超特急「宇宙ドライブ」ロングインタビュー|宇宙はもらった!新たな仲間とともに夢の終着駅へ──新生超特急が語り尽くす“9人の旅の始まり” (3/4)

みんなから憧れられるような存在になって超特急に行きたい

──4人の新メンバーを迎え入れて、9人体制という経験したことのない形に変化することに対しては、不安などはなかったですか?

ユーキ ワクワクしました。フォーメーション変更という現実的な大変さはもちろんあるけど、それ以外は「これからどうなるんだろう」っていうワクワク感がとにかく強くて。これだけ違うベクトルの個性を持っている子が4人も増えて……9つ分の個性が飛び出す超特急は、どうなるんだろうなって思いました。

──8号車の皆さんの反応も気になるところだったのではと思いますが、発表後のムードはすごく温かく、歓迎一色といった感じですよね。

マサヒロ そうですね、受け入れられているというか……正直、発表前は「受け入れられない」というリアクションのほうが大きいと思っちゃっていたので。すごく優しく、温かい声で皆さん応援してくれているなって率直に思います。

シューヤ 8号車の皆さんの中に、戸惑いは絶対あると思うんです。だけど、SNSなどで皆さんからいただくコメントはどれも言葉を選んで、こちらの気持ちを考えながら思いを伝えてくれるもので。何より「5人が選んだ人なら」っていう、8号車の皆さんの超特急への信頼を感じます。それは、ただただオリジナルメンバーのおかげなんだよなというふうにも思いますね。

ユーキ 8号車の日の発表のとき、8人目と9人目が呼ばれたときの「嘘ー!?」っていうみんなのリアクションは印象的でしたね(笑)。でも、その2人はアロハとハルだったから、EBiDANファンの人たちにとっては驚きと同時に喜びの声でもあったと思うし。そのあとにもらったコメントでもね、「ハルくんはEBiDAN NEXT(研究生)のときから好きだったからうれしいです」という声があったりして。それは素直にうれしかったですね。だからこそ、ハルがより一層、自分のやりたいことができる場所を僕たちは作ってあげなきゃいけないなと思っているんですけどね。

──そう、それで思い出したのですが、新メンバー発表の3日前にあったEBiDAN NEXTのライブ、ナタリーで取材していたんです(参照:EBiDAN NEXTがファンと作った“最高の夏の思い出”!先輩ゲストも続々登場の夏フェス大成功)。

ハル あらあらあら!

──ステージを観ていたら明らかに1人、全力さのレベルがおかしいメンバーがいて。それが柏木悠(ハル)さんだったんですけど……。

ユーキ ああ、違う空気感が出てたんだ。

──MAGiC BOYZの「Do The D-D-T!!」をものすごい迫力で踊っていたのが、すごく目に焼き付いて。

ハル はい、めちゃめちゃ踊ってました。

ハル

ハル

カイ 出し切ろうとしてたんだね。

──時期が時期だったので、「もしかしたら悠さんは……」という予感を抱いたりもしたんですよ。

タクヤ へえー!

リョウガ すげえ。

ユーキ 実際、どういう気持ちで踊ってたの?

ハル その時点で超特急に入ることは決まっていましたし、エビネク(EBiDAN NEXT)のみんなとステージに立てるのはこれが最後なんだという気持ちがありました。僕自身、ここまで活動を続けてこられたのは、一緒にいたエビネクの仲間のおかげだったので。そこに感謝をしながらも、みんなから憧れられるような存在になって超特急に行きたいと思ったので、とにかく自分のパフォーマンスを全力で出し切ろうと思ってがんばりました。

ユーキ その気迫は伝わってたってことだからね、ちゃんと。

リョウガ ナイス。

超特急らしさは外さないんだなとハッキリわかった

──では、ここからは新曲のお話を。「宇宙ドライブ」、意味がよくわからない曲だなという印象なんですが……。

リョウガ オイオイなんてこと言うんだ、ひでえじゃねえか!

ハル あはははは!

タカシ いや、でもそれが正解です(笑)。

──この“よくわからない曲”を、新体制の1発目に持ってきたのには、どういう意味があるんだろうと。

タカシ 9人体制初のシングルはすごく大事だけど、だからといって超特急が変わるわけじゃない。変化じゃなくて進化をしていくんだぞという意味を込めて、僕らの“ダサカッコいい”というコンセプトを改めて掲げ、完成したのが「宇宙ドライブ」なんです。トラックはカッコいいけど、歌詞に意味はありそうでまったくない(笑)。曲自体には「ファニー&クールジャパン」っていうテーマも付いていて、国内だけにとどまらず、いろんな地域の人に観てもらいたいっていう意気込みもあります。

シューヤ 僕ら新メンバーは、曲より先に衣装を見たんですよ。

カイ ああ、そうか。合格したタイミングで俺が見せたんだよね。

シューヤ カイくんから見せてもらって、すごいカッコいい感じの衣装だったんで「うわ、1発目の曲、絶対超カッコいい系だ!」って、めっちゃ思ってたんですよね……。

リョウガ ふはははは! 残念だったなあ……!

アロハハル あはははは!

シューヤ もちろんダサカッコいい“超特急節”は知っていたけど、1発目はそれを封印して、カッコいい路線で行くのかなと思ったんです。で、いざ聴いてみたら「あれ? 歌詞も“寿司”って言ってる……?」となって、ああ、超特急らしさは外さないんだなとハッキリわかったというか(笑)。その“らしさ”をすごく大事にしているっていうのは、メンバーと話をしている中で理解していたので「なるほど」と。僕自身こういう曲を歌うのは初めてだったから「どう歌おうかな?」とは思いましたけど、“ザ・超特急”な楽曲にワクワクしました。

──実際、レコーディングはいかがでしたか?

