どうしても音源にしたかったLinkin Parkのカバー

──ちなみにアルバムのラストはcoldrainのMasato（Vo）さんが客演で参加したLinkin Parkのカバー曲「Faint (feat. Masato from coldrain)」ですが、この選曲の理由は?

Teru　昨年、Linkin Parkのボーカルのチェスター（・ベニントン）が亡くなってしまったことが自分たちの中で大きくて。それこそLinkin Parkは高校生の頃にカバーしたりしていたし、俺はそのためにDJを始めて今のパートになりましたからね。個人的には一番影響を受けたアーティストと言っても過言ではないんですよ。俺ら世代のアーティストでLinkin Parkに影響を受けていないラウドロックバンドはいないというくらいに偉大なバンドで。俺たちにとって曲を残すという行為は、そのときの意志だったり、自分自身の分身を残したいというすごく大きな意味があることなんですけど、このカバーに関しては忘れないために体に刻んだような感覚ですね。人間って生きているときよりも亡くなってからのほうが身近に感じると言うか……。生活の一部になったりだとか、そういうことってあると思うんですよ。だからどうしても音源にしたいという思いがあって、今回形にできてうれしいし特別な曲になっていると思います。

──Masatoさんと一緒にやることになったのは？

Teru　Masatoとはライブで一緒に「Faint」をやったことがあって、その流れもあって音源にしたいと思って誘ったんです。もちろんMasatoは二つ返事でOKをくれました。

──総じて「EX_MACHINA」はどんなアルバムになったと感じていますか？

Koie　アルバムを出すこと自体がひさしぶりですからね。それこそ「Milestone」じゃないですけど、俺たちがここにいたぞってことを示す感覚に近いです。「よっしゃ、これでまたヤバい作品ができたから次に行こう」って。まだまだ上を目指して登って行くぞって感じです。

Teru　俺もそう。楽曲をガソリンにしてライブやツアーをガンガンするという意味じゃ、その起爆剤ができたと考えていて。まだライブで新曲はやっていないんですけど、本当に早く演奏したいし、それだけのエネルギーを持った曲たちができたので楽しみですね。

Kazuki　今はまだライブもやる前なので、このアルバムは俺たちだけのものだと思うんですけど、これからライブをすることによってどうなっていくのか。このアルバムの完璧なショーを作り上げたときに何が起きるのか、すごく楽しみです。

Hiro　うん、楽しみだね。リリースしてライブで新曲を演奏して初めて俺たちの手元からアルバムが離れるわけだから。

Tatsuya　アルバム制作前に「どうメッセージを訴えればいいのか」ということをメンバーで話し合いながら掘り下げて、何がしたいのか、どういう曲をやりたいのかをガッツリ話し合って完成した作品だから、特に楽しみな気持ちが強いですね。今までより、さらにバンドが強くなったんじゃないかと思っていて。アルバムを引っさげてのツアーは絶対にすごいことになると感じています。

好奇心から始まった新イベント「NITROPOLIS vol.1」

──9月からワールドツアーが始まりますが、その前の8月には新たなイベント「NITROPOLIS vol.1」が東名阪で行われます。これは完全にジャンルレスのイベントですね。

Koie　そうですね。最初は「ロックとヒップホップをクロスオーバーさせる」をテーマにしようと話をしていたんですけど、アーティストを誘ううちにそれだけで収まるような感じもなくなり、最終的にはマッシュアップされたものになったかなと。海外含めいろんなシーンを見てきた経験をもとにしているんですけど、いいものを紹介したい、買ったCDを友達に紹介したいという、あの感覚に近いんですよ。

Teru　あとは好奇心。ヒップホップのように俺たちとは違うカルチャーやシーンを持ったアーティスト、お客さんが現場でクロスオーバーしたらどうなるのかっていう好奇心が強いですね。

Hiro　場所は俺らが作って扉は全部開けるんですけど、どうクロスオーバーするかはまだわからないですからね。

Koie　そう、俺らもわかってない！

Hiro　けど、普段はライブハウスにしか行かないようなロック好きのお客さんにも夜遊びの楽しさを伝えたいと思うし、ヒップホップファンにもロックのカッコよさを伝えたいですからね。何かがいつものライブと違うということを肌で感じてくれたらいいと思っています。