超特急「Lesson II」インタビュー|“あるがまま”に醸す色香 9人で過ごした四季の先に

超特急が9月29日に新曲「Lesson II」をリリースした。

弦楽四重奏によって演奏される歌劇「カルメン」の第1幕「ハバネラ」を引用し、現代的なダンスミュージックと融合させたメロディと“禁断の愛”“人の性”を表現した歌詞で構成された「Lesson II」。「超特急のエロティカ」というかつてないコンセプトと対峙した9人は、どのようにこの楽曲と向き合い、新たな表現に挑んだのか。

楽曲のリリースを記念して、音楽ナタリーではメンバーにインタビュー。最新曲へ傾けたこだわり、さらには9人体制の始動から丸1年が経過した今の思いをじっくりと語ってもらった。

取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 曽我美芽

また新たな一面を、「Lesson II」で大人の色気を

──さっそく新曲について伺いたいのですが、まずは「Lesson II」という楽曲を発表するに至った経緯を教えてもらえますか?

タカシ 「MORA MORA」(アルバム「B9」リード曲)だったり「Call My Name」(ドラマ「ホスト相続しちゃいました」主題歌)だったり、今年はいろいろな方向からのアプローチで超特急の楽曲の幅広さを見せることができていると思うんですけど、まだまだ世間の方には「超特急、名前は聞いたことあるな」と言われることも多いんです。もっと僕らのことを知ってほしいという気持ちがあるので、新しい8号車(超特急ファンの呼称)と出会うための挑戦をもっとしていこうと。「Lesson II」は歌劇「カルメン」の要素をミックスした曲なんですが、音楽性を高めながらも今時のダンスミュージックとして成り立つような曲で新しいチャレンジをしてみました。

タカシ

タカシ

──新曲には「カルメン」の第1幕「ハバネラ」からの引用があります。このアイデアについては?

タカシ 「B9」をはじめ、今僕らの音楽周りを一緒にやってくださっているプロデューサーの方が、超特急は幅広い曲を表現できるからこそ、もっといろんなチャレンジをしてもいいんじゃないか? クラシカルな要素を入れてみてもいいんじゃないか?と客観的な視点で提案してくれたんです。

カイ スタッフサイドからの提案ではあったんですが、僕は以前からクラシックをサンプリングした楽曲をやりたいと音楽チームに伝えていたので、それが叶ったようなところもありますね。

カイ

カイ

──そうだったんですね。実際、最初に曲を聴いたときの感想はいかがでしたか?

ハル 僕は、楽曲からは振りが想像できなかったです。いい意味で全然イメージできなくて、この世界観をどうやってパフォーマンスで表現するんだろう?って純粋に楽しみになりました。

ハル

ハル

マサヒロ 僕は「この曲好きだな」と思いました。超特急に入ってからずっと大人っぽい曲がやりたいなと思っていたので、加入から1年が経ったタイミングでこういった曲ができるのがうれしいですし……しかも僕、この9月で25歳になって、20代後半に入るんです。表現力をもっと磨いてまた新たな一面を出していきたいなと思っているところなので、「Lesson II」で大人の色気を出せれたらなと思ってます。

マサヒロ

マサヒロ

タクヤ 僕は、歌詞だけを読んだときと実際に歌が入ったときのイメージが違って面白かったです。歌詞を読んだ限りでは、内に秘めた自分の欲望や感情がふつふつと煮えたぎっているような雰囲気を想像していたんですけど、タカシとシューヤは「目を閉じ Tell!」ってめっちゃ高音で歌っているので……。

タカシシューヤ あはははは。

タクヤ 意外で楽しかったですね。あと、「目を閉じ Tell」の「てる」が教えるの「Tell」になってたりするんですよ。

タクヤ

タクヤ

タカシ そういうの、けっこう多いんよな。「Typhoon」(アルバム「B9」収録)の歌詞も「巻き起こSet!(巻き起こせ)」となってるし。

タクヤ 語尾、遊びがち。

カイ あるある言いたい。

自分自身のままであるべきなんです

──レコーディングに関して、ボーカルの2人が特にこだわったことは?

