ナタリー PowerPush - BLUE ENCOUNT

4人の“気にしい”が鳴らす 超共感型エモロック

昨年の夏「SUMMER SONIC」をはじめとする数多くの大型フェスに出演。年末に行った初の全国ワンマンツアーも4公演ともソールドアウトを記録するなど、“次世代エモロック最重要バンド”として際立った存在感を示しているBLUE ENCOUNTが、1stフルアルバム「BAND OF DESTINATION」を完成させた。ライブでも強い共感を集めているメッセージソング「HANDS」、ミュージックビデオが動画サイトで70万回以上再生されている「HALO」の再レコーディングバージョン、さらに新曲3曲を含む本作は、このバンドの最初の集大成と呼ぶにふさわしい、生々しくエモーショナルなロックアルバムに仕上がっている。

今回ナタリーでは、メンバー全員にインタビューを実施。「BAND OF DESTINATION」の成り立ちはもちろん、数多くのトライ&エラーを経てたどり着いた“弱さや葛藤を含め、リアルな感情をむき出しにする”バンドのスタンスについても語ってもらった。

取材・文 / 森朋之 インタビュー撮影 / 佐藤類

 
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再レコーディングって、どうなんだろう?

──1stフルアルバム「BAND OF DESTINATION」は、BLUE ENCOUNTのライブアンセムもたっぷり収録されていて、現時点における集大成と言える作品だと思います。

左から辻村勇太(B)、江口雄也(G)、田邊駿一(Vo, G)、高村佳秀(Dr)。

田邊駿一(Vo, G) まさにそうですね。新曲も3曲入ってますし、“ベスト”という言葉だけでは片づけられない作品になったんじゃないかな、と。レコーディングを通して、過去の曲とも向き合うことができたので。

──改めてレコーディングされている過去の楽曲もありますからね。

田邊 その再レコーディングに関しては、ポジティブなイメージを持っていないリスナーも多いと思うんですよ。僕ら自身、好きなバンドが再レコーディングした楽曲を聴いて「うーん……」ということもあるので。

辻村勇太(B) 高校生くらいのときって、憧れのバンドがメジャーデビューしたあと、インディーズ時代の曲を再レコーディングしたことなんかに対しても「もうちょっとこうやったらいいのにな」って思ったりするじゃないですか。再レコーディングバージョンを聴いて、テンションが上がったことって正直なところあんまりないんですよ。

江口雄也(G) アレンジが変わって、その曲の好きな部分がなくなってしまったり。

田邊 だから最初は「再レコーディングって、どうなんだろう?」という気持ちもあったんですよね。疑問というか……。

高村佳秀(Dr) 心配だよね。

とにかくライブ感を出すことを意識した

──確かに再レコーディング曲って「原曲の荒々しいところが好きだったのに!」みたいなことを思われることもありますよね。

田邊駿一(Vo, G)

田邊 そうですね。かといって、せっかく改めてレコーディングするのに音のクオリティを落とすわけにはいかないし、昔の音でそのまま再演しても意味がないし。だから僕らが今回やろうと思っていたのは、ライブでプレイしてきた経験を生かした上で改めてその曲を解釈、表現するということだったんですよ。

江口 うん。

田邊 だからよくある再レコーディング曲のようにアレンジを変えることはしない。ライブのまんまというか、「アレンジは変えないでやろう」ということをまず話し合っていて。だいたい、どの曲も作った当時の自分たちができる最大限のことをやっているつもりなので、今さらどう変えていいかわからないし(笑)。ただオリジナルバージョンとひとつ確実に違うことがあるとすれば、100%ライブを意識して、ライブに向けてレコーディングしたってことなんです。再レコーディング曲は全曲ライブでやってる曲ばかりだけに、今回のアルバムに収録したバージョンが“ライブ以下”ってことになったら全然意味がないので。とにかくライブ感を出すことを意識してレコーディングに臨みました。だから、これまでの音源に比べるとより血が通ってる感じがすると思うんですよね。

高村 そうだね。実際にできあがったものを聴いてみると……。

江口 アレンジはほとんど変えてないはずなのに別物になってるよね。

高村佳秀(Dr)

高村 ライブを重ねる中で、曲もちゃんと成長してきたことが確認できたというか。お客さんと一緒に曲を作り上げてこられたんだな、と。

田邊 ライブに来たことがある人ならいろいろ思い出せると思うんですよね。「あのライブのとき、こういうMCのあとにこの曲をやってたな」とか。もちろん、このアルバムで初めて僕らの音楽に出会ってくれる人にもライブを想起してほしいし。実際、ワンマンライブのセットリストのような感じですからね、ボリュームも曲順も。

江口 聴いてくれる人が飽きないように。

辻村 しかも15曲あるからね。だから実はアルバム1枚を通して聴くのって、けっこう大変かもしれない(笑)。

ニューアルバム「BAND OF DESTINATION」 / 2014年2月5日発売 / 2300円 / BounDEE by SSNW / XQLS-1003
ニューアルバム「BAND OF DESTINATION」
収録曲
  1. opening~B.O.D~
  2. DESTINATION
  3. アンバランス
  4. HALO
  5. HANDS
  6. GO CRAZY
  7. T.K
  8. YOU
  9. JUST AWAKE
  10. THANKS
  11. ONE
  12. D.N.K
  13. VOICE
  14. PLACE
BLUE ENCOUNT(ぶるーえんかうんと)

BLUE ENCOUNT

田邊駿一(Vo, G)、江口雄也(G)、辻村勇太(B)、高村佳秀(Dr)の4人からなるロックバンド。2007年、田邊、江口、高村が地元熊本でバンドを結成し、2009年、3人の進学先である都内の音楽専門学校で辻村と出会い現体制となる。2010年の1stミニアルバム「the beginning of the beginning」を、2012年には2ndアルバム「HALO EFFECT」をリリース。「HALO EFFECT」収録の「HALO」がYouTubeで70万回以上再生されるなど、この頃よりライブハウスシーンで頭角を現すように。2013年にはライブ会場限定CD「SIGNALS」やミニアルバム「NOISY SLUGGER」、MY FIRST STORY、SWANKY DANK、AIR SWELLとのスプリットアルバム「BONEDS」を発表。年末には初のワンマンツアー「NEXT DESTINATION」を開催し、全公演ともソールドアウトさせている。またその一方で同8月の「SUMMER SONIC 2013」や、12月の「COUNT DOWN JAPAN 13/14」「GT2014」と大型フェスにも立て続けに出演。そして2014年2月に初のフルアルバム「BAND OF DESTINATION」をリリースした。