B.O.L.Tが4thシングル「Accent」をリリースした。
invisible manners が作詞作曲、長谷川大介(ex. Aqua Timez)が編曲を手がけた表題曲「Accent」は、ゆったりとしたテンポや清涼感と温もりのあるサウンドが心地よい、この季節にぴったりな1曲。音楽ナタリーではB.O.L.Tにとって2022年最後のシングルである本作の発売に合わせ、1年を振り返って漢字1文字で表す特別企画を展開する。結成3周年を迎えた今年、初の生バンドライブ、ドラマ主題歌、レギュラーラジオ番組などを実現させ、大きな飛躍を遂げた4人に、特大の筆と紙を使って今年の漢字をしたためてもらった。さらにメンバー4人へのインタビューを行い、この曲を含むシングル収録曲の聴きどころ、11月に行われた初の生バンドライブの感想などを語ってもらった。
取材・文 / 近藤隼人撮影 / 飛鳥井里奈
B.O.L.Tが選んだ今年の漢字
内藤るな
今年もたくさんのライブをやらせていただきましたが、特に生バンドとのライブに初挑戦したときに新たなB.O.L.Tが生まれたなと感じました。新曲の「Accent」には同じ環境の中でどう生きるが大切、というメッセージも含まれてますし、2023年は生命力にあふれた生き生きとしたB.O.L.Tを皆さんに見ていただきたいという思いを込めて「生」にしました。
高井千帆
2022年はドラマの主題歌を担当させていただいたり、ライブ以外もラジオのレギュラー番組などのお仕事をやらせていただいたり、本当にたくさんの活動を重ねてきて。1年がすごくあっという間で、一瞬一瞬が儚くて、キラキラした思い出であふれていました。そんな儚さを来年も大切に味わっていきたいですし、ファンの皆さんにとっていい意味で儚い存在になりたいという気持ちを込めて「儚」にしました。
青山菜花
私は昔、自分の中に芯がなくて、人からも「弱そう」って言われてたんですよ。でも今年はたくさんの経験をさせていただいて、「これがB.O.L.Tなんだ!」と思える芯が見つかりました。今までは自分にいいところなんてないと思いがちだったんですけど、いろんな課題がありつつも「自分にしかないものがあるんだ。これが私なんだ」ということに気付けました。来年も自分らしさを出しながら芯を持って1年を過ごしていきたいという思いを込め、「芯」という漢字を選びました。
白浜あや
今年はライブのたびにファンの方に背中を押していただきました、メンバーも私が悩んでいるときにそっと背中を押してくれて、そのおかげでたくさんのチャレンジができました。来年は私のほうがファンの皆さんの背中を押せるように歌を届けていきたいと思って「押」という漢字にしました。
B.O.L.Tインタビュー
アクセントたっぷりの新曲
──まず、ニューシングル「Accent」のために作られた新衣装の注目ポイントから話を聞かせてください。
高井千帆 この衣装はトレーナーの生地が新鮮ですね。今回も1人ひとりデザインがちょっと違っていて。ズボンにスカートっぽいひらひらが付いているんですけど、ライブで踊っているときに必要以上にさわって躍動感を出しています。髪の毛や衣装をさり気なくなびかせるのにハマってます(笑)。
白浜あや パフォーマンス中にしゃがんだりステージ上を移動したりするときに、このひらひらをさばくように使って踊れるとカッコいいなって。前の衣装のときに、るなちゃんがスカートをきれいに使っていたので、私も衣装をうまくパフォーマンスに生かしたいと思ってたんです。このスカート部分が今回の衣装のアクセントだと思います!
──衣装もパフォーマンスの一部にしていると。
白浜 はい。昔だったら、新しい衣装を着ても「かわいいー!」って言うだけで終わってたかもしれないです。
内藤るな あと、この衣装のビジュアルを公開したとき、ファンの方から「暖かそうでよかったねー」と言われたのが印象的で(笑)。B.O.L.Tは今年初めてリリースイベントをやらせていただいたんですけど、冬にノースリーブの衣装を着ていると、ファンの皆さん的にはかわいいよりも寒そうという心配の気持ちが勝っちゃうと思うんです。その点で、今回の衣装は安心してもらえるんじゃないかな(笑)。
高井 でも、この衣装をお披露目したのがライブハウスでのワンマンだったので、るんぱん(内藤)は2曲目くらいで腕まくりしてました。
内藤 肘の上までまくってました(笑)。屋内では汗をよくかける衣装ですね。
青山菜花 星のモチーフが付いてるのも特徴で、動くたびにキラキラきらめくのもいいアクセントになっていると思います。
──invisible mannersが手がけたシングルの表題曲「Accent」は、この衣装に合った、温かさと清涼感を感じられる1曲ですね。
白浜 「Accent」には、決められた条件がある中でそれぞれどこにアクセントを置くかが大切だよ、何かをやろうと決断した瞬間が人生のアクセントになるんだよ、というメッセージが込められていると思います。歌詞の中で「『同じ空を見上げてるんだよ!』」というパートだけ「」が付いているんですけど、この前向きなメッセージがすごく好きです。
青山 1曲の中でたくさんのストーリーを想像できる、聴き応えのある曲です。メロディが付いたラップパートが入ってくるのもアクセントになっているし、何回聴いても新しい発見があると思います。レコーディングでもアクセントを付けて歌うことを意識しました。
──ラップは過去にも「BON-NO BORN」で挑戦していますし、初めてではないですよね。
青山 はい。「BON-NO BORN」とはまた違って会話のような強弱の付け方に新しく挑戦したので、ライブでも練習の成果をうまく発揮できるようにがんばりたいです!
