音楽ナタリー PowerPush -BLUE ENCOUNT

“永遠のルーキー” 満を持してメジャーへ

永遠の若手でありたい

──楽曲のアレンジ、歌詞のメッセージ性を含めて、ものすごい熱量ですよね。

田邊駿一(Vo, G)(撮影:石井亜希)

田邊 しかもこの曲、長さが3分台なんです。アレンジができたときは「5分くらいかな?」と思ってたんだけど、実際は3分40秒で。いろんなことを考えながら作った曲なんですけど、頭デッカチにならずに形にできたのはよかったですね。

高村 やっとこういう曲ができた!という感じです。

──「MEMENTO」はすでにライブでも披露されてるんですよね?

田邊 はい。「DESTINATION IS "PLACE"」のツアーファイナルの渋谷クアトロ(2014年7月5日に開催)のアンコールでもやったし、夏フェスでもやっていて。

辻村 会場によってお客さんの聴き方がかなり違うんですよね。ガッツリ盛り上がることもあるし、じっくり聴いてくれるところもあって。

高村 なんだこの曲は?って不思議な顔してたり(笑)。

田邊 受け手次第なんですよね、ホントに。この先、どう受け取ってもらえるかが楽しみだし、この曲によって“BLUE ENCOUNT”というジャンルができそうな気がしてるんですよね。

──そのほかの収録曲(「ロストジンクス」「NEVER ENDING STORY」「AWESOME」)も喜怒哀楽がたっぷり詰まった曲ばかりですね。

BLUE ENCOUNT(撮影:石井亜希)

江口 自分たちらしさと“今までになかったもの”を両方目指した感じですね。全体的にすごく面白い作品になったと思います。結果的に息つく暇がないし(笑)。

辻村 振り幅もすごくあるしね。

──「TIMELESS ROOKIE」というタイトルについては?

田邊 直訳すれば“永遠の若手”ですね。バンドを始めて10年目なんですけど、“なあなあ”になってた時期もあると思うんですよ。それでも前に進んでこれたのは、最初の頃のライブだったり、初めてステージに立ったときの楽しさがずっと残ってたからだと思うんですよね。まあ、あとになって「どうしてステージであんなこと言っちゃったんだろう?」って思ったりもするんですけど(笑)。

高村 スネアのヘッドが破れたりね(笑)。

田邊 最初の頃なんて、チューナーすら使ってなかったですから。

──(笑)。ライブ中にチューニングが狂うでしょ?

田邊 途中で弦が切れて、「あれ? 音がズレてるな」って(笑)。でも、めちゃくちゃ気持ちよかったんですよ。ライブが終わったあとも「俺ら、イケるな」しか言ってなかった(笑)。

高村 そのときの気持ちを忘れないっていうのは、すごく大事だと思うんですよね。初心忘るべからず、ですね。

辻村 バンドを始めた頃に「これがカッコいい」と思っていたことって、いまだにカッコいいと思いますからね。

──そういう感覚がバンドの軸になってるのかも。

辻村 憧れてたバンドと対バンさせてもらったときに、「あれ? 自分が思っていたのとちょっと違うな」と思うこともあるんですよ。そういうときに「ああいうふうにはなりたくない」って話したり。

田邊 ……ちょっと鋭角な言い方だけどね。

江口 (笑)。でも、事実だから。

辻村 「こういうバンドになりたい」という理想像もあるし、逆に「こうなるのはよくない」っていう像もあるっていう。

──バンドとしては当然、理想を求めていくわけですからね。

田邊 そうですね。“初心に返る”っていうのは、バンドに限らず、すべての人にとって大事なことだと思うし。

2年後に武道館やります!

