セントチヒロ・チッチ「勝手に焦って爆発しちゃった」
──そのほか幕張公演にまつわる印象深いエピソードがあれば教えてください。
アイナ ライブ3日前くらいのレッスンで「BUDOKANかもしくはTAMANEGI」の振り付けの練習してるときかな、チッチがいきなり泣き始めて(笑)。「いつになったらそろうの? もう直前なのに!」みたいな感じになって。
──うまくできないメンバーに苛立っていた?
アイナ チッチはもともと妥協をしない子だったんですけど、ある時期から振りがそろわなくても「そのゆるさもBiSHの色だよね」みたいな考えになってた気がしてて。でもそうじゃなかったから「やっぱ変わってなかったんだ」「妥協しないんだ!」と思ってうれしくなっちゃった。そういうチッチをひさしぶりに見た(笑)。
チッチ 私けっこう完璧主義なところが昔からあって、でも今アイナが言ったようにBiSHに入ってからその考え方は変わって、ただそろえることがすべてじゃないし、個性があるからBiSHっていうものが成り立ってるんだって気付いたんですよ。動きとかそれぞれ違うけど、そこが面白いって言ってくれる人もいて「あ、そうなんだな」って受け入れるようになってた。でもその日はちょっとカッとなっちゃって「もうあと3日しかないのに、あんだけ言ったのに、なんで今日まで直らないの!」って思って悔しくなっちゃって。
──幕張を直前に控えて焦りもあったんでしょうね。
チッチ そうですね。勝手に焦って爆発しちゃったみたいな。そのあとすぐ「あっ、ごめん」みたいな感じになりましたけど(笑)。でもそれくらいプレッシャーがすごかったから、幕張が終わったら心にぽっかり穴が空いちゃうんじゃないかとか思ってたけど全然そんなことなくて、もらったパワーとか楽しかった思い出がすごいんですよね。
モモコ チッチは初期の頃と比べたら、見た目も中身もすごく変わったと思う。BiSHに合わせて変化してくれるっていうか、昔はかわいい系だったけど今はカッコよくなって。だからチッチを見てれば今のBiSHがわかるって感じですかね。
アユニ チッチは面倒見がいいです。最初入ったとき腹黒担当みたいに言われてたから怖かったけど、いつもBiSHのことを一番に考えてくれるので。
アイナ いろいろ気付いて言ってくれるんですよね。チッチは性格悪いって言われるし、実際悪いんですけど(笑)、でもなんか抜けてて完全にワルになれないんですよ。ホントは素直でいい子なんです。めっちゃ好きです。めっちゃ信頼してるし、全部かわいいなとかカッコいいなって思っちゃう。
ハシヤスメ・アツコ「空気読むとかわかんない」
──そして幕張でも恒例のコントタイムがありました。ハシヤスメさんとアユニさんの掛け合いが絶妙でしたね。
アイナ 渡辺さんがコントの時間を作ってくれるようになってからハシヤスメはめっちゃ変わったんです。最初の頃はみんなどう扱ったらいいかわかんないくらいヤバいやつだったから(笑)。
──うまくコミュニケーションが取れなかった?
ハシヤスメ たぶんそうです。私、自分の気持ちを言葉で伝えるのがあんまりできなくて、BiSHに入った最初の頃は特にそうだったから。
アイナ それがやっぱり、ライブでコントをするようになってから、ハシヤスメも殻を破ったっていうか、隠してた自分のいい部分を出してきてくれて、ホントはこんなに面白くて素直で純粋な人なんだってみんなわかったんですよね。それからはなんでも話し合えるようになりました。
ハシヤスメ 言葉でいろいろ言うより態度で示していこうと思ったんだよね。
モモコ それに空気を読まないから、みんなが暗い気持ちのときもすごく明るい言葉をかけてくれたりして。BiSHにとって大切な存在なんですよ。
ハシヤスメ 空気読むとかってわかんないんですよね。わかるようになりたいなと思って最近お笑いのDVDとか観てるんですけど。
チッチ アッちゃんはムードメーカーだよね。
ハシヤスメ えっ、私はあんまり表に出ない人っていうか、常に冷静なキャラだなって思ってるんですけど。
チッチ そんなことはないよ!(笑)
──キャラクターは6人バラバラですけど、こうやって話していると皆さんすごく仲がよさそうに見えますね。
アイナ はい、めっちゃ仲いいです(笑)。
ポンコツ集団のこれから
──それにしてもBiSHは結成以来すごい勢いで活躍していますが、メンバーの皆さんはBiSHのどういうところが支持されていると感じていますか?