内藤 「Accent」はB.O.L.Tらしいポップパンク感もありつつ、ほかの曲と比べるとテンポはちょっとゆったりめで。衣装と同様に秋冬感を感じられると思います。
高井 invisible mannersさんに曲を提供いただくのはB.O.L.Tとしては初めてなんですけど、私とるんぱんはロッカジャポニカ時代にたくさんお世話になっているので、そのことも含めて歌詞を読むと胸に迫るものがあって。特に「色褪せないミュージック」という歌詞のところとか……。B.O.L.Tの曲も色褪せずに多くの方に聴いてもらえたらうれしいですね。
──21歳の誕生日当日である11月20日に開催されたライブ「B.O.L.T Autumn SP」で、高井さんは「昔のことも思い出しながら、今が一番歌とダンスを楽しんでるなと思いました。ステージに立つことが怖くなった時期もありましたが、たくさんの方のおかげで今はステージに立つことを全力で楽しむことができています」と話していましたね(参照:B.O.L.T「皆さんの日々のアクセントに」高井千帆の誕生日に4thシングル曲「Accent」初披露)。
高井 世の中には何事も楽しめるタイプの人もいると思うんですけど、私はそうじゃなくて。歌とダンスが好きという思いが軸としてあるけど、必ずどこかに緊張や不安があって、楽しいという気持ちに持っていくまで時間がかかるんです。そんな中、ファンの皆さんや一緒に歌って踊ってくれるメンバー、指導してくださる先生のおかげで、心からステージを楽しめるようになってきました。「もっとこうしたい」「ここを直したい」という思いもありつつ、常に楽しさを感じられているんです。「B.O.L.T Autumn SP」ではどの曲をパフォーマンスするときも楽しかったですし、その空気感がファンの皆さんにも伝わっていたらうれしいです。
“あやなの”が学んだ強弱の付け方
──「Accent」は「B.O.L.T Autumn SP」で初披露されましたが、そのときの手応えはいかがでしたか?
内藤 今までの曲と比べて、初披露に向けて振付も歌もけっこう苦戦しました。この曲をもっと自分たちの色に染められたら、B.O.L.Tにしかできない表現を見せられるようになると思っていて。これまでのB.O.L.Tのストーリーを歌に込めて曲をもっと成長させていきたいと、ライブで初披露して感じました。
──具体的にどういうところが難しかったですか?
高井 サウンドやメロディが心地いい曲なんですけど、盛り上がる曲を披露したあとだとスイッチを切り替えるのが難しくて。そういう変化をライブの中のアクセントとしてうまく付けられるように、表現力を上げていきたいです。歌詞の中に言葉がたくさん詰まっている曲でもあるので、ライブで初めて聴く方にもちゃんと伝わるように歌っていきたいと思います。
青山 振付が特に決まっていないフリーのパートでどういうニュアンスの動きをすればいいのかわからなくて、最初レッスンで苦戦しました。でも初披露のときにその感覚をつかめたと思うので、これからのリリースイベントやライブでもうまくパフォーマンスしていきたいです。
白浜 カップリング曲も含め、シングルの収録曲の中で「Accent」が一番レコーディングで苦戦しました。音程が高いパートがあれば低いパートもあって、感情を込めるのが大変でした。特に低い声を出すのが大変で、しゃべるときも低い声を意識的に作って、そのままレコーディングに臨んで。そしたらディレクターさんに「どうしたの!?」と驚かれました(笑)。
──白浜さんと青山さんはまだ中学2年生ではありますが、小学生だったB.O.L.T結成当初と比べたら大人びた歌い方ができるようになったんじゃないですか?
青山 確かに、前はとにかく全力で歌う感じでした。「Accent」で強いところは強く、優しいところは優しく歌うことを学んだので、ライブでほかの曲をパフォーマンスするときもその強弱の付け方を意識できるようになったと思います。
高井 「Accent」では、あやなの(白浜と青山)のフレッシュさと落ち着いた雰囲気の両方が出ていると思います。私はどちらかと言うと、低い声を出そうとすると、ネガティブな歌に聞こえちゃうくらいどんどん暗い感じになっちゃうんですよ。だから、私は2人とは逆に明るく、ポジティブに歌うことを意識しました。
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カップリング曲の聴きどころは