超ときめき♡宣伝部「ハートギュッと!」インタビュー|「すきっ!」の次は「ギュッと!」、6人が届けるまっすぐな恋心 (2/3)

“胸きゅんゼリフ”が盛りだくさん

──新作ミニアルバム「ハートギュッと!」は、超とき宣が王道のアイドルグループであることをさらに強調するような作品になっています。今日はこの収録曲について1つひとつ語ってもらいたいのですが、まずはリード曲の「ギュッと!」について話を聞かせてください。

辻野 「すきっ!」ではサビで「すき」と何回も歌っていますが、今回の曲も「ギュッと!」という言葉を繰り返していて、聴いたらすぐ覚えられるようなキャッチーな曲になっています。とき宣らしい恋の歌で、曲を通して1つの物語が描かれているんです。お互いに好きな気持ちはあるけど、その思いを伝えられていない状態なのが1番の歌詞で、そのあとに「ずっと待ってたのさ! 恋をぶつけ合う瞬間(とき)を」という、2人が気持ちをぶつけ合えたのかなと思えるフレーズが出てきて。そして「聞いて欲しい お願いがあるんだ」「ねぇ、ギュッとして。」とおねだりするパートがあって、「もしかしてここで結ばれたのかな」と想像ができるんですよ。最後は「このままでいいかな?」と歌っているので、物語を通して2人は結ばれたんだと私は解釈しています。

坂井 きっと結ばれたんだよ。

辻野 とき宣は今まで片思いの曲が多くて、結果的にいい雰囲気になって終わる曲って意外とあまりなかったんですよ。だから「ギュッと!」は新鮮に感じますね。「すきっ!」では「君を振り向かせるにはどうしたらいいんだろう?」と悩んでいたけど、「ギュッと!」ではそこから積極的になって一歩行動を起こしていて。2つの曲を併せて聴いてもらえたらより楽しめると思います。

吉川 この曲、4つの“胸きゅんゼリフ”がちりばめられてるんですよ。それがとき宣らしいし、音源で楽しめるのはもちろん、ライブで遊び心を加えられる部分でもあると思うので、宣伝部員さんたちの心を動かすこと間違いなしです! ひよりとおはる(小泉)はセリフパートがないんですけど、ほかの4人のセリフをライブで聴くのを楽しみにしています。

坂井 1つ目の「逃げないように、捕まえて!」というセリフは私が担当していて。学校の屋上から、校庭にいる好きな人に向かって叫んでいるイメージです。「好きな気持ちに気付いているのになんで捕まえてくれないの? 捕まえてくれないなら逃げちゃうよ」という気持ちを込めて、ちょっと強がっている感じでセリフを言っています。

左から吉川ひより、坂井仁香。

左から吉川ひより、坂井仁香。

菅田 その次の「君は私のこと、どういうふうに思ってるの…?」というセリフは私が担当しています。ほかのセリフパートと違って問いかけている形なんですけど、シチュエーションとしてはデートの帰り道をイメージしています。デートで何も進展がなくて、でもせっかくだから何かアクションを起こしたい、彼の心情を聞きたいと思った女の子ががんばって言った言葉がこの疑問形のセリフなんです。

辻野 3つ目のセリフ「ねぇ、ギュッとして。」は私のパートなんですけど、先ほどもお話しした通り、曲中の2人の気持ちがお互いにわかったあとのセリフなので、上目遣いでおねだりする女の子の姿を想像しながらレコーディングしました。仮歌にあったもともとのセリフはもっと大人っぽい感じだったんですけど、それをとき宣らしいかわいい言い方にしたんです。

坂井 仮歌を聴いて大人っぽい雰囲気になるのをイメージしていたので、かなみんのセリフを聴いたときに「さすがだな!」と思いました(笑)。レコーディングの前から「ねぇ、ギュッとして。」のパートを担当するのはかなみんかなと思っていたんですけど、私が頭の中で想像したかなみんの「ねぇ、ギュッとして。」を100倍くらい超えてきたんですよ。かなみんはとき宣のセリフを上手に言えるメンバーNo.1だなって感動しました。

──確かに、辻野さんは宣伝部員の心をときめかせるような、曲の中でも特に重要なセリフパートを担うことが多いですね。

辻野 ふふふ(笑)。今回も落ちサビのあとのセリフパートなんです。

 そのあとの「ずっと私を、離さないで!」というのが私のパートで、やっと好きな人とギュッとできて、そういう願いを言えるまでの関係になったことがわかるセリフです。ここも仮歌はもっと大人っぽい感じだったんですけど、語尾の「で!」の部分のイントネーションを上げて、お願いしている感じにしてレコーディングしました。

辻野かなみ

辻野かなみ

杏ジュリア

杏ジュリア

坂井 こういうセリフパートがなかったらとき宣らしさが薄れてたかもしれないです。もちろん曲自体すごくかわいらしいですけど、セリフによってそのかわいらしさが“マシマシ”になってると思います。

──宣伝部員の皆さんも曲のセリフパートを楽しみにしていると思いますし、自分もライブ写真を撮影させていただくときはセリフパートはシャッターチャンスだと思って毎回狙っています。

辻野 今回は4カ所もあって盛りだくさんです!(笑)

紗子先生振り付けの“ギュッと!ダンス”

──「ギュッと!」のダンスについても話を聞きしたいのですが、振り付けを手がけたのはどなたなんですか?

