(参照:Da-iCE「TOKYO MERRY GO ROUND」インタビュー)。この曲は今までのDa-iCEにないようなきらびやかなポップソングでしたけど、周囲の反応はいかがでしたか?
工藤大輝 学生のファンのみんなからは「今までに聴いたことのない感じ」みたいな反応をもらうし、もうちょっと上の世代になると「懐かしい」といった反応が多くて。世代によってすごくリアクションが違いましたね。
──ライブでのリアクションはいかがですか?
花村想太 最近はこの曲が“武器”になりつつあると言うか。僕たち自身、踊っていて「楽しい」と思える曲なので、勝手に気持ちが高揚していくんですよ。Da-iCEのことを知ってくれている方が少ない会場でも、この曲で自然と笑顔になってくださる方を見つけられるから、ありがたい楽曲だなあと思います。
──コモリタさんとはこの曲が初タッグでしたが、手応えがあるような感覚ですか?
大野雄大 手応えと言うか、もう僕らはコモリタさんに曲を書いてもらえるのがうれしいってだけで。僕らはコモリタさんが作られた曲を聴いて育った世代ですからね。
想太 今作の「FAKESHOW」もコモリタさんが書いてくださった曲なんですけど、“コモリタワールド”全開の曲に自分たちの色を足させていただくときの変化に僕は一番ワクワクします。自分的に、僕らはすごくマッチングしているんだろうなという感覚になれるくらい……コモリタさんのデモは完成されているけれど、僕らが歌ったバージョンにも自信が持てるんですよ。なので楽しいです。どうやって歌えば自分らしさが出るのか、まったく予想がつかない楽曲をいただける。そんな楽曲なかなか出会えないと思うし、すごく幸せなんです。
“ダイス”に委ねた運命
──その“5周年イヤー第2弾シングル”の「FAKESHOW」は「TOKYO MERRY GO ROUND」と同じコモリタさんの提供曲ですが、前作とはだいぶ異なるテイストですよね。
大輝 実は、「第2弾もコモリタさんにお願いしよう」と最初から決めていたわけではないんです。この曲ともう1曲候補に残ったいい曲があって、2択で決めきれずにいたんですよ。どちらにしようか会議を重ねたんですがそれでも決まらなくて、最終的にはサイコロを投げて決めるという手段に出まして……。
和田颯 奇数が出たら「FAKESHOW」、偶数が出たらもう1つの曲、ってね。
想太 「FAKESHOW」には「攻めすぎなんじゃないか」っていう意見と「いや、ここは攻めるべき」っていう意見があったんです。で、もう1曲はこれまでのDa-iCEらしい、バキバキに踊るカッコいいタイプの曲で。どっちもよさがあったから、サイコロで決めるしかなかったんですよね(笑)。
──第2弾シングルはこういう方向性で行こう、みたいなテーマはあったんですか?
想太 ありましたね。「踊ろう」っていう。
大輝 そうだね。ここ最近は激しく踊ったり、カッコいい方向性の曲をリリースしていなかったので、「クールな感じの曲を出したいよね」と言う話は前作を出したあたりからしていました。で、いざサイコロを振ったら1が出たので「FAKESHOW」になったんです。なので偶発的な2作連続と言いますか。ただ、「運命だったのかな」って思いもあります。
歌い分けの難しさ
──ボーカルの2人が歌入れのときに意識したことはありますか?
