ナタリー PowerPush - burn World DJ CONTEST 2013

世界一のDJへの切符をつかめ!

5月5日に東京・渋谷WOMBで開催された「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN FINAL」。これはエナジードリンク「burn」主催による世界規模のDJコンテスト「burn STUDIOS RESIDENCY」の日本代表を決める最終選考会で、5組の挑戦者が世界大会への切符をかけてスキル、テクニック、選曲、構成、そしてオーディエンスの盛り上がりを競い合った。

世界大会に駒を進められるのはたった1名。日本代表に選ばれ世界大会を勝ち抜けば、ダンスミュージックの聖地であるスペイン・イビザ島屈指のイベントスペースのレジデントを夏の間中務めることができる。今回ナタリーでは大会当日の渋谷WOMBに潜入し、世界大会進出者が決定するまでを追った。

「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN FINAL」レポート

当日の会場ではコンテストの開始に先駆けて、Semi & Taimei、Shiso、kz(livetune)、YUMMY、80KIDZといった強力な面々がパフォーマンスを行いコンテストの開催を華々しく盛り上げた。そして19:00を少し過ぎたころに司会を務めるブライアン・バートン・ルイスが登壇。ブライアンは大会の概要を説明すると、続けてPERDOMINANT、OSHOW、YAMATO、Providence、Rio Kawamotoというこの日の出演者たちと、☆Taku Takahashi(Tachytelic、m-flo)、大沢伸一、YUMMY、TOMO HIRATA、大根仁からなる審査員チームを紹介。さらにブライアンは「1人あたりの持ち時間は8分」「オーディエンスの盛り上がりも大事な選考基準」といったコンテストのルールや、ステージの模様がYouTube Liveにて生配信され、視聴者も審査に参加できることを説明したのち、いよいよコンテストの開始をアナウンスした。

  • 審査員の面々。
  • 審査員の面々。

PERDOMINANT

トップバッターは今回のためにユニットを結成したというPERDOMINANT。彼らはEDMを軸にしたハイテンションなミックスを展開しながらも、絶妙なアイソレーター使いで音圧に緩急を付けたり、ビートに声ネタを絡めたりと小技も披露。またブースの上に立って観客を煽るなど派手にフロアを盛り上げた。2人はブライアンに「パフォーマンスは何点?」と聞かれると、「100点」と自信を伺わせた。

  • PERDOMINANT
  • PERDOMINANT

OSHOW

OSHOWはトレードマークである和装で登場。彼はスクラッチからプレイをスタートさせると、自身の得意分野であるヒップホップやエレクトロを中心にミックスを構成。マイケル・ジャクソン「スリラー」などキラーチューンもぞくぞく投下し、客席から「もっと!」という歓声も受けていた。OSHOWはプレイを終えると「日本のアーティストはハンパないってのを世界に見せつけてやるぜ!」と意気込んだ。

  • OSHOW
  • OSHOW

Providence

Providenceは流麗なスクラッチでプレイを開始。トライバルな4つ打ちトラックやEDMサウンドをミックスし、堅実なプレイを披露していく。中盤から終盤にかけてはたたみかけるようなエレクトロチューンで観客の熱を一気に上げ、終始安定感のあるミックスで力量を見せつけた。この男気を感じさせるプレイにYUMMYも「短く感じました。もっと聴いていたかったです」と賛辞を送った。

  • Providence
  • Providence

Rio Kawamoto

4番手に登場したのはRio Kawamoto。彼はオーガニックなサウンドのエレクトロニックミュージックを軸に、テックハウスのトラックをミックスしていく。また音圧をコントロールしたタイトなサウンドを響かせ、心地いいグルーヴを生み出した。終盤にはビョーク「Hyperballad」を挟み込むなどドラマチックな展開で観客を魅了。TOMO HIRATAに「本場であるイビザのスタイルに近い感じ」と評された。

  • Rio Kawamoto
  • Rio Kawamoto

YAMATO

ラストのパフォーマーはYAMATO。彼はエフェクターと多数のCDJを巧みに操り、まるで楽器を演奏しているようなテクニカルなプレイを披露していく。その細やかな動きとは裏腹に出音はダイナミックで、フロアの観客は否応無しに体を揺さぶられた。YAMATOのプレイに対して大沢は「8分の中に起承転結があってよかった」と賛辞を送ると、YAMATOは「100点ですね」とプレイを振り返った。

  • YAMATO
  • YAMATO
優勝者発表を待つ出演者たち。

全員がパフォーマンスを終えると☆Taku Takahashiが「PERDOMINANTは魅せる力がありました。OSHOWの真似ができる人はほかにいません。気持ちがスピーカーから出ている感じですよね(笑)。Providenceは一番リラックスしていた感じで、Rio Kawamotoは決められた時間の中でイビザの感じを演出していました。そしてYAMATOはオーディエンスを盛り上げるためにスキルを使っているのがよかったですね」とそれぞれのプレイの魅力について言及。その後いよいよ優勝者発表の時間になると、5人が再びステージに登壇した。この日一番の緊張感が会場を包む中、☆Taku Takahashiが「ジャパンファイナル、ウィナーは……YAMATO」と発表すると、会場からは大きな喝采が送られた。YAMATOは安堵の表情を浮かべながら「この決勝戦までの間イビザとプレイのことしか考えてこなかった」「この喜びを友人や家族に伝えたいです」と語り、自身に向けられた大歓声を浴びていた。