タカシ 「大人な側面を打ち出していこう」という大きなテーマがあったので、そこは特に意識していたと思います。「大人っぽい超特急」みたいなテーマで曲を出すことは過去にもあったけど、メンバーの過半数が大人になった今だからこそ表現できる歌だったりダンスがあると思うし、これまでは背伸びして表現していたような色気もリアルに出せるようになっていると思うんです。歌い方の面でも、そういう色気を武器にしていくことを考えていましたね。

シューヤ 僕はこの曲の世界観を受け取ったとき、“いろんな愛の形”を歌に落とし込みたいと思ったんです。さまざまな愛の形について考えて、それぞれの当事者はこういう気持ちなのかなと想像して。そのうえで、歌詞には1番2番3番と進むにつれて場面の変化、登場人物の気持ちの変化があるので、それに沿った構想を立てていきました。ちょっとした迷いだったり「隠れたい」という気持ちがある1番から、2番では「気持ちに素直になっていいのかも」と思い始め、3番、4番で解放する。そういうイメージで歌っていきました。

シューヤ

シューヤ

──そういったイメージは、2人で話し合って共有するんですか?

シューヤ もちろん。プロデューサーを含めてタカシくんと話し合って構成を立てていく感じです。

タカシ どちらかのレコーディングの様子を見ながら調整したりもするよね。楽曲の特徴によっても、どちらが先にブースに入るかは変わってくるんですけど、「こんな感じで歌っていこう」と2人で事前に決めている軸はブレさせずに作り上げていくというか。

──タカシさん、1人でボーカルを担っていたときには「自分の中で曲に合ったキャラクターを作ってレコーディングに臨む」とよくおっしゃっていましたが、今はそういった作業にも変化があったりするのでしょうか。

タカシ 正直な話、ツインボーカルになってから自分の中で作るキャラクターを曲に投影しなくなっていて。もちろん楽曲にもよるんですけど、特に今回の「Lesson II」では大人の超特急を打ち出したかったから、それはもう自分自身のままであるべきなんですよね。キャラクターを作ると嘘っぽくなるかなという思いもありました。

あああ、キスしてるー!

──実際「超特急、大人になったなあ」と思う瞬間はありますか?

リョウガ とは言え、ねえ。“ガキンチョ”が入ってきちゃったから(笑)。

シューヤ 確かになあ。

リョウガ 平均年齢は下がったので、年上チーム(カイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、シューヤ)が個人的に、ということになってくるのかもしれないですけど。自分のことで言うと、それこそ最近ね。27、28歳くらいから「もうおじさんなんでね!」みたいな冗談が通じなくなってきた感覚があると言いますか。これまでは冗談のつもりで言うと「まだまだですよ」みたいな返しが必ずあったのに、最近は「もうおじさんなんでねっ!」「……(無言)」みたいな。

リョウガ

リョウガ

一同 あはははは!

リョウガ 「いや、そうですけど?」みたいになっちゃう空気を感じて。「あ、おじさんなんだ!」と実感する感じですね(笑)。

シューヤ (スマホの計算機を手に)平均年齢、26.5歳でした。平均年齢もアラサーになるんだなあ。

タカシ 僕の年齢(27歳)が一番平均に近いんやね。

──年下組のアロハさんやハルさんから見ていて、年上組は大人だなと感じることはありますか?

アロハ 年上チームが「大人だな」って思うことですか……?

ハル それを言うと、いい意味で歳の差を感じてないかもしれないです。

アロハ 俺も同じです。

アロハ

アロハ

──では、ユーキさんは何かありますか?

ユーキ でもアレっすね。今回のミュージックビデオには男女が熱いキスをするシーンがあるんですけど、僕らもそれを間近で見ることができるようになったんだなっていう……。

タクヤ どういうこと?(笑)

ユーキ まず、キスシーンというもの自体が遠い存在だったじゃないですか。愛を表現するというMVのテーマを際立たせるためにキスシーンがあって、僕らはキスをする2人に対して高まる感情を表現するんですけど、そういうことができるようになったんだなあって。今までだったらできなかったような表情だったり、超特急の振れ幅が大人に近付いているんじゃないかなって思いました。

ユーキ

ユーキ

リョウガ じゃあそのキスシーンを見ているとき、ユーキは落ち着いて、大人っぽい気持ちで見ることができた?

ユーキ (すまし顔で)まあ、そうっすね……。

シューヤ (即座に)全っ然です! めっちゃ興奮してました。モニタ見てすんごい声出してました。「うわあああー!」って!

カイ 中学生じゃん。

ユーキ モニター越しではね? 「あああ、キスしてるー!」とか言っちゃいましたけど!

タカシ どこが大人……?(笑)

シューヤ 全っ然子供でした!