自分たちで引っ張れる何かが欲しかった

──ドロシーから3人が独立したユニットを組むって聞いたときはびっくりしたんですけど、そもそもこのプロジェクトはいつ頃から話があったんですか？

RUUNA　昨年の12月ですね。ちょうどドロシーのツアー中だったんですけど、私たちもいきなり聞いてびっくりしたくらいで。

──その時期に具体的な話があったってことは、楽曲などの制作期間はあまりなかったと思うんですが。

RUUNA　はい。2月1日の「@JAM the Field vol.7」でお披露目することになったので、2カ月も時間がなかったかも。でも私たちは3月で高校を卒業するので、卒業制作というか、この3人だけで何か残せるものを作りたいねっていう話は以前からしてたんです。

KOUMI　ドロシーの活動もあって余裕はなかったんですけど“何かを残したい”っていう気持ちは3人の中でまとまっていたので、いいモチベーションのまま制作することができました。ドロシーも今年で5周年ですし、この3人でドロシーにもっと貢献できるようになりたいなと思ったらがんばれたというか。

──ドロシーの活動だけでも大変なのに、3人でまた別のものを1から作るっていうのは相当大変だったんじゃないかと。

RUUNA　楽曲制作などの実作業はもちろん大変だったんですけど、やってみてKANAちゃんとMARIちゃんの存在の大きさに改めて気付けたのは大きいですね。あの2人がいないっていう状況が初めてだったので、私たちはどれだけ彼女たちに甘えてきたんだろうって実感しました。だから大変なんて言ってられないなって。

MIMORI　実際につらいことはほとんどなくて楽しみながらやれました。作詞・作曲や振り付けを全部自分たちで手掛けるっていうのはドロシーではやってこなかったことなので、いろいろなことも吸収できましたし。私たち、自分で引っ張れる絶対的なものが何か欲しかったんですよ。MARIちゃんには歌があるしKANAちゃんはリーダーというポジションがある中で、私たちにも何かできることはあるだろうなって思っていたので。

ドロシーには絶対に負けないものを作りたい

──5人のときのパフォーマンスと同等のものを見せていかなきゃという気持ちでいたと思うんですけど、相当プレッシャーがあったのでは？

RUUNA　そうですね。やっぱりドロシーのファンの方に「3人じゃダメだね」とは思われたくないのでしっかりしたものを見せていかないととは思ってました。でもこの3人だからこそ見せられるものもあるので、そこまで気負わずにやってこれたかなって思います。卒業制作っていうテーマのもと始めたことなので、私たちも常に「楽しくがんばろうね！」っていうのを口にしながらやってました。

──とはいえドロシーはみんなストイックだと思うので「楽しくがんばろう！」て言われても力は抜けなかったんじゃないですか？

MIMORI　確かに（笑）。まあ私たち3人とも負けず嫌いなので「楽しく」って言われても実際は「ドロシーには絶対に負けないものを作りたい」っていう気持ちがあったと思います。ドロシーにはドロシーのよさがあるので、callmeではまた違ったよさを表現したくて、曲調もドロシーとはガラッと変えました。

RUUNA　歌詞はみんなでやって作曲をMIMORI、振り付けをKOUMIが担当してセルフプロデュースで全部やってみようっていうのも最初から決めてたことで。できるだけ自分たちの力だけでやってみたかったんです。

──MIMORIさんは作曲担当ということですが、以前から曲作りはされてたんですか？

MIMORI　趣味でやってたんですけど、その頃はバラード系の楽曲が多かったですね。あとはニコニコ動画で人気の楽曲をマネしてアレンジしたり。そんなことをやってるうちに自分でオリジナルのメロディを作るようになっていきました。自分でいろいろと作っていくうちにドロシーの新曲候補としてデモテープも出していたんですけど、やっぱり難しくて（笑）。なので今回の話があったときに「やりたいです！」って自分からアピールして。自分たちで表現したい音楽を好きなようにやっていいって言われたので挑戦してみたいなって思いました。でもやりますって言ったもののやっぱり自分たちでもドロシーの楽曲と比べてしまうので、なかなかハードルが高かったです。