なんでこの役が僕なんですか?
──また今回はリリースに先駆けて「Episode of NINE LIVES」と題した9つのショートストーリーが超特急のTikTok公式アカウントで公開されています。シューヤさん出演の「静かな青色」、リョウガさん出演の「鈴の音」についてもぜひお話を聞かせてもらえたらと思うのですが、シューヤさんが演じている金魚店の物静かな店員・井部さんは、ほかの8人と比べても一番意外な役どころではないですか?
リョウガ そうですよね、正反対のキャラクター。だってシューヤ、魚なんて1mmたりとも興味ないでしょ?(笑)
シューヤ 実際「なんでこの役が僕なんですか?」ってことは聞きました。物静かな、寡黙な人間にこれまで関わってきたことがないので……(笑)。
リョウガ それに、井部さんの人柄考えたらこんな髪色のハズがないもん。
シューヤ 「髪の色は大丈夫ですか?」っていうことも聞きました(笑)。それは大丈夫ってことだったので。でも本当に、最初はこのキャラクターの気持ちがわからなくて。もうリョウガがやればいいじゃんって……。
リョウガ うわっ。ヤバいでしょ、今の発言。大丈夫? これ(笑)。
シューヤ だってリョウガは気持ちがわかるじゃん!(笑) でも、スタッフさん的には僕がそういう役をやるギャップがいいと思ったみたいで。そんな感じでプレッシャーもかけられつつ……とにかく自分と全然違う役で難しいかもしれないと思ったから、俳優をやってる友達に見てもらったりとか。
リョウガ あ、練習したんだ。偉っ!
シューヤ 練習しましたね。読み合わせに付き合ってもらって、「ここはこうしたほうがいいよ」みたいなアドバイスをもらって。なんせ初めてのことだったので……。
リョウガ いや、でもなんかね。シューヤの演技って、もちろんシューヤ本人のキャラクターと比較したらギャップがあるとはいえ、演技だけで見たときに自然体というか。演技してるとき特有の違和感が少ない気がして。シンプルにすごいなあって僕は思いましたけどね。
シューヤ イケるっすか? 俺。
リョウガ (深い声で)……いこうか。君も超特急のドラマ班の一員だ! タクヤ、ハル、シューヤ!
シューヤ はい、ありがとうございます、がんばります! やったあ。さっそく髪黒くしなきゃ。
リョウガ あはは、気にするのそこなんだ(笑)。
観る人の解釈に委ねる部分が大きい
──そういうリョウガさんも、見応えのある演技をされていました。
リョウガ (笑)。
シューヤ リョウガだけ設定がちょっとね?
リョウガ そう。なんか、時代違う?みたいな(笑)。
──ストーリー自体も、ホラー色が濃くて。
リョウガ 不思議ですよね。ちょっとSF感もあるというか。これはどういうことだ?みたいなね。観る人の解釈に委ねる部分が大きい話だなと思います。
──撮影はいかがでしたか?
リョウガ 僕はほぼ1人芝居だったんですよ。誰かとのやりとりは電話しかなくて。なおかつ撮影のときはスタッフさんが相手役を務めてくださったので、全部1人で完結した感じでした。でもね、びっくりしたんですけど……電話越しの相手役が、個人的にも仲よくさせていただいてる酒巻光宏さんだったので、そこは僕的にアツく、うれしかったですね。でも酒巻さん、声優さんだから。ちょっと演技が普通じゃないんですよ。これ“あるある”だと思うんですけど、声優さんが実写ドラマで演じられると、セリフ回しがいい意味で“浮く”んですよね。その浮き具合がクセになるので、僕は好きなんですけど。だからそこが面白いです。「や~めてくださいよお!」みたいな。
シューヤ 似てる(笑)。
リョウガ 突然アニメになった!?みたいな感じがね。やりすぎだろ、何してんだよと思って(笑)。そこがちょっと、面白くていいですね。
シューヤ でも新鮮ですよね。普段演技しないメンバーの演技を観ると、ちょっと面白い。全然悪い意味ではなくね。なんか、新しい顔すぎて「やってんなあ!」みたいな(笑)。
リョウガ 「コイツ何やってんだよ~!」っていうね。
シューヤ そう! 思うよね(笑)。そういう意味でメンバー同士では面白く観れるんですけど、初めて観てくれた方がどういうふうに思ってくれるのかはわからないから「どう思われるんだろうな?」ということも感じつつ……。でもなんか、うれしい。
リョウガ うれしい!?(笑)
シューヤ いつも見られないメンバーの顔を見れて、素直にうれしいなと思います。
リアルな汗が光る演技
──ちなみに、自分以外の作品で気になったメンバーはいますか?
