ばってん少女隊|福岡から宇宙へ!スケール感増シ増シの2ndアルバム+瀬田さくら全曲レビュー

変わってきた好きな音楽

星野蒼良

──ばっしょーは今年結成4周年を迎えます。最初はただ元気いっぱいにやっている印象だったんですが、最近の自分たちについてはどう思いますか?

星野 デビューしたての頃、私はまだ小学6年生だったんです。今は最年少が高1で、グループとして大人になりましたよね(笑)。時が経てば経つほどメンバーみんなのことがよくわかってきました。あとロックな曲をいっぱい歌わせてもらっているから、デビューをする前に比べたら聴く音楽も変わってきました。ここまでロックな曲をやっているアイドルは少ないと思うので、このまま突き進んでいきたいなと思っています。

──最初の頃、皆さんは先輩グループの曲をよく聴いていた印象です。最近は自分の好みの音楽ジャンルもわかってきたんじゃないですか?

春乃 私はバンドさんの曲ばっかり聴いていて、最近はELLEGARDENさんが好きです。この前たまたま2004年のライブ映像を観ていたんですけど、その頃の私はまだ3歳なんですよ。

星野 蒼良は1歳だ(笑)。

春乃 そうだね(笑)。当時の映像を今観てもカッコいいと感じられるのはすごいなと思いました。そうやって今まで全然触れてこなかった世界をどんどん知って、最近は音楽を聴くのがすごく楽しいです。

──そういったいろんな音楽に触れていくことで、いかに自分たちの音楽をすごい人たちが作っているのかに気付いたのでは?

春乃 そうですね……本当にすごい人たちばかりで、驚いています。

西垣 私はあいみょんさんをとにかく聴きまくってます。私のヒーローです。

上田理子

希山 私はHump Backさん。今までは女性のバンドさんはあまり聴いてこなかったんですけど、YouTubeで見つけてたまたま聴いてみたらめっちゃよくて。声が自分の中に直接入ってくる感じがするんですよ。歌詞もすごくいいし、カッコよくて最近はずっと聴いています。

星野 私はCHAIさんがやっぱり好きです。ユウキさんからいただいたアルバムもずっと聴いています。ほかのバンドさんだとback numberさんが大好きで「高嶺の花子さん」をずっと聴いています。ライブ前に聴くとテンションがめっちゃ上がるんですよ。

希山 コールも作ったんだよね。

星野 勝手に作りました(笑)。落ちサビの「好きなアイスの味はきっと」のあとに……。

星野希山春乃 オー……バニラ味!

星野 って言うんですよ(笑)。ソーダ味とか抹茶味とかでも合います! でもバニラ味が一番ハマるので、いつかライブで言ってみたいです。あとIZ*ONEさんも大好きで今までに出たCDは全部買っています。普段ロックな曲をやっているぶん、かわいい曲も聴きたくなるんですよね。

上田 私はコレサワさんやみゆはんさんが好きです。あとバンドさんだったらMY FIRST STORYさんとか04 Limited Sazabysさんも好きでよく聴いています。

──振り幅がすごいですね。バンドだと自分たちの曲に近いテイストのものが好きなんでしょうね。

上田 あ、そうかもしれません。

5年目は“作っていく”年に

──自分の好きな曲がわかってくるとやりたい曲が出てくるんじゃないかなと思いますけど、5年目はどうなりそうでしょうか?

希山愛

希山 ロックフェスにもっと出たいですね。私たちのファンじゃない人がいる空間でも、そこにいるみんなを踊らせることができるって証明したい。いろんな人を巻き込んで踊らせたいです。

春乃 フェスはたくさん出たいね。「◯年連続出演」とかってカッコいいじゃないですか。5年目をきっかけにそういうことができたらいいなと思っています。

──自分たちのライブはどういうものにしていきたいですか?

春乃 去年のカルッツかわさき公演から新しく演出家の方がライブ制作に加わってくださって、振り付けが少しずつ変わってるんです。「もっとこのリズムを効かせるためにはこの動きがいい」とかいろいろとアイデアをくれて。そういうこともあって、ライブに来てくれる皆さんに「もっとばっしょーの音楽を楽しんでもらいたい!」という意識がどんどん出てきました。

ばってん少女隊

西垣 もともと「自分が楽しんでいる姿を見せて楽しんでもらおう!」みたいな気持ちでライブをやっていたんです。でも今は“魅せる”楽しさがわかったというか、表情とかでも曲の世界を表現して、それがファンの皆さんに伝わったことがわかると楽しい、みたいな。「自分たちが楽しむ」というもとからあるものに新しく“魅せる”楽しさが加わった感じです。

希山 そうだね。最近はなんか……ずっと体の中にビートがある感じがします。今までも自分たちの音楽を楽しんでいたんですけど、なんかもっと変わってきた感じがする。

星野 自分たちの意識がバンド編成でやったZepp DiverCity TOKYOあたりから変わってきて、カルッツでは意識しなくても心の底から楽しい気持ちが湧き出てくるようなライブができたんですよね。会場が一体になって楽しんでいる感じがわかったというか……あの空間がシャボン玉の中に閉じ込められているような感じがしました。その中でみんなで楽しく盛り上がってそのシャボン玉が揺れてるような感覚になって。今までたくさんライブをしてきたけど、そういう感覚は初めてでびっくりしました。

上田 ツアーが終わるのが寂しいとかそういう気持ちで泣くことはあったけれど、カルッツで初めて達成感で泣いてしまって。自分たちでライブを作り上げることができた実感があったんですよね。今までは用意されたものを演じていたなと思っていて。Zeppのときも自分たちが作ったライブをたくさんの方に観てもらえて本当にうれしかった。あの2本でライブは“演る”ものではなくて“作る”ものなんだと思えたんです。5年目からは“作っていく”年になるのかもしれないです。

ばってん少女隊