音楽ナタリー Power Push - BiS×渡辺淳之介(BiSマネージャー)

2ndアルバム発売も BiS、けっこうピンチです

BiSが2ndアルバム「Re:STUPiD」をリリースした。昨年11月に結成からわずか2カ月で1stアルバム「Brand-new idol Society 2」を発表し、旧BiS楽曲の新アレンジバージョンを含む13曲で新生BiSを表現してきた彼女たち。矢継ぎ早に発表された2ndアルバムは、すべて新生BiSのために書き下ろされた楽曲で構成されており、メンバーが収録曲の作詞を担当している。音楽ナタリーではメンバー5人とマネージャーの渡辺淳之介に、アルバムの全貌についてをインタビュー。するとプー・ルイからBiSが抱える現在の問題が語られるという状況に。結成後、順調かに見えた彼女たちが直面した、悩みとは?

取材・文・撮影 / 古川朋久

  • 521

    202

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

体内がほぼうんち

──車中泊ツアー(参照:BiS、米しか食べられない車中泊ツアー&100kmマラソン発表)真っ最中の大変な時期にインタビューということですが、2日後には100kmマラソンが控えてるんですね。各自のTwitterを見てるとこっちも不安になってきますが。

プー・ルイ

プー・ルイ 終わりが見えてるのにつらいんです。以前のBiSのときにも車中泊ツアーはやっていたんですけど、ごはんだけじゃなくてふりかけとか缶詰もあったし、まだ我慢もできたんですよ。でも今回は白ごはんと醤油と塩だけなんで……。食感が変わらない。

──前回の車中泊ツアーを体験してるのは、この中ではプー・ルイさんだけですけど、そのときと比べて今回のほうがつらいと?

プー・ルイ 前回のツアーは全部ワンマンライブだったし連戦だったので体力的には前回のほうがつらかったはずなんですけど、今回は違うつらさがありますね。まあ旧BiSのほうがメンバーの仲がよかったというのはありますが。

プー・ルイ以外 あははは……。

──プー・ルイさん以外の4人は車中泊ツアーを体験してみていかがですか?

ペリ・ウブ もう米を食べたくないです。

──Twitterでいろんな食べ物の名前を書いてるのを拝見したときに、もういろいろヤバいんだなって察しました。

プー・ルイ ラップに包んだおにぎりにハンバーグってサインペンで書いてましたよ。

ウブ 視覚的なところからね。そういうの大事。

──みんな痩せたんじゃないですか?

キカ・フロント・フロンタール 頬がこけてきたって言われました。でも体重は変わってないんですけどね。化粧してるときになんか違うなって……。

プー・ルイ それは歳のせいだよ。

キカ 栄養も偏って便が出ないんです。

アヤ・エイトプリンス

アヤ・エイトプリンス そうそう。うんこ出ない。

プー・ルイ 今の我々の体内はほぼうんちです。

ゴ・ジーラ わりと深刻な状況ですね。

──食べ物の問題以外につらいことはなんですかね?

アヤ 家に帰れないことですね。

キカ ベッドで寝たい。

プー・ルイ 意外と車中泊ツアーは忙しくて、米炊かないといけないし、洗濯やコインランドリーにも行かないといけない。それで寝る時間が遅くなったりして。普通のツアーなんて楽しいもんじゃないですか。そういうのが皆無なんですよ!

生きてる実感がないと楽しいと思えない

──そして極め付けが100kmマラソン。これ、完走できそうですか?(※1月29日に100kmマラソンがスタート。翌30日に全員がゴールである渋谷にたどり着き、見事全員完走で終えた)

ウブ ちゃんと靴とか用意したので。見た目からと思って。

アヤ・エイトプリンス

キカ ウブちゃんは体力がまったくないので、いつも会社の周りを30分くらい走ってたんですけど、それくらいしかやってない。

プー・ルイ 5人で100kmと思われてる人もいますけど、1人100kmですからね。でも100kmマラソンは体力じゃなくて気力なんで。心が折れなければ走りきれると思います。

──特にアルバムのリリース週でもないのに、なんのためにやってるんですかね?(笑)

渡辺淳之介 いや、プー・ルイからお願いされたんで。

プー・ルイ それは語弊があるんですよ(笑)。BiSの今後について「このままじゃヤバいですよね」って言ったら渡辺さんが「じゃあBiSが今までやってきたことを全部書き出せ」って言うからリストアップしたんですよ。その中から渡辺さんがピックアップしたのが一番つらかった車中泊ツアーと100kmマラソンだったという(笑)。これを達成してもダメだったら、ほかのつらいことも順番にやっていくしかない。言ってわかんないんだったら「My Ixxx」のときと同じ状況(全裸MV)にすればいいんですよ。

──活動していく中でプー・ルイさんとほかのメンバーとの間に、少し気持ちのズレが生じてきたということですか?

