近未来の発電所をテーマにした「Vermillion Gold」
──3曲目「Vermillion Gold」は初めの雄大なメロディが印象的ですが、このパートはシンセサイザーですか?
Teru いえ、あれはギターなんですよ。ギターリフに対してシンフォニックなプログラミングを施していったんですが、これもメタル色の強い曲ですね。
Kazuki ライブでもサポートギターとして一緒にステージに上がってくれているTamaさんと一緒にリフを作って仕上げていったんです。だからメタリックな攻めの楽曲になったんだと思いますね。
──歌詞を読むと、まさしく近未来の都市が連想されますが、何をイメージして書いたんですか?
Koie 近未来の街中にある発電所みたいなところをイメージして書いたんです。具体的に言うと「ファイナルファンタジーVII」に出てくる“魔晄炉”から着想を得ているんです。ゲーム上では、魔晄炉は星の生命を吸い取ってエネルギーに変換しているわけですけど、それを凌駕するような発電所という感じです。アドレナリンが湧き出ていくるような内容を比喩しながら、そこから出た光が街を色付けていくような超越したエナジーを描いていますね。
Hiro(B) 個人的に歌詞の中で好きな部分は終盤の「Shine Like A Thousand Suns」ですね。「俺たちは千の太陽のように輝き、燃え続ける」というくだりがヤバいなって。闇の感情も表現しつつ、前を向いて行くという感じがコイちゃん(Koie)っぽいなって思う。
Koie ええやろ! それぐらいのパワーを持った発電所。人間がそれをどうコントロールするかによって変わっていくよね、ってことも歌いつつ、俺たちの持ってるパワーは、その発電所が作り出すエネルギーに等しいぞということを歌った楽曲です。
誰も見たことがない世界を創りたい
──「WIPEOUT」はポジティブなメッセージを歌いつつ、近未来的な世界観をアグレッシブに描いたシングルということですね。
Koie 真新しい、誰も見たことのない世界観を構築していきたいというのは、Crossfaithがもともと持っている大きなテーマの1つでもあるので「WIPEOUT」も未来の向こう側へ向けた作品になったと思います。
Tatsuya(Dr) 世の中には数多くのバンドが存在して、さまざまな表現をしていると思うんですけど、俺たちはよりポジティブで前向きなメッセージを発信していて。新しい世界観が好きだというところも作品上で、より明確になってきていると思います。ドラムにおいても、それを強く打ち出すためにアッパーな要素を入れたいと思ってレコーディングしていました。ちなみにドラムだけ、ほかのメンバーとは違うロサンゼルスのスタジオでレコーディングしたんですけど、ちょっと頑固な人がやっているスタジオだったんですよ(笑)。最初は「ビンテージのドラムだからチューニングを変えたらダメだ」なんて言われて。
──ええ! レコーディングできたのでしょうか?
Tatsuya 電話でスタジオの人に交渉して、レコーディング後にチューニングを戻すなら触ってもいい、ということで調整させてもらえました。そのとき「なんやねん!」って思ったので、そのときの気持ちもアッパーな要素として入っているんじゃないでしょうか(笑)。
Teru レコーディングのときの感情は音に影響するってよく言いますからね。Slipknotの2ndアルバム(2001年8月リリースの「Iowa」)のレコーディングのときもプロデューサーがドラマー(ジョーイ・ジョーディソン)を罵って怒りのパワーを引き出したっていう話がありますから。そういった意味でも「WIPEOUT」はアッパーなエナジーが込められているかもしれませんね。
ロックとエレクトロをつなぐ「FREEDOM Remix」
──「WIPEOUT」のリリースと同日に配信限定で「FREEDOM Remix」が発表されますね。このうちの3曲は「WIPEOUT」の初回限定盤Bにも収録されているわけですが、リミックスを制作した理由は?
