音楽ナタリー PowerPush - 超特急
“カッコいい×ダサい”が僕らのスタイル
超特急の1stアルバム「RING」が完成した。結成3周年を目前にリリースされる本作は、新曲やシングル曲のほか、待望の音源化となる初期のナンバーなども詰め込まれた充実の内容。さらに限定盤では昨年12月のクリスマスライブの模様を映像で楽しむことができる。ナタリーでは発売を記念して彼らにインタビューを行い、着実に歩を進める彼らの横顔に迫った。
取材・文 / 伊藤実菜子 撮影 / 笹森健一
自分たちでもびっくりする状況
──10月から地上波で冠番組がスタートして、12月25日の東京・国際フォーラムホール ホールA公演を即完させるなど、最近の超特急はこれまでにも増して勢いづいていますよね。この躍進っぷりを皆さんはどう受け止めていますか?
ユーキ 逆にプレッシャーでもありますよ。それだけたくさんの人が見てくれるっていう状況が、自分たちでもびっくりするくらい早かったというか。注目されるのは、超特急をもっと固めてからでもいいなって思ったりしなくもない。もっと超特急として一丸となってるものを観ていただきたい。だからちょっと焦りもありますね。
ユースケ 焦りはあるね。
──まだ自分たちはそうなってないと。
ユーキ いやあ、だってまだ(結成して)3年ですから。これからもっとがんばって魅せていかなきゃいけないなって思います。
──超特急は次のステップへ進むたびに、手放しで喜ぶ前に冷静に自分たちを見つめ直している印象があります。
コーイチ そうですね。例えばZeppツアーが決まったときは、今Zeppでライブをやっているアーティストに比べて僕たちの知名度はどのくらいかなって、毎回それぞれ心の中で考えてると思う。
──会場のスケジュール表をチェックしたりするんですか?
コーイチ しますね。あとはライブDVDで雰囲気を見たりとか。そのたびにやっぱり、もっとがんばんなきゃなって思うところはありますね。今回も、僕たちはフォーラムでライブをやるような人たちに比べて知名度は全然低かったりするし。同じフィールド、同じステージに立つ人たちに追いつきたいって思います。
リョウガ おそらくみんなこんなところまで来れるとは思ってなくて。だから超特急がどこまで行ったとしても天狗にならないように、勘違い野郎にならないように……っていうのは当たり前なんですけど、初心を大事にすることは心がけてます。
大人になった?
──以前のインタビューで、タクヤくんは「いつまでも子供じゃない」と言っていましたが(参照:超特急「Believe×Believe」インタビュー)、実際に皆さん続々と20歳を迎えていますね。何か変わったことはありますか?
タクヤ いや、変わらないですね。余計子供になってますよ、ここらへん(コーイチ、カイ、リョウガを指す)は(笑)。
ユーキ ただお酒が飲める年齢になっただけ。
タクヤ お酒お酒うるさいんですよ。
コーイチ・カイ・リョウガ いやいやいやいや!
タクヤ ステージの上でもお構いなしにお酒お酒言って。なんか最近「超特急=お酒」みたいになってるのがイヤなんですよね(笑)。
コーイチ ははは!(笑) 俺は最近言うてなくない?(笑)
カイ 俺の生誕祭のときひどかったよ。「カイはウイスキーが似合いますね」ってめっちゃ言われた。
──年齢的に大人になると、ステージ上での見せ方も徐々に変わってくるんじゃないかと思うんですが。
カイ そうですね。
ユーキ やっぱりギャップを身に付けたいものですね。8号車さんに「あ、ちょっと大人っぽくなった。セクシーだな」「超特急こんなこともできるようになったんだね」って感じてもらえるようになりたい。
タクヤ 大人な超特急を見せるのは大切なことですけど、やっぱり超特急は元気が一番のウリなので。笑顔で、やんちゃに騒ぐことがお客さんを一番楽しませられるんじゃないかな。だからこれからもメリハリはしっかり付けていきたいと思います。
楽曲の制作過程を知って
──最新シングル曲の「Star Gear」ではロボットダンスに初挑戦したとのことですが、やってみていかがですか?
カイ 僕たちは基本笑顔とかカッコつけた顔で踊ってるんですけど、ロボットダンスは無機質な顔じゃないといけなくて。ライブではサビだけ思いっきり表情を付けて、そこから急に無表情に戻すっていうのをやってるんですけど、それが難しいです。でもやり甲斐はありますね。お客さんも表情の変化を楽しめると思いますし。
ユースケ 特に間奏が難しいんですよね。2番が終わったあとに……なんかすごいのやるんですけど。
コーイチ ラップの部分?
ユースケ ラップの部分! そこシンクロ感が難しいんですよ。
カイ ユースケは一気に力を抜くのが苦手だよね。
ユースケ ああ、そうだね。全体的に力を入れたり抜いたりが激しいダンスなんで、僕はけっこう苦戦してます。しかもライブではカツラをしないので、アンドロイド感をダンスで表現しなきゃいけないんですよ。
──確かにカツラは大きい要素ですよね。
ユースケ カツラ大きいですよ!
