ナタリー PowerPush - Chicago Poodle

11年間の集大成ベストアルバム 音楽への思いを詰め込んだ「HISTORY I」

美しいピアノの旋律と、聴き手の心に強く訴求するメッセージが印象的なスリーピースピアノバンド・Chicago Poodle。2000年の結成から11年が経った今年、キャリア史上初となるベストアルバムのリリースが決定した。

ひとくちにベストアルバムと言っても、今作は過去のシングル曲やタイアップナンバーをコンプリートした作品ではない。ただ純粋に“いい音楽”だけを求めて活動してきた彼らの11年の軌跡と言ったほうが正しいかもしれない。今回はメンバー3人に、リリースに至る経緯や、11年間のバンドの変化なども交えながら語ってもらった。

取材・文 / 川倉由起子

今年は音楽の意味を改めて考えさせられた

──単刀直入に、今回のベストアルバムのリリースにはとても驚きました。2009年3月のメジャーデビュー以降、オリジナルアルバムの発表はまだ2枚。なぜ、このタイミングでベストを?

花沢耕太(Vo, Piano) 直接のきっかけになったのは、7月9日に開催した大阪・森ノ宮ピロティホールのワンマンライブです。その日のセットリストを決めるときに、ファンの皆さんから好きな楽曲を(事前にオフィシャルサイト上で)投票してもらったんですよ。で、結果を見ていたら、上位にインディーズとメジャーの曲がバランス良く入ってて。僕らをメジャーから知ってくれた方が多いだろうと思っていた中、昔から聴いてくれてる人やインディーズまでさかのぼって曲を聴いてくれた人もいることがわかって、すごくうれしかったんですよね。

──なるほど。

花沢 あと今年は日本中でいろいろなことがあって、僕らも音楽をやる意味を改めて考えさせられたんですが、やっぱり自分たちには音楽しかないなって。7月のワンマンも、ファンの皆さんの投票曲を反映したセットリストでやって、改めてその思いが強くなったんです。だから、自分たちを今一度見つめ直すという意味も込めて、これまで作ってきた曲をもう一回まとめてリリースするのはどうかな?と。僕たち、メジャーになってから日は浅いですけど、Chicago Poodleとしての活動は11年ほどやってまして。インディーズ時代も含め、今までに作った楽曲は90曲近くあるんです。

2007年5月にミニアルバム「風街序曲」をリリースした際のアーティスト写真。

山口教仁(Dr) 確かにメジャーデビューからたった2年半でベストを出すのは、タイミング的にどうなんやろう?って気持ちもありました。でも、Chicago Poodleのヒストリーとしては11年もあるわけだし、メジャーの期間が短いのは関係ないかなと。今年は震災以外にも水害とかいろいろ大変なことがあって、音楽どころじゃなかった人もたくさんいると思うんです。そんな中で僕たちはやっぱり音楽の意味を考えたし、自分たちを見つめ直したときに「こういうずいぶん前のインディーズ時代の曲も聴いてほしい」って気持ちに自然となれて。結果的に、ベストを出すことになって本当に良かったと思いますね。

辻本健司(B) 僕も同じです。それに、ベストが出せるというのは長くやってきたからこそのご褒美というか。僕は率直に「そうか、俺らもそのくらい長くやってきたんやな」って思えて。と同時に、今回の「HISTORY I」というタイトルをII、III……と続けていけるようにがんばっていかなあかんなとも思いました。

ずっと“一曲入魂”の気持ちでやってきた

──今作は2枚組の33曲入り。聴き応え十分のボリュームですね。

山口 ベストというと、大抵はシングル中心で、発売順に並べて……っていう感じが多いですよね。でも僕らは、この作品を、ベストであると同時にひとつのオリジナルアルバムのような位置づけとして考えてるんです。

花沢 DISC 1とDISC 2の分け方や曲順は、山口がいろいろバランスを見ながら考えてくれました。選曲については悩んだんですが、僕ら、インディーズ時代からずっと“一曲入魂”の気持ちでやってきて。「とにかくいい曲」をという思いで作ってきたので、本当は全部入れたいくらいなんですよ。でも、そこをなんとか33曲に収めて。これでも多いと思われるかもしれないけど、僕ら的にはかなり悩んだ結果の33曲なんです。

山口 もちろんその中には、先程お話したファン投票での人気曲も入っていて。その上位15曲くらいを軸に、あとはメンバーセレクトで決めていった感じですね。

辻本 だから、僕らだけじゃ作れなかったベストアルバムだとも言えると思います。

──メンバーセレクトの曲で、どなたかが絶対に譲らなかった1曲みたいなものはありましたか?

