リンリン「ずっと運動会の前日みたいな気分」
──リンリンさんは今回のツアー中に何度も泣いてしまったそうですね。
リンリン 自分でもなんで涙が出るのかわかんないけど、両立がうまくできなくなっちゃって。
──両立?
リンリン 学校とBiSHの両立。しかもツアーだと金曜の夜出発で月曜の朝帰りで、週7日間のうちの4日間メンバーと一緒なんです。そういうのあんまり好きじゃなくて。
──集団行動が苦手なタイプですね。
リンリン そう。しかも車だと相手との距離がすごく近いから、どんなに好きでも無理になっちゃう。その頃学校もあんまりうまくいかなくて、学校とBiSHのどっちかをいつも楽しみに生きてたのに両方崩れちゃって。実家に帰って元気な状態に戻したかったけどそんな暇もなくて、だからずっとわけがわかんなくて。ツアーの最後のほうは「今日でBiSHの自分は終わりだ」って思いながらライブしてました。辞める気全然ないし、そんなこと思ってないのに、勝手に頭がそうなっちゃって涙が出てくる。全部が終わってました。自分の中で勝手に。
──その状況が変わったのは?
リンリン んー、℃-uteが解散したあと、なんかわかんないけど、ちょっと気持ちが軽くなりました。モヤモヤが1個取れた感じ。あと幕張の10日ぐらい前に寝てたらいきなり目が覚めて「あと10日で幕張じゃん!」みたいになって。
アイナ 突然?
リンリン 急に夜中に目が覚めちゃって、それでチケットのURLみたいなのツイートした。
──「7.22 幕張メッセ チケット残りわずかです」(参照:リンリン (@liNGliNG_BiSH) | Twitter)というツイートですね。
モモコ それ覚えてる。珍しいなと思った(笑)。
リンリン そこからはなんかもう、ずっと運動会の前日みたいな気分でワクワクしてて。本番も楽しすぎて、ずっとふざけてました。
──リンリンさんは、BiSHの中でもひときわ自由に行動しているように見えますね。
アイナ リンリンはBiSHのパンク要素を担ってくれてる感じがします。「プロミスザスター」とか「オーケストラ」がただのいい曲じゃなくてちゃんとBiSHっぽく見えてるのはリンリンのおかげだと思うし、リンリンが書いた「VOMiT SONG」の歌詞とかも超いいメロディに「ゲロ」っていう単語が乗っかって心に引っかかるし。しかもリンリンが書く歌詞って情景が見えるから、パンクな内容なのにみんな共感できるんですよ。
モモコ 自分の世界をしっかり持ってる人なんです。
アユニ やりたいことはやるって感じだよね。
アイナ テレビの収録のときになんの許可も得ずにいきなりバカ殿みたいな髪型してきたりして。それを許してくれる大人の人もカッコいいと思うけど。
モモコ 許してもらったとき「勝ったよ、モモコさん!」って言ってたもんね。「ウソでしょ、こいつ!」と思って(笑)。リンリンが勝ち誇った顔してるのめっちゃ面白かった。
モモコグミカンパニー「ダメなところも個性になる」
──BiSHのメンバーは一見好き勝手やってるように見えつつ、一方で皆さんすごく努力もしてると思うんです。メンバーの中で一番の努力家は誰ですか?
アイナ モモコかな。
モモコ いや、私はホントに人一倍やんなきゃできないんですよ。運動会のダンスとかもできなくて高校のとき笑われたりとかしてたから、誰よりも練習しないとただの足手まといになる。だから「やらなきゃ!」っていう意識は強いかもしれないです。
アイナ モモコはダンス練習しなかったらただのヘタクソだもんね。
モモコ はっきり言うなよー(笑)。
アイナ でもモモコはめっちゃ練習してくるんです。で、それでもまだちょっと人よりリズムが遅れてる独特の感じがモモコグミカンパニーらしさになるんですよね。みんなと同じ振りで踊っててもちょっと違う。それがめっちゃかわいくて、目で追いかけちゃうみたいなとこがある。
モモコ 自分では全然わかんない。それが個性だって認めてもらえるならうれしいですけど。ただ、BiSHはみんなダメなところはたくさんあるけど、それをプラスに変えられてると思うんですよ。例えば私はダンス全然できなかったけど、アイナがかわいくて簡単な振り付けを考えてくれたりして、普通だったらダメなところもBiSHの中にいたらそれが個性になる。もちろんダメなままでいいと思ってるわけじゃなくて、みんな一生懸命に自分のマックスでがんばってるし。
──幕張のライブでは練習の成果を出せましたか?