プー・ルイ というより、私も今の状況であまり変なことをやってないからいじめられたくなっちゃったのかも(笑)。生きてる実感がないと楽しいと思えないから。

──あー、マヒしてきてますね(笑)。

プー・ルイ 例えばライブとかでも文句なく「楽しかった! 最高!」って思えるようなパフォーマンスが続けば別にそんなことも思わなかったんでしょうけど、そうじゃないんで。今、けっこうピンチですよ。

──順調じゃないんですね。なんででしょう?

プー・ルイ 自分たちの問題。それが今お客さんの反応として返ってきてる。私が思うに、ダンスが踊れなくてバラバラでもいいんですよ。もちろんダンスがそろっているほうがいいですし歌がうまいほうがいいに決まってるんですけど、今の我々は何をやっても伝わらないような気がして。前のBiSのほうがダンスは下手だし、そもそもそろえる気すらなかったと思うんですけど、でも「あたしがBiSだ!」みたいな伝えようと思う気持ちがみんなにあった。それが今のメンバーには感じられないんですよね。

──なるほど。プー・ルイさんがそのように言ってますが4人はどう思ってます?

キカ・フロント・フロンタール

キカ いろいろ原因はあると思うんですけど、よくなかったと思うライブは集中できてなかったなって。気持ちが入ってないというか、それがお客さんにも伝わってしまうんだと思います。対バンライブでは前のほうのお客さんは盛り上がってくれるんですけど、後ろのほうはまったく動かないですし。なんで盛り上がらないんだろう、巻き込めないんだろうっていうのがわからなくて。

プー・ルイ 前のBiSのときは対バンでほかのグループのファンを巻き込んでどんどんお客さんが増えていったので。たぶんライブだけの問題じゃないと思う。日々BiSのことを考えてる時間が圧倒的に少ないんじゃない? 話し合いをしても私が怒って終わっちゃう。

キカ プーちゃんが怒るとみんな黙っちゃって「うーん」しか言えなくなる。

プー・ルイ 私が怒ってうやむやになるのを望んでるわけじゃないんですよ。揉めても「よっしゃ! がんばろう!」ってなるのが前のBiSだった。今回は私を含めてみんな同期のはずなのに、ほかのメンバーはそうは思ってないから。

キカ まだ4人がプーちゃんに対して頼ってしまうところがあるから、それがよくないのかなって。「プーちゃんに勝つぞ!」という気持ちにならない……。

──もう結成から半年くらい経つんですけど、気持ちが1つになり切れてないんですかね。

プー・ルイ 以前「私をぶっ倒す気持ちで来い!」ってメンバーに言ったことがあるんですけど、そういうのがまだないんです。だから1つになり切れてない。

──深刻ですね。車中泊ツアーや100kmマラソンを経て、何かが変わるといいんですが。

プー・ルイ これを乗り越えないと絶対に売れない。BiSという名前を使ってるのに最初でつまずいてしまってるから、1回何かすごいことをしたくらいじゃひっくり返せないと思う。車中泊ツアーとか100kmマラソンで、何を見せられるかって感じですかね。

2ndアルバム「RE:STUPiD」 2017年2月22日発売 / 2500円 / SPACE SHOWER MUSIC / XQJZ-1058
「RE:STUPiD」
収録曲
  1. gives
  2. twisted grunge
  3. ミステリアスホール
  4. SAY YES
  5. Never Starting Song
  6. NOT the END
  7. ぎぶみあちょこれいと
  8. ロミオの心臓
  9. 明日が来るなら
  10. NAKODUB
BiS「Re:STUPiD TOUR」ツアーファイナル

2017年2月26日(日)東京都 WWW X

BiS(ビス)
BiS

プー・ルイ、ペリ・ウブ、アヤ・エイトプリンス、ゴ・ジーラ、キカ・フロント・フロンタールの5人からなるアイドルグループ。BiSは2014年7月をもって解散したが、マネージャーの渡辺淳之介、サウンドプロデューサーの松隈ケンタ、プー・ルイの3人によって再始動がアナウンスされ、2016年9月に新体制として活動が再開。11月16日に1stアルバム「Brand-new idol Society 2」を発表し、11月20日に1stワンマンライブを東京・下北沢SHELTERで開催。12月より全国ツアー「『Brand-new idol Society』2年間おまたせ!いま会いにゆきます」を行った。2017年2月22日に2ndアルバム「Re:STUPiD」をリリース。1月より全国ツアー「Re:STUPiD TOUR」を開催し、それに伴って1週間米しか食べることのできない車中泊ツアーおよび100kmマラソンを敢行した。