音楽ナタリー PowerPush - Brian the Sun

パップコーン・芦沢ムネトが聞くバンドのアイデンティティ

音楽的にも人間的にもバラバラ

芦沢ムネト

芦沢 みんな、もともとどういう音楽を聴いてたんですか?

 恐ろしいほどバラバラなんですよ。

田中 僕はORANGE RANGEとか。

芦沢 へー意外! 洋楽の超マニアックなところいってるかと思った。

田中 全然聴いてこなくって。だから今聴いてます。

芦沢 森くんは?

 斉藤和義さんから入りました。そこがずっと根っこにあります。

芦沢 服装的にもそうかもね。

白山 僕は入り口がKICK THE CAN CREW、キングギドラ、麻波25とか。

小川 僕はTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTとかレッチリ(Red Hot Chili Peppers)とか。兄貴がギターやってて、音楽はけっこう小さい頃から聴いてたんですけど。

芦沢 おーバラバラだねえ(笑)。いろいろブレンドされてこの形になってるんですね。

小川真司(G, Cho)

小川 音楽だけじゃなくて、人間的にもバラバラなんですよね。全員血液型も別です。

芦沢 マジか。

小川 東京に来てるときは事務所に泊まってるんですけど、共同生活超大変ですもん(笑)。

 もういろいろ諦めてるかな(笑)。

芦沢 そういうもんですよ。共同生活もバンドも「あいつはああだからしょうがない」と認めていく作業ですからね。それにしてもいろいろと乗り越えてるようで、だてに7年やってないなという感じはしますね。

変えられなかったこと

芦沢 新しいアルバムも聴かせていただきまして……いやあすごいね。まず聴き心地がいいってのと、歌詞をすごく大事にしてるバンドだなと思って。さっきも言ったけど、なんかみんなでボーカルをすごく生かそうとしてる感じが。

 生かされてます。みんなのおかげで。

Brian the Sun一同 ははは(笑)。

芦沢 ちなみに今回の制作はいつ頃から?

白山治輝(Vo, Cho)

白山 実際レコーディング始めたのは6月くらいですかね。前回のミニアルバム「彼女はゼロフィリア」(2014年3月発売)を作ってる段階から、このフルアルバムを作るっていう話はあって、頭にはずっと入れてたんですけど。

 実はアルバムの構想をし始めたとき、そこそこ悩んでた時期やったんですよ。1stはもともとあった自分たちの曲を集めた作品で、2ndはそれを超えないといけないっていう気持ちもあったし、今のメインストリームのロックの流行りとか、お客さんのノリやすさとか、最近のライブハウスに出てるとそういうことを意識せざるを得ないじゃないですか。でもなんか、そういうことを真っ向からやるのはどうしても抵抗があって。客観的にバンドを見て、ちょっとは意識したほうがいいのかなって思ったにもかかわらずですよ、こうなってしまう(笑)。

芦沢 なるほど。変えられなかった。

 変えられなかった。そういうものです。

芦沢 でも僕は聴いてて、すごくバランスはよかったと思うけどね。

 やりたくないことは絶対やりたくないんです。自分の中には判断基準が明確にあるんで、それを逸脱してまでは作れなかったんですよ。逸脱してお客さんに寄るとか時代に寄るってことはできなかった。それに、だいたい流行ってるもん追いかけたら遅いなって思ったんで。

2ndアルバム「Brian the Sun」/ 2014年12月3日発売 / 2700円 / pointblanc / SPACE SHOWER MUSIC / DDCB-14031
収録曲
  1. Intro
  2. 13月の夜明け
  3. 神曲
  4. 早鐘
  5. Sepia
  6. タイムマシン
  7. チョコレートブラウニー
  8. パワーポップ
  9. 白い部屋
  10. アブソリュートゼロ
  11. 忘却のすゝめ
Brian the Sun(ブライアンザサン)
Brian the Sun

森良太 (Vo, G)、白山治輝(B, Cho)、小川真司(G, Cho)、田中駿汰(Dr, Cho)によるロックバンド。2007年、森を中心に同じ高校の軽音楽部だった白山とバンドを結成。2008年夏には、当時のメンバーで「第1回閃光ライオット」準グランプリを獲得。2011年に現メンバーとなる。これまでに「Sister」「Baked Plum Cake」の2枚のシングル、1stアルバム「NON SUGAR」、ミニアルバム「彼女はゼロフィリア」を発表。2014年12月にセルフタイトルの2ndアルバム「Brian the Sun」をリリースする。

芦沢ムネト(アシザワムネト)
芦沢ムネト

1979年生まれ。東京都出身。多摩美術大学映像演劇学科卒業。コントグループ・パップコーンのリーダーでツッコミ担当として活動する傍ら、2011年末よりTwitterで日々更新している「フテネコ」の作者として一躍話題の人に。お笑い芸人兼イラストレーターとして活躍中。また、TOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」に“教頭”役でレギュラー出演しており、雑誌「WHAT'S IN?」にて「バンドあるある」、音楽情報サイト「DAILY MUSIC」にて「毎日フテネコ」を連載するなど大の音楽ファンとしても知られる。