辻本 花沢がだいぶ譲らなかった曲があります。

花沢 いや、そんなでもないです(笑)。実は、DISC 2の11曲目「ブルームーン」は僕が個人的にどうしても入れたかった曲で。インディーズ時代のシングル「愛燦燦」のカップリング曲なんですが、当時の会心作だったんです。でも、ちょっとビートやコードが通好みだったんで、シングルのA面にはならず。ただ、僕の中ではシングルカットしてもおかしくないという思いがずっとあったんで、ベストには絶対入れたいと思って、強く推しましたね。

辻本 「ブルームーン」に関しては僕らは「別に入れてもいいんちゃう?」って感じやったんですが、スタッフさんとは「もっと入れるべき曲があるやろう」みたいな攻防もあったと聞いてます(笑)。でも、そこは最終的にフロントマンの気持ちをスタッフさんが汲んでくださって。僕個人としては、普通に好きな曲だけど長らくライブでやってなかったんで、意外な選曲やなあと思いました。

ベストアルバム「HISTORY I」 / 2011年11月30日発売 / GIZA

  • 初回限定盤 [CD2枚組+DVD] / 3675円(税込) / GZCA-5237~8 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤 [CD2枚組] / 3150円(税込)/ GZCA-5239~40 / Amazon.co.jpへ
DISC 1 収録曲
  1. ODYSSEY
  2. Hello
  3. 流星
  4. No Regret
  5. Fly ~風が吹き抜けていく~
  6. さよならベイベー
  7. Listen to my heart
  8. ナツメロ
  9. Twinkle Little Stars ~星が降る町~
  10. 愛燦燦
  11. ネガポジ
  12. one
  13. If
  14. Ebony & Ivory
  15. Slow river
  16. 旅人
  17. Love & free peace forever
DISC 2 収録曲
  1. ハレルヤ
  2. Is This LOVE?
  3. ネオン
  4. 桜色
  5. アイノタネ
  6. PEACE!!
  7. フワリ
  8. 京の小雪路
  9. Cry
  10. ブルームーン
  11. Wondering
  12. Baby my “Jenny”
  13. one more time, I say “Love you”
  14. オーレオ(自主制作盤オリジナル音源)
  15. 太陽は知っている(新曲)
初回限定盤DVD収録内容

ビデオクリップ集

  • Hello
  • ネオン
  • 愛燦燦
  • かくれんぼ
  • ODYSSEY
  • ナツメロ
  • さよならベイベー
  • Fly ~風が吹き抜けていく~
  • Is This LOVE?
  • 桜色

LIVEダイジェスト映像
「犬(one)フェス2011 in OSAKA ~僕らをつなぐもの~」@大阪/森ノ宮ピロティホール

犬(one)フェスX'mas 2011
~僕らが向かう場所~

2011年12月17日(土)
大阪府 堂島リバーフォーラム
OPEN 16:30 / START 17:30

料金:4500円(全席指定)
*会場限定スペシャルX'mas CD販売あり
*3歳未満入場不可 / 3歳以上有料

Chicago Poodle(しかごぷーどる)

花沢耕太(Vo, Piano)、山口教仁(Dr)、辻本健司(B)の3人編成バンド。全曲を花沢が作曲、作詞を山口と辻本が手がける制作スタイル。1980年代の洋楽ポップスのエッセンスが感じられる、懐かしくも切ないメロディと、リズム隊が織りなす都会的なアンサンブルで注目を集める。2009年3月にデビューシングル「ODYSSEY」をリリース。その後7月に2ndシングル「ナツメロ」、10月に3rdシングル「さよならベイベー」、11月に1stアルバム「僕旅」と精力的に作品を発表。あわせてライブも積極的に展開し、着実に支持を高めている。2010年10月には2ndアルバム「GTBT」を発売。2011年3月には5thシングル「桜色」を、11月にこれまでの活動の集大成となるベストアルバム「HISTORY I」をリリースする。