モモコ いや、1曲目で幕が開いたときのプレッシャーがすごくて「ああ、これ頭真っ白になって何もできなくなるやつだ!」ってなってました。それで「今は渋谷のリリイベだと思おう」って自分に言い聞かせて気持ちを落ち着けて(笑)。そのあとだんだん慣れてきて楽しめるようになりましたけど。
アユニ・D「話すのが得意じゃないから」
──アンコールのMCのとき、アユニさんはいきなり泣いていましたよね。脱退発表でもしそうな雰囲気があってちょっと動揺したんですが(笑)。
アユニ あとからTwitterとか見たらそれめっちゃ書かれてました。なんかどうやって話し始めたらいいかわかんなくなっちゃって。話すのが得意じゃないから。
モモコ アユニはホントに純粋なんで、泣きたいときに泣いちゃうし、おなかがすいたら食べたいしとか、そういう大人になったらみんなが失ってしまう素直な感情を持ってるんです。
アイナ かわいい。
チッチ 妹って感じだよね。
ハシヤスメ 幕張の楽屋でチッチが「ここにグミたくさんあるよ」って言ったら、アユニが「はー! グミ!」って言ってすごい勢いでダダダッて走っていって。それがすごくかわいかったんですよ。だからこの子の喜ぶ顔が見たいなってすごく思っちゃう。
チッチ でもアユニは素直だし感受性も豊かなんだけど、それだけじゃなくてすごく強いんです。上京してきてまだ1年だけどすごく踏ん張って生きてる感じがする。大人になる過程を一緒に過ごしたいなって思うし、守ってあげたいなって思わせてくれるんですよね。
アユニ 幕張のときはすごく不安だったけど、みんなからの「がんばれ」っていう視線を感じて、みんなも自分のことで精一杯なはずなのに私のことを見ててくれるのがうれしかった。それが励みになってがんばれました。
チッチ アユニもう泣きそうじゃん。
アユニ 泣きそうじゃないよ(笑)。でも今回はリハのときから私ステージでは絶対笑えないだろうなって思ってたんです。BiSHに入った頃とか余裕がなくてライブ中ずっと真顔だったからたぶん幕張もそうなるんだろうと思って。だけど終わってから写真とか見返してたら私すごく笑ってて、だからホントに楽しかったんだなって。改めてそう思いました。
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セントチヒロ・チッチ「勝手に焦って爆発しちゃった」
- BiSH「GiANT KiLLERS」
- 2017年6月28日発売 / avex trax
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初回限定盤
[CD2枚組+Blu-ray]
10800円 / AVZD-93683~4/B -
LIVE盤 [CD+DVD]
6458円 / AVCD-93685/B -
iNTRODUCiNG BiSH盤 [CD2枚組]
3024円 / AVCD-93686~7 -
通常盤 [CD]
1620円 / AVCD-93688
- BiSH(ビッシュ)
- アイナ・ジ・エンド、モモコグミカンパニー、セントチヒロ・チッチ、ハシヤスメ・アツコ、リンリン、アユニ・Dの6人からなるアイドルグループ。BiSを作り上げた渡辺淳之介と松隈ケンタが再びタッグを組み、彼女たちのプロデュースを担当する。2015年5月27日に1stアルバム「Brand-new idol SHiT」をリリース。同年5月には東京・中野heavy sick ZEROにて初のワンマンライブ「THiS IS FOR BiS」を開催し、以降のライブは各所でソールドアウトを記録する。2016年1月に2ndアルバム「FAKE METAL JACKET」を発表。同年5月にはメジャー1stシングル「DEADMAN」をリリースしavexよりメジャーデビューを果たした。さらに6月から10月にかけて全国ツアー「BiSH Less than SEX TOUR」を開催し、ツアーファイナル「帝王切開」では東京・日比谷野外大音楽堂で単独公演を成功させた。同年10月にメジャー1stアルバム「KiLLER BiSH」を発売。2017年1月から全国6都市を巡る「BiSH NEVERMiND TOUR」を実施した。同年3月にメジャー2ndシングル「プロミスザスター」をリリースし、6月にミニアルバム「GiANT KiLLERS」を発表。7月22日には千葉・幕張メッセ イベントホールにてグループ史上最大規模のワンマンライブを行った。