ナタリー PowerPush - Chicago Poodle

1年越しの思いを込めた“桜ソング” シングル「桜色」リリース

2009年のメジャーデビュー以降、コンスタントに作品を発表し続けている3ピースバンド、Chicago Poodle。彼らの楽曲は、胸をギュッとしめつけたり、逆に心をあたためてくれたりと、聴き手の感情をさまざまに揺さぶる魅力を持っている。

そんな彼らが今回リリースするのは、春にピッタリのミディアムバラード「桜色」。満開の桜の木を想起させる壮大なメロディと、花沢耕太(Vo, Piano)の高い歌唱力が光るナンバーだ。新たな“桜ソング”の名曲が誕生! そう称賛したくなる極上の仕上がりを、ぜひ堪能してみてほしい。

取材・文/川倉由起子

Twitterでつぶやく このエントリーを含むはてなブックマークCh この記事をクリップ!Ch Yahoo!ブックマークに登録

このイントロは、絶対どこかで使いたいなって

──「桜色」は、昨年の春頃すでにビデオクリップを撮影されていたそうですね。ということは、楽曲ができたのはいつごろなんでしょうか?

花沢耕太(Vo, Piano) 2008年ごろ、まだインディーズのときかな。約3年前になりますね。

辻本健司(B) 確かにメロディ自体はそれくらいからあったかも。

花沢 まずはイントロのフレーズができて、それがすごく頭に残ってて、絶対どこかで使いたいと思ってたんですよ。

──すごく引き込まれる、壮大で美しいイントロですよね。

花沢 ありがとうございます。で、そのあとはサビのメロディができて……という流れだったと思います。

──それにしても、この曲は構成が面白いですよね。通常Bメロと呼ばれるフレーズがなく、2番も変則的な展開で。

花沢 そうですね。でも僕ら、こういう変則的な曲もよくやってはいるんですよ。いわゆるAメロ、Bメロ、サビっていう構成とは違う展開をね。

──では、皆さんにとって「桜色」のメロディ展開は決して珍しいものではないと?

花沢 はい。あと、この曲はもともと全体的にドラマチックな感じにしたいと思っていたので、1番が終わったらまたAメロ……ではなく、全然違ったメロディでもいいのかなって。それで、こういう楽曲の構成にしたんです。

桜が満開に咲き誇っているイメージ

──作詞を担当された山口さんは、花沢さんが作ったメロディからどうイメージを膨らませていったんですか?

山口教仁(Dr) 最初にピアノと歌だけのデモをもらったんですけど、その段階でもうパッと桜の映像が浮かんだんですよ。特にサビの終わりのちょっと高揚する感じのメロディが、桜が満開に咲き誇ってる絵が想像できて。

──ああ。その感じ、すごくわかる気がします。じゃあ、そこから“桜”をテーマに歌詞を書こうと?

山口 そうですね。だから最初から“春ソング”だったり“桜ソング”を作ろうって思って歌詞を書いたわけじゃないんです。

──そうして完成した歌詞は、世に数多くある“桜ソング”のどれとも違う世界観ですよね。

山口 “桜ソング”って恋愛がテーマの曲が多い気がするんですけど、僕はあえてそこを拾ったわけじゃないんですよね。春という、いろいろな節目を迎える時期だからこそ、いろいろな人の人生を描く曲にしたかったというか。もちろん恋愛の曲としてとらえてもらってもいいんですが、良いことも悪いこともひっくるめて感謝して、何か次に向かっていく力を与えられたら……という思いで書きましたね。

──いつ、誰が聴いても共感できるような普遍性を持った歌詞が、グッときました。

山口 ありがとうございます。リスナーの方にも、そう思ってもらえたらうれしいですね。

ツアーファイナルの「桜色」は特に楽しかった

──昨年11月から年末までは全国ツアーを回られていましたが、そこでも「桜色」を演奏していましたよね。

辻本 そうですね。この曲はAメロからだんだん盛り上がって、最後のサビで一番アガるっていう感じがあるんですけど、ライブでもそこは自分の中で気持ちが高ぶるものがあって。

──確かにサビの最後の高揚感は、すごくダイナミックですよね。しかもちょっと涙ぐんでしまうような、日本人の琴線に触れるメロディだと思います。

花沢 そうかもしれないですね。サビの最後は、僕も歌ってて一番ピークを持っていってる場所で。ツアーではずっとそれを意識して歌ってました。

山口 ライブだと、どれだけ抑揚がつけられるか?っていうのがキモになってくるので。僕ら楽器隊も抑えるところは抑えて、盛り上がるところはグッとアゲるって感じでやってましたね。

──お客さんの反応は、いかがでしたか?

花沢 やっぱり新曲なので、すごく喜んでもらえました。あとはアンケートに「『桜色』をリリースしてください」っていう意見がたくさんあって。響いてるんやなって思えましたね。

山口 みんなが真剣に聴いてくれてるのをステージから観て、リリースする前にいち早くお届けできて良かったなって思いました。

辻本 「桜色」っていうタイトルなんで、冬のツアーにやるのはどうなんや?っていう意見も、僕らの中で当初はあったんですよ(笑)。でもやっぱり、そういうお客さんの良い反応が見れたことで、結果的にやって良かったなって。各会場ですごく受け入れてもらえた感触はありましたね。

──約1カ月半のツアーで、皆さんも楽曲に対しての思いが変化した部分はありました?

山口 何度もやっていくうちに、いい意味で緊張が取れて。演奏しながら、この曲にどんどん感情移入できていった感じはありましたね。

辻本 お客さんがみんな花沢の歌にグッと聴き入ってくれてるっていうのが、演奏しながらもひしひし感じられて。ツアーが進むにつれてこの曲への気持ちの入れ方がうまくなってたんやと思うんです。そういう意味では、ツアーファイナルで演奏したときは特に楽しかったですね。

ニューシングル「桜色」 / 2011年3月9日発売 / GIZA

  • 初回限定盤[CD+DVD]  / 1365円(税込) GZCA-7161 / Amazon.co.jpへ
  • 通常盤[CD] / 1260円(税込) / GZCA-4133 / Amazon.co.jpへ
初回限定盤収録曲
  1. 桜色
  2. GET UP! ~不屈のファイティングマン~
通常盤収録曲
  1. 桜色
  2. GET UP! ~不屈のファイティングマン~
  3. Englishman in New York
Chicago Poodle(しかごぷーどる)

花沢耕太(Vo, Piano)、山口教仁(Dr)、辻本健司(B)の3人編成バンド。全曲を花沢が作曲、作詞を山口と辻本が手がける制作スタイル。1980年代の洋楽ポップスのエッセンスが感じられる、懐かしくも切ないメロディと、リズム隊が織りなす都会的なアンサンブルで注目を集める。2009年3月にデビューシングル「ODYSSEY」をリリース。その後7月に2ndシングル「ナツメロ」、10月に3rdシングル「さよならベイベー」、11月に1stアルバム「僕旅」と精力的に作品を発表。あわせてライブも積極的に展開し、着実に支持を高めている。2010年10月には2ndアルバム「GTBT」を発売。2011年3月には5thシングル「桜色」をリリースする。