シューヤ 俺、カイくんの「海辺の日向」に出てくる子役の子が好きでしたね。
リョウガ おいおい。自分以外の「メンバー」って言ってるだろ(笑)。
シューヤ あの子うまかったですよね?
リョウガ うまかったけど!
シューヤ こんなちっちゃいのにうまいなあと思って観てたら、2人の間に友情が芽生えていくみたいな展開に胸熱になっちゃって。カイくんの演技はね、ちょくちょく観てますから。だから男の子のほうに目が行っちゃいましたね。
リョウガ カイのリアルな汗が光る演技ね。
シューヤ ホントに暑かったと言ってました(笑)。だって焼けてたもんね。撮影のあとに会ったら。
──ではリョウガさんはいかがですか?
リョウガ 僕はタカシ……が共演してたお兄ちゃんが。
シューヤ あはははは!
──メンバーの演技について伺いたかったのですが……(笑)。
リョウガ 自然な演技でね。関西弁も。
シューヤ タカシくんのおばあちゃん役の方もインパクトありましたよね。
リョウガ (笑)。でもタカシも負けてなかったですよ。タカシは役に合ってましたよね。本人のキャラクターが。
シューヤ 確かに! 本人のままというか。タカシくんそのまんまの、心のきれいな青年で。ストーリーも自分の中に入ってきやすかったです。
リョウガ 素敵だったね。
「my love」に思うこと
──そして、9つのストーリーの最後に配信されたのがタクヤさん出演の「my love」。この作品だけは、ほかの8作品とは毛色が違うというか……。
リョウガ 難しいよなあ。どう表現したらいいか。
シューヤ そうだね。純粋に観た感想を言うと、シンプルに「さすがだな」と思いました。やっぱり演技経験が豊富なだけあって、何も心配なく観ていられる。モノローグの語り口も落ち着くんですよ。「絶対自分には無理だなあ」って。だってさ、タクちゃん……撮影が始まる前のことなんですけど、一緒にいるときスタッフさんに「僕の作品の監督さんは誰ですか?」と聞いてて。「この方です」「わかりました」みたいなやりとりをしてたから「なんでそれ聞いたの?」って聞いたら、その監督さんの作品を事前に観るんだって。
リョウガ へえー。
シューヤ どういう映像を撮る人なのか、どういうものを求めている監督なのかを見るって。それ聞いてもう……「プロやん」って。そういう取り組み方1つを取っても演技経験のない僕とは違うし、こういう細やかな、見えない努力が演技に表れるんだろうなと感じましたね。
──リョウガさんは「my love」を観てどんな感想を抱きましたか?
リョウガ 僕は……なんでしょうね。ペットを飼っていたっていう立場から、やっぱり感じるものがあって。
──ご自身に重ねて思うところが。
リョウガ そう。より感慨深いというか……ちょっとこの言葉が合っているのかわからないんですけど、思うものがありました。でもその、“shikake”としてね、タクヤの作品だけに……伝わりました? 今の。
──ああ!「shikake」(タクヤのプロデュースブランド)ですね。
シューヤ 英語表記で書いておいてください(笑)。
リョウガ 仕掛けとしてね、それぞれのドラマに共通する“裏設定”みたいなものがあると思うので。それを頭に置いたうえでタクヤのドラマを観たら、作品の意味合いが一段と深くなるんじゃないかなと感じました。
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超特急らしいことしてるなあ