カイ いろんな意味でね(笑)。
──装着しているときは痛いと聞きました。
カイ 痛いし、かゆい!
ユーキ もう頭痛がすごい。カツラに関しては文句がたくさん出てきちゃいます(笑)。
──アルバムにも収録されている「EBiDAY EBiNAI」はテレビ朝日系「musicるTV」内の企画から生まれた曲ですね。作家さんの制作過程が番組内で紹介されましたが、それを観たことで気持ちの変化はありましたか?
タカシ 超特急は作家さんに曲を提供していただいてるんですけど、今回曲ができあがっていくまでの工程を見て、すごく苦労して作ってくれたことがわかって。今までの曲も作家さんに作っていただいた曲ということを忘れずに、これからもしっかりいい歌を届けていきたいなって思いました。
コーイチ 特に今回は、ヒロキさんとツカダ(タカシゲ)さんが初めてアーティストに楽曲提供してCDになるものだったから、なんかこう……夢が叶う瞬間を見させてもらったというか。そこに僕たちもすごく感動して、初披露のときはしっかりしたものを見せたくて力が入りましたね。
ユーキ メロディ自体はヒロキさんが昔書いたものみたいで。ヒロキさんの「これをいつか形にしたい」っていう強い思いが詰まってたので、それを背負った上でパフォーマンスするっていうことは僕たちには相当なプレッシャーでした。でも制作過程を観て、僕たちの仕事はその預かった大切なものを8号車さんだけじゃなくてたくさんの人に届けていくことだなって。アーティストとして、どれだけその曲を世に広めていけるかってことを意識していかなきゃいけないなと思いました。
次のページ » アルバムリリースはさらっと言われた
- 1stアルバム「RING」 / 2014年12月3日発売 / SDR
- 通常盤 / 自由席盤 [CD] / 2700円 / SDMC-0170
- 通常盤 / 指定席盤 [2CD] / 3780円 / SDMC-0171
- 初回限定盤 / グランクラス盤 [CD+DVD] / 4860円 / SDMC-0172
- HMV・Loppi Limited Edition [CD+Blu-ray] / 7560円 / SDMC-0173
CD収録曲(共通仕様)
- SURVIVOR
- Superstar
- ikki!!!!!i!!
- Believe×Believe(ビリビリ)
- Star Gear
- Billion Beats
- EBiDAY EBiNAI
- Bloody Night
- What's going on?
- Time Wave
- Kiss Me Baby
- Gravitation
- Bye Bye Bye
指定席盤付属CD収録曲
- Starlight(ウルトラ超特急)
- STYLE(ステーションセブン)
- Signal
- One Life
グランクラス盤付属DVD収録内容
- OVERTURE
- Snow break
- No More Cry
- panipani
- Secret Express
- FLASHBACK
- Drive on week
- 走れ!!!!超特急
HMV・Loppi Limited Edition付属Blu-ray収録内容
- OVERTURE
- Snow break
- No More Cry
- Superstar
- TRAIN
- panipani
- Secret Express
- POLICEMEN
- Bloody Night
- MC
- FLASHBACK
- Keyword
- Drive on week
- Shake body
- Make it hot!
- Kura☆Kura
- Kiss Me Baby
- No.1
- 走れ!!!!超特急
- ニューシングル「Star Gear / EBiDAY EBiNAI / Burn!」 / 2014年11月12日発売 / SDR
- ロボサン盤 [CD] / 1080円 / SDMC-0167
- musicる盤 [CD] / 1080円 / SDMC-0168
- 遊☆戯☆王 ARC-V盤 [CD] / 1080円 / SDMC-0169
超特急(チョウトッキュウ)
スターダストプロモーションに所属する恵比寿学園男子部、通称「EBiDAN」からの選抜メンバーで結成された“史上初!フロントメインダンサー&バックボーカルグループ”。メンバーは1号車コーイチ(お父さん担当)、2号車カ イ(神秘担当)、3号車リョウガ(ガリガリ担当)、4号車タクヤ(筋肉担当)、5号車ユーキ(ドジっ子担当)、6号車ユースケ(元気担当)、7号車タカシ(末っ子担当)の7人。2012年6月に1stシングル「TRAIN」でCDデビューし、「Shake body」「POLICEMEN」とシングルリリースを重ねる。2014年3月には6thシングル「ikki!!!!!i!!」をリリースし、東京・TOKYO DOME CITY HALL公演を含むホールツアーを実施。6月にアニメ「遊☆戯☆王 ARC-V」のオープニング曲「Believe×Believe」、7月に日本青年館公演の模様を収めた1stライブDVD / Blu-ray「BULLET TRAIN ONE MAN SHOW ikkiにホールで福おこしだ!!!!!i!! 2014 at 日本青年館」をリリースした。12月には1stフルアルバム「RING」を発表する。ボーカル2人の美しいハーモニー、奇抜で独特なダンスパフォーマンスで人気を集めている。