小泉 「すきっ!」と同じで、紗子先生(元PASSPO☆の振付師・槙田紗子)です! サビの振り付けはギュッと抱きしめているような、ぶりっ子しているようなポーズが特徴です。

坂井 今回も踊りやすくて、メロディと合わさってすごくキャッチーなので、「すきっ!」と同じようにTikTokでたくさんの人に踊ってもらえたらうれしいです。

 紗子先生は振り付けのレッスンがわかりやすいし、優しいし、かわいいんですよ。

小泉 楽曲のソロパートの振り付けは基本的に自由なスタイルで踊ることが多いんですけど、紗子先生は「この歌詞はこういうふうに表現したらかわいいんじゃないかな」といつも提案してくれるんです。それが全部かわいすぎて、逆にどうやって踊ろうと悩んじゃうくらいです(笑)。スタイルもいいし、もともとアイドルの方だから魅せ方についてもすごくわかってらっしゃるし、セクシーな感じもアイドルらしいかわいさもあるし、とにかくすごいよね。

坂井 いつも的確な指示を出してくれます。私もソロパートでどうやって動いて曲を表現しようと迷うことがけっこうあるんですけど、紗子先生は私たちの気持ちをわかった振り付けを考えてくださるんです。しかも、歌を歌いやすい振りで。

──「すきっ!」がバズったのは、手でハートを作るダンスがすごくキャッチーだったことも大きな要因ですよね。

辻野 紗子先生には今まで「すきっ!」以外にもいろんな曲の振り付けを手がけていただいていて。毎回、作品にだいたい1曲は紗子先生の振り付けの曲があるんです。

坂井 特に、グループ名が超ときめき♡宣伝部になってからは半分以上が紗子先生の振り付けの曲だと思います。とき宣に欠かせない存在ですね。

──ちなみに、「ギュッと!」は7月6日にテレビ東京系でスタートするドラマ「みなと商事コインランドリー」の主題歌に決まっています。

菅田 ドラマの主題歌を担当させていただけると聞いたときはとても驚きましたが、すごくうれしかったです。「みなと商事コインランドリー」を観てくださる方のハートを「ギュッと!」、私たちの楽曲でもつかめたらと思います!

こんなに多かったんだ……!?

──次に、2020年12月発表のアルバム「ときめきがすべて」に収録された「エンドレス」に続き、谷口鮪(KANA-BOON)さんが楽曲提供した「Memories」の話に移りたいと思います。この曲はエモーショナルな歌詞とさわやかなメロディラインが印象的です。

坂井 ライブってたとえ同じ会場で同じセトリでやったとしても、同じものには絶対にならないと思うんですね。でも、同じ時間、空間に戻れなくても、それは絶対に思い出になる。だからこそ、その瞬間が愛おしいよねということを、「Memories」は改めて感じさせてくれます。例えば高校時代の青春の思い出も同じで、この曲の冒頭には「明日の天気すら知らないままでいい 今日が晴れたならそれでいい」という歌詞があって、つまり今が楽しいのが一番だよねと歌っているんです。「Memories」を歌っているとライブを1秒1秒大切に作っていきたいなと感じます。

吉川 「Memories」は歌えば歌うほど曲の厚みみたいなものが増えていくように感じています。宣伝部員さんとの大切な思い出を作れる一番の場所はやっぱりライブなので、これからたくさん歌って、歌詞の通り色褪せない思い出を積み上げられたらいいなと思います。ライブで歌うとホントにすごくいい雰囲気になるので、この曲で気持ちいい涙を流したいです。

 振り付けがわりとゆるやかな感じなので、踊りながらいろんなことを考えられるというか。ツアー(「超ときめき♡宣伝部の春の燦々ホールロックオンツアー2022」)の中野サンプラザホール公演で初披露したときは、後ろのスクリーンに初期から今までのとき宣の写真が映し出されて、いろんな思い出に思いを馳せながら歌いました。未来になったら今現在のことも思い出になるわけですし、1つひとつの時間を大切に過ごしたいなと思わせてくれる曲です。

──ミニアルバムの5曲目に収められる「なんでもいいから」についてはどんな印象を持っていますか? 「Memories」とはある意味対照的なポップなナンバーです。

菅田 この曲では「なんでもいいから ちょっとで良いから 今すぐ可愛くなりたい!」という、女の子なら誰しもが思うことをストレートに歌っています。私たちだったら宣伝部員さんに少しでもかわいく見られたいから、ライブ前にメイクのキラキラを足したりしていますし、出かける前に準備をしているときとか、デートの前とか、モチベーションを上げたくなったときに聴いてもらえたらいいなと思います。

小泉 「なんでもいいから」は曲調も今までのとき宣の曲にないおしゃれさがあるし、振り付けでもカッコいいけどかわいい、みたいなダンスに挑戦しているので、そこにも注目してほしいです。そして、なんといっても愛貴ちゃんの「可愛くなりたい!!」というパートが一番の注目ポイントです。ライブでは存分に叫んでもらいたいと思います(笑)。

菅田 みんなの気持ちを代弁しています(笑)。

菅田愛貴

菅田愛貴

小泉遥香

小泉遥香

──「なんでもいいから」は女性からの共感を呼ぶ曲だと思いますが、超とき宣は女性ファンが多いのも特徴ですよね。特に最近、女性ファンが増えているんじゃないですか?

辻野 初期からわりと女性のファンの方が多いほうだなと思っていたんですけど、最近さらにそれを実感することが多いです。特にファンクラブイベントとしてサンリオピューロランドさんでライブをさせていただいたときに、「こんなに多かったんだ……!?」と感じるくらい女性の方がたくさんいて(参照:超ときめき♡宣伝部、サンリオピューロランドの中心で“ときめきライブパレード”)。先ほど、初めてアイドルを好きになったという新規のファンの方が多いと話しましたが、特に女性ファンの中にそういう方がけっこういるんですよ。女性の方はTikTokきっかけで知ってくださるパターンが多いんだと思います。

 同世代の女の子から応援してもらえるのはうれしいですね。

菅田 女の子からもかわいいと思ってもらえてるのはすごいことだなって。