“ラッパの最高峰”にお願いした「怒涛の彼方」
──3曲目「EVERMORE FOEVER MORE」は、BRAHMANにしてはストレートなメロコアで……あえて「メロコア」って言いますけど、驚きがありました。
だって、そういうのを作ってみようかって話して作ったんだもん。決してこのジャンルが嫌いなわけじゃないし、このジャンルに近いところで俺たちは育っているでしょ。だからこそ、あえて避けてきたと思ってる。でも、やりだせば面白いんだよね。また、自分たちがやれば、スリーピースでやってるようなものとは全然違うものになるんだなってわかったし。
──シングルで発表された楽曲も数多く収録されていますが、シングル「不俱戴天」に収録されていた「怒涛の彼方」は、今作では東京スカパラダイスオーケストラのホーン隊が加わって、ますます生命力を増していますね。
「怒涛の彼方」はシングルとして録っているときから、ずっと頭の中にラッパの音が聴こえていて。
──ホーンではなく、ラッパ(笑)。
ミュージシャンなのにラッパ(笑)。でもラッパなんだよ! ただ、うちのバンドにラッパはいないし、入れなくてもいいやって思ってたの。次のアルバムに(シングル収録曲の中から)何を入れるかってなったとき「怒涛の彼方」を再録するなら、ずっと頭の中に流れていた音の正体を確かめてみたいと思ったの。でも俺は自分の経験したバンドで管楽器の音を鳴らしたことがないし、使おうと思ったこともないから、果たしてこれが管楽器に合う旋律なのか?っていうところから、誰かに聞かなきゃいけないなって思って。だったらこのジャンルの最高峰に頼んじゃおうっていうことで、スカパラにお願いしたら「いいよ」って言ってもらったんだよね。
──どういったところから相談したんですか?
まず北原(雅彦 / Trombone)さんに「メールで楽譜送ってくれ」って言われたんだけど楽譜が書けないから、スカパラのリハに行って、耳元で「♪パラパーです」「こっちの♪パラパー?」「いや、こういう♪パラパー」みたいなやり取りをするっていうところから。
──(笑)。北原さんも新鮮だったでしょうね。
たぶんね。そんな原始的なやり方をしたことないでしょ。でも、今のいわゆるコラボとは違って、異物なものが合わさったときの掛け算っつうか、その感じは出てるんじゃないかな。結局、ワーっていろいろ入り混じっていた曲が、管楽器を入れることによって、疾走感とさわやかさを持ったっていう。なんだろうね、辛いものとなんか食べたら甘く感じるとかさ、あるじゃん。
──私は逆に、スタイリッシュなイメージがあるスカパラホーンズの音が、こんなに汗臭く泥臭く聴こえてきたのは初めてでした。
そりゃそうだよね。でも、同じミュージシャンとしては舞台裏まで見てるわけじゃん。だから、スカパラはスタイリッシュなところばっかりではないってわかってたって言うか。スカパラに限らず、例えばハナレグミの永積タカシにもパブリックイメージがあると思うけど、その裏側があって。本人はアーティストとして裏側を出していなかったとしても、俺は知ってるわけだよね。そうすれば、「俺たちの器の中では違うほうを出してよ」って言うのは可能だと思うから、こうなったっていう。スカパラだって、いなたいスカパラになってるんじゃない? 東京じゃないスカパラダイスオーケストラ。北関東スカパラダイスオーケストラとか、信州スカパラダイスオーケストラになってるでしょ。ご当地スカパラダイスオーケストラ(笑)。
──まさに、そんな感じに聞こえました(笑)。
昨今のコラボものを見ていても何も面白くないのは、お互いがお互いのイメージをはみ出ていないからで。だから自分たちがやるときは、そうじゃないものをやりたいなって。それはカバーとかに関しても同じ。そのままやったりする人もいるけど、そういうのなら俺はカラオケのほうがいいと思ってる。
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「満月の夕」には本人の力が必要だった
- BRAHMAN「梵唄 -bonbai-」
- 2018年2月7日発売 / TOY'S FACTORY
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初回限定盤 [CD+DVD]
3980円 / TFCC-86632 -
通常盤 [CD]
2800円 / TFCC-86633 -
アナログ盤 [アナログ]
3000円 / TFJC-38031
- CD収録曲
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- 真善美
- 雷同
- EVERMORE FOREVER MORE
- AFTER-SENSATION
- 其限
- 今夜
- 守破離
- 怒涛の彼方
- 不倶戴天
- ナミノウタゲ
- 天馬空を行く
- 満月の夕
- 初回限定盤DVD収録内容
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- FOR ONE'S LIFE
- BASIS
- SHADOW PLAY
- DEEP
- BOX
- BEYOND THE MOUNTAIN
- DOUBLE-BLIND DOCUMENTS
- CIRCLE BACK
- SHOW
- 其限
- 遠国
- THE VOID
- LOSE ALL
- A WHITE DEEP MORNING
- 逆光
- FIBS IN THE HANDS
- THE ONLY WAY
- SPECULATION
- EPIGRAM
- CAUSATION