Koie Crossfaithは本来、エレクトロシーンとロックシーンの架け橋となるような活動を展開してきたので、ロック好きにはエレクトロのカッコよさを知ってもらいたいし、その逆も然りなんですよ。互いの魅力をより多くの人に理解してほしいので、リミックス音源を制作しました。リミックスを担当してくれるアーティストはメンバー全員で相談しながら決めたんですが、TAKESHI UEDA(AA=)さんのようなシーンに名の知れた人もいれば、KSUKEやThe Juggernautなどの気鋭のアーティストもいます。すごくいい内容になっているので、ぜひ聴いてほしいと思いますね。配信という形でリリースしているので、興味が湧いたらすぐに聴くことができると思います。
──リリースされた作品を見返すと3作シングルが続いたわけですが、こうなるとアルバムも期待してしまうところです。
Teru 徐々に次作に向けてのピースが並んできている状態ですね。これがどう作品として昇華されていくのかを考えるとワクワクしますよ。
Koie シングルを3作連続でリリースするというのはCrossfaithにとっても初めてのことでしたし、ファンもニューアルバムを待ってくれていると思うんですが、俺ら自身、次のアルバムを制作するのがすごく楽しみなんですよ。この感情を爆発させて、ヤバい作品を創り出したいですね。すごく期待して待ってくれていると思うんですが、それを遥かに超越したものを作りたいと思っています。
Teru まさに“ワイプアウト”やね。
Koie そう。ぶちかましていく、ということです。
- Crossfaith「WIPEOUT」
- 2018年1月24日発売 / Sony Music Records
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初回限定盤A [CD+DVD]
1900円 / SRCL-9625~6 -
初回限定盤B [CD2枚組]
1600円 / SRCL-9627~8 -
通常盤 [CD]
1300円 / SRCL-9629
- CD収録曲(全盤共通)
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- Wipeout
- Inside The Flames
- Vemillion Gold
- 初回限定盤A DVD収録内容
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LIVE AT ZEPP TOKYO 10tth ANNIVERSARY TOUR - FAITH LASTS FOREVER -
- Mirror
- Freedom
- Leviathan
- 初回限定盤B DISC 2収録曲
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- Freedom(Lutez Remix)
- Rockstar Steady(The Juggernaut Remix)
- Diavolos(TAKESHI UEDA [AA=] Remix)
- Crossfaith「FREEDOM Remix」
- 2018年1月24日配信開始
- 収録曲
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- Freedom(Lutez Remix)
- Freedom(KSUKE Remix)
- Rockstar Steady(The Juggernaut Remix)
- Rockstar Steady(The Bloody Beetroots Remix)
- Diavolos(Takeshi Ueda [AA=] Remix)
- Diavolos(Zardonic Remix)
- Crossfaith(クロスフェイス)
- 2006年11月にKoie(Vo)、Teru(Program, Vision)、Kazuki(G)、Hiro(B)、Tatsuya(Dr)により結成。2009年4月にリリースした1stアルバム「The Artifical theory for the Dramatic Beauty」が国内メタルコア、スクリーモシーンを活気付ける起爆剤に。その後「Warped Tour UK」「Sound Wave Festival 2013」「Download Festival 2014」「Reading / Leeds Festival 2014」など海外の大型フェスにも多数出演し、各国のメディアに取り上げられる。2014年10月にキャリア初となるシングル「MADNESS」をソニー・ミュージックレーベルズからリリースするが、2015年1月にKazukiが脳内出血の治療によりライブ活動を休止。サポートギタリストを迎えてライブ活動を行う一方で新曲レコーディングを実施し、9月にメジャー1stアルバム「XENO」をリリースした。同月のKazuki復帰後は世界遺産・日光山輪王寺でのライブや日本テレビ系「スッキリ!!」への出演など国内での活動も活発化させる。2016年7月にシングル「New Age Warriors」をリリース。アジアツアーを挟み、9月よりバンド最長ツアー「New Age Warriors Tour 2016」を開催し、2017年2月にツアーファイナルとして千葉・幕張イベントホール公演を大成功に収める。同年8月にニューシングル「FREEDOM」と、幕張イベントホールでの公演の模様を収めたDVD/BD「Crossfaith -LIVE IN JAPAN- AT MAKUHARI MESSE」を同時リリース。10月から12月にかけて結成10周年を記念したワンマンツアー「10th ANNIVERSARY TOUR ONE MAN SHOWS - FAITH LASTS FOREVER -」を実施した。2018年1月にニューシングル「WIPEOUT」をリリース。