シューヤ レコーディングは加入後1週間くらいのタイミングだったんですけど、事前に2人でどうやって歌うかを話し合ったり、お互いの歌を聴いてすり合わせていったりする作業をしてから臨めたんです。

タカシ シューくんと2人で歌うとなって、今までにないもの、今まで以上のものを作りたいという思いがあったし……歌ってそのときの自分の気持ちや状況がすごく出るものだけど、加入してまだ1週間しか経ってないみたいなところは絶対に出させちゃいけないなという思いが自分の中にはありました。とはいえシューくんは順応がめちゃめちゃ早いから、絶対にうまくできるとも思ってた。自分的には、今まで自己完結的に「ああしよう、こう歌おう」と頭の中だけで考えていたことをシューくん相手に言葉に出せるのが、すごくうれしかったな。すり合わせをしているときも、1から10まで言わずともわかってくれる信頼があったので、心配みたいなことは全然なかったですね。

“超特急らしさ”が思っていた以上に自分に染み付いていた

──そして、この曲の振付はユーキさんが担当されたということで。コレオグラファーのえんどぅさんに「ユーキが振り付けしてみたら?」と言われた、とブログに書かれていましたけど、最初はえんどぅさんに頼もうと思っていたんですか?

ユーキ そうなんですよ。以前えんどぅさんは超特急の振付師を卒業すると表明されていたけど、新体制になったタイミングで改めてオファーしてみたら「ユーキ、やってみたらいいじゃん」って。自分的には「大丈夫かな」と思ったんですけど、「ユーキならできるし、ホントにわからなくなったらサポートするから」と言ってくれて。僕は、パフォーマンス面での“超特急らしさ”はえんどぅさんが形にしてくれたものだと考えているし、その点でめちゃくちゃ信頼を置いているので、えんどぅさんがくれた言葉から逃げたら終わりだなと思ったんです。

ユーキ

ユーキ

──そうだったんですね。

ユーキ 「サポートするから」という言葉に背中を押されて、いざコレオを考えてみたら……これまでの10年間、えんどぅさんはじめいろんな振付師さんが一緒に作り上げてきてくれた“超特急らしさ”が思っていた以上に自分に染み付いているのを感じられたし、その中で自分なりのアイデアも出てきたりして。実際えんどぅさんはすごくサポートしてくれましたし、マーくんはじめ新メンバーにも手伝ってもらい、マーくんがずっとやってきたヒップホップのニュアンスも、部分部分生かすことができたり。なんか、すっごい楽しくなっちゃって(笑)。

マサヒロ あはは。

ユーキ 振付って、これまでは自分自身と戦って“悩むもの”って感じで、こうしてみんなで一緒にやることってなかったから。みんなで「いいね」「ここ好き」とか言いながらどんどん形にしていき……すごく前向きに振付と向き合えて、自分の中では初めて、しっかりと納得できるものが作れた感覚があります。だから本当にいい経験になったし、僕ららしさがあふれるコレオができたんじゃないかって、自分でも思います。

──そうだったんですね。ユーキさんが、特によくできたんじゃないかなと思うパートはありますか?

ユーキ サビ前かなあ。あと間奏も好きです。(パフォーマンス監修の)U★Gさんも褒めてくれたんですよ。僕が作ったことを知らない段階でU★Gさんに「ここいいね、誰が付けたの?」と聞かれて「僕です」って。初めてこんなに褒められたってくらい絶賛してくれたので、めっちゃうれしくて。自分なりにやったつもりだけど、自然と超特急らしいクセが出たと思いますし、自分が意図したことがメンバーもしっかり伝わって、汲み取ってくれたこともうれしかったです。

リョウガ ユーキが付けてくれた「宇宙ドライブ」の振りは、全力じゃないと成立しないものが多くて。サビの“寿司ダンス”もそうですけど、ただ握っているポーズをするだけじゃなく、めちゃくちゃカッコつけなきゃキマらなかったり、あとは土下座の動きだったりっていう……いろんな意味で人目を気にしない、観た人が思わず二度見しちゃうような、目が離せなくなるキャッチーな動きが盛りだくさんなところに、僕らの昔からの強みがよく出ているなと思います。あと、9人体制初の曲ってことで、それぞれがフィーチャーされる場面があるのも、ユーキならではのアイデアなのかなと。イントロはハルが1人で立つんですけど、最年少にそこをやらせるっていうのも新生超特急らしいというかね。この先が楽しみになるような仕掛けだなと思ったりしますね。

リョウガ

リョウガ

──曲の歌詞と、そのタイミングでフィーチャーされるメンバーとの連動性には、ユーキさんなりの意味付けがあるのでしょうか?

ユーキ あります。サビはハルとタクヤがセンターなんですけど、タクヤはずっと“緑の窓口”としていろんな人にグループを知ってもらうための顔になってくれているし……。

リョウガ なんかダサいんだよなあ、“緑の窓口”(笑)。

ユーキ ハルは最年少の新メンバーだけど、「超特急を変えていくぞ」とギラギラしている内面を僕は感じるし、間違いなく無限の可能性を秘めているから。最年少が「俺に付いて来い」って示すのも面白いし、いろんな期待を込めてこういう形にしました。

ハル ユーキくんが言ってくれたように、僕は最年少だけど「超特急を引っ張っていくぞ」という気持ちでやっていこうと思ってるんです。あの、絶対に折れたくないので! がんばっていきたいと思ってます。あはは!(と、照れ笑いしながらおどける)

タクヤ ね? こうやってね、リアル高校生な一面もあります(笑)。