- 鼎の問
- 初期衝動
- 賽の河原
- 今際の際
- 露命
- 空谷の跫音
- 終夜
- ARRIVAL TIME
- 汀に咲く
- 警醒
- 霹靂
- 八面玲瓏
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- 2018年2月9日(金)東京都 日本武道館
- BRAHMAN「梵唄 -bonbai-」ツアー
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- 2018年3月3日(土)山口県 周南RISING HALL
- 2018年3月4日(日)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2018年3月7日(水)京都府 KYOTO MUSE
- 2018年3月9日(金)新潟県 NIIGATA LOTS
- 2018年3月17日(土)北海道 Zepp Sapporo
- 2018年3月21日(水・祝)大阪府 なんばHatch
- 2018年3月23日(金)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2018年3月24日(土)富山県 MAIRO
- 2018年3月26日(月)奈良県 奈良NEVER LAND
- 2018年3月29日(木)和歌山県 SHELTER
- 2018年3月31日(土)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2018年4月1日(日)鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2018年4月4日(水)高知県 X-pt.
- 2018年4月6日(金)香川県 高松festhalle
- 2018年4月8日(日)愛媛県 WStudioRED
- 2018年4月10日(火)兵庫県 チキンジョージ
- 2018年4月11日(水)滋賀県 滋賀U★STONE
- 2018年4月17日(火)鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2018年4月19日(木)熊本県 熊本B.9 V1
- 2018年4月21日(土)福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年4月23日(月)岐阜県 CLUB ROOTS
- 2018年4月25日(水)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2018年5月8日(火)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年5月10日(木)群馬県 高崎clubFLEEZ
- 2018年5月24日(木)山形県 山形ミュージック昭和Session
- 2018年5月26日(土)青森県 青森Quarter
- 2018年5月27日(日)秋田県 Club SWINDLE
- 2018年5月29日(火)岩手県 Club Change WAVE
- 2018年5月31日(木)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
- 2018年6月2日(土) 宮城県 SENDAI GIGS
- 2018年6月5日(火)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2018年6月7日(木)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2018年6月9日(土)愛知県 Zepp Nagoya
- 2018年6月10日(日)静岡県 SOUND SHOWER ark
- 2018年6月13日(水)東京都 Zepp Tokyo
- 2018年6月14日(木)東京都 Zepp Tokyo
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- BRAHMAN(ブラフマン)
- 1995年に東京で結成された4人組ロック / パンクバンド。ハードコアと民族音楽をベースにしたサウンドを特徴とする。1996年に初めての作品として「grope our way」をリリース。1998年に発表した1stアルバム「A MAN OF THE WORLD」はトータル60万枚以上のセールスを誇り、90年代後半に1つの社会現象になったパンクムーブメントにて絶大なる人気を集める。2011年3月11日の東日本大震災以降よりライブ中にMCを行うようになり、震災の復興支援を目的とした活動を積極的に展開。2011年9月にシングル「霹靂」、2012年9月にシングル「露命」を発表し、いずれも強いメッセージと圧巻のサウンドがリスナーに受け入れられた。2013年2月に5年ぶりとなるアルバム「超克」をリリース。結成20周年の2015年にはベストアルバム「尽未来際」のリリース、千葉・幕張メッセで開催したライブイベント「尽未来祭」を含むライブシリーズ「尽未来際」の開催、初のドキュメンタリー映画「ブラフマン」公開などの活動を展開した。2017年10月には映画「あゝ、荒野」主題歌を含むシングル「今夜 / ナミノウタゲ」をリリース。2018年2月に約5年ぶりのフルアルバム「梵唄 -bonbai-」を発表し、初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催する。