一緒にボイメンの船に乗ろうぜ

水野　ちなみに、「帆を上げろ！」はボイメンの楽曲の中で一番長い制作時間を費やして作られた曲なんです。10人の声のバランス1つひとつを本当に細かいところまで調整して作った、大事な大事な曲で。

──歌割りのパートもメンバーの個性を鑑みて？

水野　そうですね。

──そうやって聴くと、また曲に深みが増しますね。では、それぞれに気に入っているパートはありますか？

土田拓海　僕は「先天性負けず嫌いは 何度だって立ち上がるんだぜ」っていうフレーズが、一番ボイメンらしさが出ているかなって思った。

本田　僕は「根拠ない自信を信じる覚悟」っていうフレーズがすごい好き。本当に自分たち、これまで「行ける！」と思ってやってきたんだけど、特に根拠があるわけではなくて（笑）。その図太さが僕ららしいかなっていう気がする。

平松　僕は落ちサビですね。ずっとノリノリで来たのにここだけバラード調になって、メッセージがしっかり伝わるのがいいなって。

小林　僕が好きなのは最後の「道なき道の海の上 我がままに道を行け」ですね。メンバーにとっても聴いてくれる人にとっても「自分の好きなようにやっていいんだよ」っていう応援のメッセージになるかなって思います。

田中　俺は最初の「乗り込め 船出だ」です。ボイメンって、ファンの子と一緒に夢を追いかけているグループだと思うんです。だから聴いてくださる皆さんも「一緒にボイメンの船に乗ろうぜ」って。名古屋でゼロから始まった俺らとでっけえ夢叶える、そのクルーになろうぜっていう感じがここで表現されているから、すごくすてきな始まり方だなと思っています。

大航海中だよな！

──では、次は振付について聞かせてください。先ほど水野さんが「誰でも踊れる振り」とおっしゃっていましたが、どのようなところがポイントですか？

水野　まずはデッキブラシを使ったダンスだよね。サビに関しては、船を漕ぐような動きって言うのかな。

平松　簡単だけどキャッチーで、でも今までになかったような振付って感じがします。

──聴いてくれる方に、特にマネしてほしいところなどはありますか？

田村　「アイアイサー！」のところは一緒にやってほしいですね！

辻本　「アイアイサー！」は曲の中によく出てくるから、一緒にやってもらえたら一体感が生まれそうだよね。

──ミュージックビデオでは皆さん船の上で踊っていますね。

辻本　もう、大航海中だよな！

田村　MVではパフォーマンスを見せつつ、航海の中で起こるあれこれを表現してます。

吉原　歌詞に沿った世界観で進んで行く感じの内容です。

──撮影で印象的だったことはありますか？

田中　あれほどのセットを組んでもらえるっていうのは、すごくありがたいことだなって思いました。初めてMVを撮ったときもすごくうれしかったけど、最初の頃は派手なセットはまったくなかったんで。今回はスタジオに入ったら船のセットがドーンとあって……「ここで撮れるんだ」って感じたときの気持ちの高鳴りはすごかったです。

辻本　ハプニング的なことで言うと、勇翔が樽をぶっ壊しました（笑）。最後のカットを撮っていたとき、かなり深い時間だったから寝ぼけてたのか、彼がいきなり僕が被ってた樽に突っ込んできて、壊れちゃったんですよ。

土田　えー知らなかった！

勇翔　いや、寝ぼけてたわけではないんですよ（笑）。僕、鎖につかまりながら演技をしてたんですけど、その鎖が外れてバランス崩しちゃって。

辻本　樽被ってたんで、最初は何が起きたのかわからなかったんですけど……もう首折れるかと思いました。マジで（笑）。

田村　それヤバいね！（笑）

勇翔　もう「やっちゃったー」って感じでした。

──では、個人的に注目してほしいポイントがある方はいますか？

小林　僕は全部好きすぎるなあ。

平松　波間に突如出現する金のしゃちほこに注目してほしいです！ あそこは名古屋感があっていいですね。MVの撮影も東京だし、全国でイベントをやるようになって、皆さんに「ボイメン、名古屋忘れてんじゃない？」って思われるかもしれないところにあのしゃちほこですよ！

本田　僕が観てほしいのはMVの最後。撮影の合間になんとなく回ってたカメラに映っていた映像が最後の最後にオマケで付いてるんですけど、僕らのオフ感がすごく出ていていいなって……僕は出てこないんですけど。

田村　映ってないんかい！（笑）

田中　僕は嵐のシーンですね。船が揺れてみんながアタフタするっていう場面なんですけど、メンバーが10人もいると、動きのパターンがなくなってくるんですよ（笑）。「はて、自分はどうしよう？」と考えて、「逆に何もせんとこうかな？」と思い至り。みんなはワーっと騒いでいるのに、1人腕を組んで仁王立ちでただ耐えるということをしてみました。

田村　あれ一番面白かったよ。

辻本　俺もすげえ笑ったわ（笑）。