その後、YAMATOはスペイン・イビザ島で5月21日から6月3日(現地時間)に行われた世界大会「burn STUDIOS RESIDENCY」に参加。プロのアーティストに直接指導を受け、全18カ国の代表たちと“レジデンシー”をかけた闘いに挑んだ。その結果、残念ながらレジデントの座を勝ち取ることはできなかったが、YAMATOはイビザでもその実力を遺憾なく発揮。ハンガリー・ブダペストで行われるフェス「burn YARD in Budapest」において、世界的に人気を博すプロデューサー・AVICIIと共演するチャンスを見事勝ち取った。「burn YARD in Budapest」は7月21日開催。今後のYAMATOの世界進出にぜひ期待しよう。

  • 優勝者が発表された瞬間。
  • 自分の名前が呼ばれ喜ぶYAMATO。
  • 優勝者が発表された瞬間。
YAMATOコメント

YAMATO

ブートキャンプ中は、自分の持ち味を出せたと思います。メンターや各国代表のアーティストに自分のテクニックをとても評価してもらえたことは本当にうれしかったし、自信にもなりました。ストリートダンスをやっていた経験などを生かし、音楽以外の部分でもありのままの自分を出したら、すぐにみんなと仲良くなれました。

AVICIIとの共演者として名前が呼ばれたとき、英語が苦手なので最初はわからなかったですが、後から聞いてすごくうれしかったです(笑)。コンテストでの選曲やリミックスは、イビザの土地や空気感にあわせて変えるようにしていました。

勝つことしか考えていなかったから、レジデントになれなかったことについては正直めちゃくちゃ悔しいです。でも、海外では作曲が重要視されているということが知れていい勉強になりました。今後は作曲にも力を入れていきたいと思いますし、必ず今回のリベンジをしたいと思います。日本に帰国したら、AVICIIとの共演のための準備をすぐに開始します。そしてAVICIIに共演だけで終わらせず、公認のパートナーとして認めてもらえるよう、作曲・リミックスを売り込みたいと思います!

「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN FINAL」フォトギャラリー

  • 大会終了後の☆Taku Takahashi(左)と出演者たち。
  • 大会終了後にプレイする☆Taku Takahashi。
  • 大会終了後にプレイするVERBAL(奥)と☆Taku Takahashi(手前)。
  • 「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN FINAL」の様子。
  • 「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN FINAL」の様子。
  • 「burn WORLD DJ CONTEST 2013 JAPAN FINAL」の様子。
バーン エナジードリンク(burn ENERGY DRINK)

「すべてを忘れるくらい心から何かに熱中する人たちを応援するクリエイティブエナジー飲料ブランド」をコンセプトにした日本コカ・コーラの製品。 2013年3月11日にパッケージを一新し、黒の背景にミックスベリーを想起させる赤いグラデーションを上下に配した新デザインで、リニューアル発売された。3月13日からは新テレビCM「KEEP burnING」編のオンエアがスタート。世界規模のDJコンテスト「burn STUDIOS RESIDENCY」に日本代表として参加するDJを決定するための「burn World DJ CONTEST 2013 supported by block.fm」において、アイコンとなっているDJブースを備えた特別仕様車「burn エナジーモービル」が登場する。

「Isle of MTV Miyakojima」レポート

block.fm

block.fmは日本を代表するトップDJやアーティスト、そして世界を舞台に活躍する海外勢に加え、これからのシーンを担うべき若きDJやクリエイターらがさまざまな切り口でバラエティに富んだ音楽を発信する日本発のインターネットラジオメディア。新譜情報のほか、注目アーティストのインタビューやエクスクルーシブなDJミックス、チャート番組、そしてパーティ情報の紹介など、多種多様な番組を毎夜生放送している。

☆Taku Takahashi(Tachytelic, m-flo)
(たく たかはし)

DJ、プロデューサー。1998年にVERBALとm-floを結成。ソロとしても国内外アーティストのプロデュースやリミックス制作を行う。「Incoming... TAKU Remix」でbeatportの音楽賞「beatport MUSIC AWARDS 2011 TOP TRACKS」を日本人として初めて獲得し、その実力を証明。2010年にはアニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」のサウンドトラックも監修する。またソロ名義「THE SUITBOYS」としてミックスCD「AFTER 5 VOL.1」を発表。国内外のDJが最先端の音と情報を発信するインターネットラジオ「block.fm」を設立し、注目を集めている。2012年にはm-floとしての約5年ぶりのオリジナルアルバム「SQUARE ONE」を発表。さらに2013年3月にニューアルバム「NEVEN」をリリースした。


2013年6月7日更新