アイナ BiSHはポンコツ集団なんですよね。いつもちょっとはみ出してる。だから大人の人がめっちゃカッコいい曲用意してくれて、渋谷にドーンって広告出してくれたりしても、BiSHがやるとちょっと「あれ? なんかヘン?」みたいな(笑)。そういう部分がパンクって言われたり、面白がってもらえたりしてるのかなって思ってます。
チッチ BiSHは普通の女の子とは違った面白さみたいのがあるよね。
ハシヤスメ えっ、普通だよ?
チッチ 普通じゃないよ!(笑) 今まで出会ったことないタイプの子たちばっかりだから面白いなって思うんです。それにがむしゃらにやってる感じとかメンバー自身が楽しんでる感じとか、メンバーの書く歌詞とかもそうだけど、次にどんなものが来るのか予想できないところもBiSHらしさの1つかなと思ってて。
モモコ あと渡辺さんがオシャレだっていうのも大きいと思う。
チッチ あ、それめっちゃわかる。
モモコ もし私がメンバーじゃなくて客観的にBiSHを見たとしたら、たぶん「カッコいいな、オシャレだな」っていう印象から入る気がするんですよ。渡辺さんが考えてくれるアー写とか衣装とか言葉のセンスがいいんで、そこはBiSHをカッコよく見せてる大きな要素だなって思います。
チッチ 作ってくれてる人たちのセンスがすさまじいから自信が持てる。
アイナ 大人の人たちが「それ面白いじゃん!」って言いながら楽しんで作ってくれてる感じがするよね。
──なるほど。では最後に、BiSHのこれからの目標について聞かせてもらえますか?
チッチ 近い未来の話だったら、出たいフェスとか立ちたいステージとかはいっぱいあります。武道館とか東京ドームとか、「Mステ」に出たいとか「ROCK IN JAPAN」に出たいとか、そういう気持ちはすごくあって。
アイナ でもBiSHは最初に立ったのが80人キャパのライブハウスだったんで、めっちゃデカい東京ドームに立ってその景色を見たあとに、それくらいの場所でもう1回やって「やっぱ私たちここが好きだわー」って言ってみたい気持ちもある(笑)。
──ただ大きくなるだけではなく、BiSHらしさを大切にして進んでいくということですよね。
チッチ うん、小さいライブハウスも大事にしてやっていけたらいいなと思うし、BiSHだからできる面白いイベントもやりたいし、地方とか商店街とか海外とかも行きたいし。いろんなところでBiSHを愛してもらいたいって思ってます!
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渡辺淳之介(WACK)インタビュー
- BiSH「GiANT KiLLERS」
- 2017年6月28日発売 / avex trax
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初回限定盤
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- BiSH(ビッシュ)
- アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなるアイドルグループ。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。2015年5月27日に1stアルバム「Brand-new idol SHiT」をリリース。同年5月には東京・中野heavy sick ZEROにて初のワンマンライブ「THiS IS FOR BiS」を開催し、以降のライブは各所でソールドアウトを記録する。2016年1月に2ndアルバム「FAKE METAL JACKET」を発表。同年5月にはメジャー1stシングル「DEADMAN」をリリースしavexよりメジャーデビューを果たした。さらに6月から10月にかけて全国ツアー「BiSH Less than SEX TOUR」を開催し、ツアーファイナル「帝王切開」では東京・日比谷野外大音楽堂で単独公演を成功させた。同年10月にメジャー1stアルバム「KiLLER BiSH」を発売。2017年1月から全国6都市を巡る「BiSH NEVERMiND TOUR」を実施した。同年3月にメジャー2ndシングル「プロミスザスター」をリリースし、6月にミニアルバム「GiANT KiLLERS」を発表。7月22日には千葉・幕張メッセ イベントホールにてグループ史上最大規模のワンマンライブを行った。