──そして今年の末にはメジャーデビュー後、初となるワンマンツアーもありますね。

BLUE ENCOUNT(撮影:石井亜希)

田邊 お客さんのパワーを飲み込んで、しっかり投げ返すことができるかどうかが勝敗を分けると思っていて。今年前半のツアーはお客さんに助けられることが多かったんですよ。しっかり対等な立場にならないと、僕が目指している関係にはなれないので。やっぱり、お客さんと一緒の目線でいたいんですよね。僕はライブでも言いたいことを言うし、愚痴ることもあって。「こういうことがあって、キツかった」ということもずっと言い続けると思うし、そこでお互いに共有できたらなって。

江口 メジャーデビューしたら、これまで以上に「音源を先に聴いてから、ライブに来る」っていう人が増えると思うんですよ。ライブの中で、音源をどう超えていくか?っていうのも新しい課題ですね。

──めちゃくちゃ期待してます。最後にルーキーの皆さんに聞きたいんですが、今の野望は何ですか?

田邊 それはもう、よっちゃん(高村)から。

高村 (笑)。僕らもスタッフさんも思ってることなんですけど、武道館はやりたいですね。

田邊 あ、言っちゃった。

高村 いつも言ってるよね?(笑) 武道館はやっぱり、夢の1つですからね。

田邊 熊本出身の田舎者なんで、“デカい会場”というとやっぱり武道館なんですよ。

江口 わかりやすいからね。

辻村 あと、もし武道館でやれたら恩返しになると思うんですよ。おじいちゃん、おばあちゃんでも知ってますから。

──武道館、いつやりますか? 

田邊 それはもう……2年後ですよ!

──お! 急にリアリティが出てきた。

田邊 近しい先輩のバンドが無理なく武道館まで辿り着いた足跡を見ると、それくらいかなって。

江口 うん。2年後に武道館やります!

田邊 よろしくお願いします!

メジャーデビュー作「TIMELESS ROOKIE」/ 2014年9月10日発売 / Ki/oon Music
「TIMELESS ROOKIE」
初回限定盤 [CD+DVD] 1750円 / KSCL-2460~1
通常盤 [CD] 1458円 / KSCL-2462
CD収録曲
  1. MEMENTO
  2. ロストジンクス
  3. NEVER ENDING STORY
  4. AWESOME
初回限定盤DVD収録内容
  • NEVER ENDING STORY
  • アンバランス
  • HANDS
ツアー情報
TOUR2014 ROOKIE'S HIGH
  • 2014年11月15日(土)宮城県 HooK SENDAI
  • 2014年11月21日(金)広島県 CAVE-BE
  • 2014年11月23日(日・祝)香川県 DIME
  • 2014年11月28日(金)福岡県 DRUM Be-1
  • 2014年12月6日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
  • 2014年12月7日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
  • 2014年12月13日(土)東京都 TSUTAYA O-EAST
BLUE ENCOUNT(ブルーエンカウント)

田邊駿一(Vo, G)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年、田邊、江口、高村が地元熊本でバンドを結成し、2009年、3人の進学先である都内の音楽専門 学校で辻村と出会い現体制となる。2010年の1stミニアルバム「the beginning of the beginning」を、2012年には2ndアルバム「HALO EFFECT」をリリース。「HALO EFFECT」収録の「HALO」がYouTubeで120万回以上再生されるなど、この頃よりライブハウスシーンで頭角を現すように。2013年にはライブ会場限定CD「SIGNALS」やミニアルバム「NOISY SLUGGER」、MY FIRST STORY、SWANKY DANK、AIR SWELLとのスプリットアルバム「BONEDS」を発表。年末には初のワンマンツアー「NEXT DESTINATION」を開催し、全公演ともソールドアウトさせている。またその一方で同8月の「SUMMER SONIC 2013」や、12月の「COUNT DOWN JAPAN 13/14」「GT2014」と大型フェスにも立て続けに出演。2014年2月に初のフルアルバム「BAND OF DESTINATION」をリリースした。同年9月にキューンミュージックより4曲入りCD「TIMELESS ROOKIE」でメジャーデビュー。