雄大 この曲はDa-iCE史上一番ミステリアスでクールに振り切っていると思うので、まだ開けたことのない引き出しを開けて……かつ自分たちの色を出さないといけない、楽曲のよさを引き立たせなきゃいけないっていう、そのあたりの駆け引きが難しかったなと思います。今まではわりとすぐに曲の温度感をつかめる感覚があって、「感情に任せて」とか「言葉の意味を大事にして」とか表現のやり方を決められたんですけど、この曲はなかなかそうもいかず。感情的に歌うような曲ではないし、そもそもタイトルが「FAKESHOW」だし……っていうところで、自分があまり出さない“冷たい感情”を意識したので、難しかったですね。
想太 「TOKYO MERRY GO ROUND」のときは、「声を5歳若返らせて」みたいなディレクションを受けて、倍音薄めの、上の部分を使う歌い方にしたんです。けれど今回は逆に、なるべく下に下げて声を太めに作って歌わせていただきました。なので明確に歌い方は前作と違います。そういった歌い分けの難しさがありましたね。
──終盤に来る想太さんのものすごいフェイクがとても印象的でした。
想太 あそこは「好きに歌っていいよ」って言われていて。最初は全然違うことをやっていたんですけど、だんだん気分が上がってきて、出てきたのがアレです。もう、1回きりですね(笑)。歌っているうちに「もっと高い音出そう!」と思って、やってみたら出ちゃった。
颯 2人の声が入った曲を聴いて、今まで僕たちが見せてきたDa-iCEよりも大人っぽいと言いますか……色気を出していける曲になってるなと僕は思いましたね。
岩岡徹 2人の声が乗ることによってすごくDa-iCEらしさが出て、僕はそのときに振り付けがすごく楽しみになりました。
大輝 アウェイのイベントで勝負できる曲になったなと思います。“持っていく”力を感じますよね。手前味噌ながら、僕らは“盛り上げ曲”をたくさん持っていると思っていて。でもカッコよさを見せられて、一発で「この人たちいい感じかも」って思わせられるような曲はひさびさと言うか。だから、今後キーになる曲になっていくと思う。「TOKYO MERRY GO ROUND」とはまったく違う意味での“使い勝手のよさ”がある気がします。それに、パフォーマンスをしていて「楽しい」って感覚がすごくあるんですよ。「パラダイブ」みたいに自分たちでワイワイ騒いで楽しいっていう意味の「楽しい」じゃなくて、ダンスをしてそれを見てもらえることが楽しい。そういう感覚は久々なんです。
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え、完璧ですね!?
- Da-iCE「FAKESHOW」
- 2018年5月30日発売 / UNIVERSAL SIGMA
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初回限定盤A [CD+DVD]
1800円 / UMCK-9947 -
初回限定盤B [CD+DVD]
2300円 / UMCK-9948 -
通常盤 [CD]
1200円 / UMCK-5654
- CD収録曲
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- FAKESHOW
- Limits
- Hello -5 Voice & Bossa ver.- ※通常盤のみ収録
- 初回限定盤A付属DVD収録内容
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- FAKESHOW Music Video
- The making of FAKESHOW
- 初回限定盤B付属DVD収録内容
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「AAA NEW YEAR PARTY 2018 - Da-iCE acts ver.-」
- NEXT PHASE
- WATCH OUT
- Splash
- 恋ごころ
- わるぐち
- 君色
- トニカクHEY
- エビバディ
- パラダイブ
- TOKYO MERRY GO ROUND
- Da-iCE(ダイス)
- 2011年に結成された、ボーカリストの大野雄大、花村想太、パフォーマーの工藤大輝、岩岡徹、和田颯の5人からなるダンス&ボーカルユニット。クラブやライブハウスを主な活動の場として年間100本を超えるライブを行い、2012年にはAAAのツアーのオープニングアクトに抜擢される。2014年1月にユニバーサルシグマからメジャー1stシングル「SHOUT IT OUT」をリリースした。2017年1月に初の日本武道館公演を実施し、武道館公演の1週間後に3rdアルバム「NEXT PHASE」を発表。同年にスタートした全国ツアー「Da-iCE LIVE TOUR 2017 -NEXT PHASE-」では、最終公演を千葉・幕張イベントホールで開催した。2018年にデビュー5周年を迎え、1月に5周年イヤーの第1弾シングルとして「TOKYO MERRY GO ROUND」をリリース。5月30日に第2弾シングル「FAKESHOW」を発表した。