ナタリー PowerPush - BiS

BiSの未来はどっちだ!? プー・ルイ×日高央放談

8分間で「ちんこ」って44回言いました

──最近だと、ライブ中にワッキーのことをすごいあだ名で呼んでいましたよね。

プー・ルイ

プー ちんこちゃん!

日高 わははははっ!(笑) なぜだよ!?

プー スペースシャワーさんに作っていただいたアニメで、ワッキーのキャラがその名前だったんです。100%下ネタ作品で、最終回は8分間で「ちんこ」って44回言いました。

日高 ひどい! それはひどい!(笑)

プー 友達に見せたら「超いいじゃん!」って褒められましたよ?

日高 そういう人じゃないとプー・ルイとは友達になれないんだな。そりゃ女性のアーティスト仲間はできないわ。

──目標である武道館のタイミングはいつがいいですかね?

日高 そうだなあ、武道館でライブしたことのある知り合いが「客席との距離が遠い」って言ってたんですよ。だからそれを凌駕できる、お客さんとの距離を埋められる企画が思いついてからかな。客席を走るとか、上から吊られてピーター・パン的なことをするのはありがちだから、もっとBiS的な発想で。

プー なるほど、考えます!

──でもプー・ルイさんとしては、武道館をやったら本当にもう解散?

プー 今のところはその予定ですけど、それまでにもっと売れていたいですね。じゃないと、辞めたときに価値がないから。誰も知らないアイドルが解散しても、みんなどうでもいいじゃないですか。

日高 そこは急に女性的なこと言うんだね?(笑)

プー えっ、そうですか!?

日高 男のバンドマンだと、恥ずかしいから自分の音楽に対する価値とかって話は苦手だからさ。でも「聴いた人の中に残したい」っていうアーティストの思いは、ファンとしてはすごくうれしいだろうね。

松隈さんががんばってくれたようです

──曲のお話に戻って「BiSimulation」のこだわり、聴きどころをお願いします!

日高 俺は個人的に速くてうるさい曲が好きだから、かなり多めにキックを入れているのがこだわりですね。それでもギリギリ心地よく聴けるポップさを保っていて、アレンジの松隈くんのバランスが素晴らしい! ただ、メンバーは歌いづらかったかもね。

プー みんなリズム感がないので、かなりズレズレで大変でした。でも完成した曲を聴いたらぴったり合っていたので、松隈さんががんばってくれたようです。

日高 がんばったのは松隈くんか! ライブで歌うのは大丈夫なの?

プー 被せなので問題ないです。

左からプー・ルイ、日高央。

日高 そこも隠さないんだね、斬新だなあ(笑)。振付師さんも大変だっただろうね。

プー あ、振りも自分たちで考えてますよ。

日高 え、そうなの?

プー 予算がないので、もし振付師を使うなら、ノーギャラで頼める人を連れてこいって言われてます。

──最初は自給自足アイドルってキャッチコピーでしたよね。

プー そうなんです。タワレコさんでのインストアライブも、元メンバーが営業してくれて決まったんです。

日高 それもバンド的だなあ! やっぱり曲書いてみたほうがいいよ! 松隈さんがカッコよくしてくれるだろうし、印税ももっと増えるじゃん!

プー うーん、楽器練習しなきゃなあ。

日高 弾けなくても大丈夫。去年一緒にライブをした非常階段にも楽器弾いてない人いたでしょ? ほかにもハナタラシってノイズバンドは、ライブハウスに楽器じゃなくてブルドーザーを持ち込んだからね。

プー ブルドーザー!?

日高 そうそう、ただ「ガガガガッ」ってノイズを出す担当ね。

プー 私にもできる!!

日高 いや、免許は必要だけどね(笑)。だからバンドだって言い続けていればそれでいいんだよ。

BiSはアイドル界の非常階段

──では、これからのBiSに必要なことはなんでしょうか?

日高 本当に第一線で活躍していた女性表現者を参考にしてほしいね。例えばL7っていうアメリカの女性バンドがいたんだけど、彼女たちは体中入れ墨だらけで「FUCK」なんて日常的に言うし、客に体を触られたら本気でビンタもしちゃうし。過激な表現をしている女性にももっと上がいるから、まずはそれを知ること。その上で、さらに過激な方向に行くのか、違う道を探すのか考えて、表現をもっととがらせてほしいね。

日高央

プー わかりました!

