ナタリー PowerPush - Chicago Poodle
感涙バラードで勝負へ それぞれの“タカラモノ”を語る
コナンに一番マッチするのは和メロ
──今回のシングルは初の両A面ですが、もう一方の「君の笑顔がなによりも好きだった」はアニメ「名探偵コナン」のエンディングテーマ曲です。
花沢 オンエアのスタートが夏の終わりから秋ということだったので、そこも意識しつつ。僕の中で夏の終わりといえば楽しいことが終わっちゃう切ないイメージがあって、それをメロディで表現してみました。あと、和メロを入れたのもポイントですね。
──和メロは、切なさを出す要素として?
花沢 はい。曲を作る前に歴代のコナンのテーマソングを聴いてみたんですけど、その結果、このアニメに一番マッチするメロディは和なんじゃないかと思って。
──作詞は山口さんと辻本さんの共作ですが、どう作業を進めたんですか?
山口 花沢の持ってきたメロディが切なかったんで、それに合うような恋愛をテーマに、お互いに書いてきたフレーズを持ち寄って詰めました。サビの頭の一番聴かせたいフレーズが決まったあとはわりとすんなりできたと思います。
辻本 2人が書きためてるフレーズ集のノートがけっこうな量になってて。その中から「何かええのないかなー」って探したりもしましたね。
──特にDメロが印象的だったのですが、ここだけ日記に思いをつづったような、自分自身に問いかける言葉が並んでいるんですよね。
山口 Dメロは花沢のボーカルもしゃべるように歌ってもらいました。
花沢 初めは16分を意識した歌い方だったんですが、山口やプロデューサーから「もう少し語りかけるように」って言われて。確かにそうやなと思って、本当に耳元で語りかけてる感じで歌いましたね。
山口 最近の僕らの傾向として、あまり難しい言葉を使いたくないというのがあるんです。より話し口調というか、例えばTwitterでつぶやくときにこれは言わないだろうという言葉は選ばないようにしてます。
辻本 花沢にしても、歌詞を歌うというより語りかけるような言葉のほうが伝えやすいんじゃないかと思うんです。だから最近はそういう部分も気にしながら歌詞を書いてますね。
──この曲のPVもなかなかの大作でした。花沢さんの演技も素敵でしたよ。
花沢 演技ってほどでもないですけどね。ベッドの上で、渾身の寝返りを5テイクほど撮ったくらいです(笑)。
辻本 僕らはそれを端から見ながら「花沢、何やってんのやろ?」って(笑)。グリーンバックで撮っててCG合成後がわからなかったんですけど、完成を観たらすごくカッコいいものになってましたね。
今回は勝負シングルになる
──3形態リリースの今作ですが、初回限定盤の特典DVDには「タカラモノ」の「Wedding篇」と「家族愛篇」、「君の笑顔がなによりも好きだった」の3つのPVが収められます。これは豪華ですよね。
花沢 そうですね。CDを聴いて、映像でもたっぷり楽しんでもらえたらと思います。あと通常盤のみ収録の「タカラモノ」ピアノアレンジバージョンもぜひ聴いてほしくて。ライブの中で歌が成長してきていたので、それをなんとか残したいと歌とピアノを改めて録り直したんです。
──それはまた違う魅力が味わえそうですね。
花沢 はい。で、名探偵コナン盤(初回限定生産)は描き下ろしのオリジナルジャケット仕様なんですが、それが上がってきたときはすごくうれしかったです。メンバー3人を真上から写した「3.0」のジャケットが、そのままコナンのキャラクターに変わったようなイラストなんですよ。
──3枚それぞれに、見どころと聴きどころがあるというわけですね。
花沢 大きなタイアップも付いているし、今回はまさに勝負の1枚。これを広めるために、リリース週から積極的にインストアライブなどをやっていきたいと思っています。
辻本 シングルを出すこと自体もひさしぶりだし、それをたくさんの人に届けるためには直接ライブで感じてもらうのが一番だと思っているので。「君の笑顔がなによりも好きだった」に関して言えば、せっかく幅広い世代が見るアニメで流してもらえるきっかけをもらえたので、このタイミングを逃したくないなと思います。
山口 1曲1曲が早く消費されてしまう時代だからこそ、僕たちは長く聴いてもらうためにもじっくりと曲を届けていきたいですね。
- ニューシングル「タカラモノ / 君の笑顔がなによりも好きだった」/ 2013年8月28日発売 / GIZA
- 初回限定盤[CD+DVD] 1680円 / GZCA-7169
- 通常盤[CD] 1050円 / GZCA-7171
- 名探偵コナン盤[CD] 1200円 / GZCA-7170
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初回限定盤
CD
- タカラモノ
- 君の笑顔がなによりも好きだった
- タカラモノ -Voiceless Ver.-
- 君の笑顔がなによりも好きだった -Voiceless Ver.-
DVD
- 「タカラモノ」 Music Clip(Wedding篇)
- 「タカラモノ」 Music Clip(家族愛篇)
- 「君の笑顔がなによりも好きだった」Music Clip
通常盤
CD
- タカラモノ
- 君の笑顔がなによりも好きだった
- タカラモノ -Piano Arrange Ver.-
- タカラモノ -Voiceless Ver.-
- 君の笑顔がなによりも好きだった -Voiceless Ver.-
名探偵コナン盤 ※初回限定生産
CD
- 君の笑顔がなによりも好きだった
- タカラモノ
- 君の笑顔がなによりも好きだった -TV SIZE Ver.-
- 君の笑顔がなによりも好きだった -Voiceless Ver.-
- タカラモノ -Voiceless Ver.-
- 「名探偵コナン」描き下ろしオリジナルジャケット仕様
- 「名探偵コナン」オリジナルステッカー封入
Chicago Poodle(しかごぷーどる)
花沢耕太(Vo, Piano)、山口教仁(Dr)、辻本健司(B)の3人編成バンド。花沢が作曲、作詞を山口と辻本が手がける制作スタイル。1980年代の洋楽ポップスのエッセンスが感じられる懐かしくも切ないメロディと、リズム隊が織りなす都会的なアンサンブルで注目を集める。2009年3月にデビューシングル「ODYSSEY」、同年11月に1stアルバム「僕旅」をリリース。その後もコンスタントに作品を発表し、2011年11月には活動の集大成となるベストアルバム「HISTORY I」をリリースした。2013年4月、約2年半ぶりのオリジナルアルバム「3.0」を発売。8月28日には「3.0」からのシングルカットとなる「タカラモノ」とテレビアニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ「君の笑顔がなによりも好きだった」を両A面シングルとしてリリースする。