日高 そうやって人は成長していくわけで、もっと大きくなれるポテンシャルはあるはずなんだよ。JOJO広重さんも惚れ込む存在だし。

プー 一緒にたこ焼き食べました!

日高 まじで!? 俺らにとっては本物のカリスマだし、恐れ多くてメシなんか食えないからね!

プー 物販も手伝ってくれました!

日高 ノイズ界の重鎮が何やってんだ(笑)。知らないと思うけど、あの人はステージ上で女にオシッコとかセックスさせてたんだよ? でも僕らはそれを見て、非音楽的なことこそ音楽なんだって学んだのよ。それはBiSもとても近くて、非アイドル的なことこそもっともアイドルなのかもしれない。だからBiSはJOJO広重精神を正統に受け継いでいる、アイドル界の非常階段なんだよ。うん、やっぱりバンドだな、バンドやろう! むしろ今までなぜやらなかったんだ!

プー やっぱり、大変ですよね、今から楽器を覚えるの。

日高 あー……。わかった、面倒臭がるのが弱点なんだな。言われるとやるけど、ゼロから作るのは嫌だと。

プー まさにそうなんですよ!

日高 小泉今日子さんみたいに、センスのいい女子は頭もキレるんだよ。だからもっと頭よくさせたいなあ。プー・ルイも憧れはいるんでしょ?

プー YUKIさんですね!

日高 じゃあそこを目指そう! YUKIちゃんの曲作ってるのは俺の後輩だから、もうちょっと頭よくなったら紹介してあげるからさ。

プー おおお! がんばります!

日高 どうしたらいいんだろう。例えば、このインタビューを読んだ人から「プー・ルイが頭よくなる企画」を募集すれば? もしくは……ロック勉強会はどう? 音楽通の人を招いてお勉強するっていう。

──次のナタリーの特集はそれでいきましょう!

日高 ロッキング・オン社長の渋谷陽一が来るまで続けよう!

プー ほおお。

日高 あんまり響いてねーな!(笑)

左からプー・ルイ、日高央。
ニューシングル「BiSimulation」 / 2013年3月13日発売 / avex trax
LIVE盤 [CD+DVD] 3570円 / AVCD-48642/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
MUSIC VIDEO盤 [CD+DVD] 1890円 / AVCD-48643/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD盤 [CD] 1050円 / AVCD-48643/B
初回仕様ジャケット
通常仕様ジャケット
CD収録曲
  1. BiSimulation
  2. Hide out cut
  3. BiSimulation -Acappella-
  4. Hide out cut -Acappella-
  5. BiSimulation -Instrumental-
  6. Hide out cut -Instrumental-
LIVE盤DVD収録内容
  • 2012.7.13 LIVE"BiSメジャーデビュー記念直前大パーティ まだメジャーじゃないもん!! "@新宿LOFT
MUSIC VIDEO盤DVD収録内容
  • MUSIC VIDEO “BiSimulation -color ver.-”
  • MUSIC VIDEO “BiSimulation -monochrome ver.-”
  • “BiSimulation” メイキング映像

BiS(びす)

BiS

プー・ルイ、ヒラノノゾミ、テラシマユフ、ミチバヤシリオ、ワキサカユリカ、そしてマネージャーの渡辺淳之介からなるアイドルグループ。ユニット名は「新生アイドル研究会(Brand-new idol Society)」の略。2010年をもってプー・ルイがソロ活動を休止し、2011年から彼女が在籍するアイドルグループとして結成された。ライブのブッキングや振付などを自分たちの手で行う“自給自足アイドル”というコンセプト、過激な施策などで話題を集め、何度かのメンバーチェンジを経て2012年7月にシングル「PPCC」でエイベックスよりメジャーデビュー。2013年3月にはメジャー3rdシングル「BiSimulation」をリリースする。

日高央(ひだかとおる)

日高央

1968年千葉県生まれ。BEAT CRUSADERSのボーカル&ギターとして多くのロックファンの支持を集める中、2010年に解散。その後MONOBRIGHTへの助っ人外国人選手的加入で2年間活動し、同時にヒダカトオルとフェッドミュージックでAORにチャレンジするなど多岐に渡る活動を展開。2012年末には越川和磨(G / ex. 毛皮のマリーズ)らとの新バンド・THE STARBEMSを結成し、活動名義をこれまでの「ヒダカトオル」から「日高央」に変更する。そのほか木村カエラ、GOING UNDER GROUND、磯部正文、BiSら他アーティストへの楽曲提供・プロデュースも積極的に行っている。