ナタリー PowerPush - THE BAWDIES

事故や震災を経てついに完成 ありったけの愛を詰め込んだ新作

震災からアルバムの方向性が変わっていった

──アルバム「LIVE THE LIFE I LOVE」の制作はいつ頃から始まったんですか?

インタビュー風景

MARCY(Dr) 去年の秋ぐらいから曲作りが始まって。レコーディングは今年の3月から4月にかけて、1カ月ぐらいです。

──どういう内容にしようと考えてましたか?

ROY 今まではソウルミュージックでもサザンソウルとかそういうものの熱を僕らは伝えたいなって思ってたんですけど、「LOVE YOU NEED YOU feat. AI」以降はノーザン寄りやモータウンみたいにポップで踊れる楽曲が増えていって。でも、ポップで踊れる曲が増えると、今度はもっとストレートなロックンロールをやりたくなる。THE BAWDIESって数カ月単位で表現したいものが変わるんですね。その中でいろんな楽曲が生まれたけど、唯一変わらなかったのはルーツ色を以前よりもさらに出すということ。しかも、そこで鳴っているのはより自由な音である、っていうのが今のTHE BAWDIESサウンドなのかなって感じて、ルーツ色の強い「THIS IS MY STORY」と自由度の高い「THERE'S NO TURNING BACK」を1枚にまとめたようなアルバムを作ろうっていうことになったんです。

──そういうイメージだったんですね。

ROY でも、レコーディングの途中に震災があって、そこからまたアルバムの方向性が変わっていったんですよ。震災を受けて「何をすればいいんだろうか?」とか「今、音楽をやるべきなのか?」とかいろいろ考えた結果、被災地でふんばってる方々、そしてそれを支えようとがんばってる全国の皆さんに一番必要なのは、前に進むため、上を向くための元気だと思って。元気というものはロックンロールが持ってる、そして与えられる最高のパワーだと思うし、特にTHE BAWDIESのロックンロールは聴いたみんなに元気を与えられると僕らは信じてるので、だったら今まで言い続けてきた愛や元気を与えるっていうことを今叫ばないでどうするんだと。今こそ思ってることを全力で伝えなければいけないっていう気持ちから生まれたのが、「A NEW DAY IS COMIN'」と「YEAH」っていう曲なんです。この2曲がアルバムの1曲目と最後に入ったことは大きいですね。そのほかにも、震災以前にできていたロックンロールが震災後にアコースティックバージョンになるという変化もありました。

聴き手に寄り添ってくれるアルバム

──レコーディングにおいて以前と変わったと感じる部分はありましたか?

ROY 今までは自分たちが楽しんでる姿を見てもらって、それぞれが好きなように楽しむヒントになったらいいなっていう考えで、エンタテインメントとしての感覚がすごく強かったんです。でも今は、自分たちの音楽があることで前に進める人がいたり、そうやって上を向けたり元気づけられる人がいるってことがしっかり見えるようになったので、しっかり届けなきゃっていう気持ちが以前にも増して強くなってますね。

──そういう思いが影響しているのか、このアルバムには聴いていて心があたたかくなるピースフルなメロディが多い気がしました。

インタビュー風景

JIM 今回のアルバムって元気にはっちゃけてる曲でもどこか優しさが残るし、すごくあたたかいし、聴き手に寄り添ってくれるアルバムになったというか。ピースフルな部分っていうのは、もちろん震災の影響もあると思うけど、やっぱり事故を経験したことによるものが大きいと思うんです。もしかしたら二度と音楽できなくなってたかもしれないし、音を鳴らせることの喜びっていうのを感じて。と同時に、当たり前のことを当たり前にできるっていうのがすごく大事なことなんだなって気付かされたんですよ。

──そこに気付けたのってすごく大きなことですね。

JIM そうですね。あとは、昔自分が音楽に救われてたように、今はTHE BAWDIESに救われてる人がいるんだってことにも気付かされて。震災があったのに東北地方のファンから「早くアルバム届けてください」というメッセージをもらうと、すごいなと思うんですよね。もし自分が同じ立場だったら自分のことでいっぱいいっぱいになって、そういうこと言えるかなって。それだけ必要としてくれる人がいるってことはすごく感じましたね。

いろんな色を持ったバンドだと証明できたのかな

──このアルバムは、特に後半から終盤にかけて1曲1曲の濃さが今まで以上だと思います。ルーツ色が強いだけじゃなくて、ちょっとサイケなエッセンスやカントリー色もあったりで、いろんな驚きを与えてくれる内容ですね。

インタビュー風景

TAXMAN 例えばTHE BEATLESの後期に「これってもうちょっとドラムがパワフルで音もゴリゴリしてたらハードロックなんじゃないか」って曲があるじゃないですか。そういったことを僕らなりにやりたいなと思って、ちょっとした遊び心を入れてみたんです。今までだったら「WHAT A LONELY NIGHT」みたいなサイケな曲って作れなかったと思うんですけど、ツアーやレコーディングで得た経験がちゃんと消化できたから作れたのかなっていうのはありますね。

MARCY ドラムも曲に合わせていろいろセッティングを変えていて。そういうことがやれたのも、個人的には大きかったです。

──バンドとしてひと回り大きくなった感が、しっかり出たアルバムだと思います。

ROY ありがとうございます。自分たちの中では1曲1曲をストレートに表現してるつもりなんですけど、よりいろんな色が出てるっていうふうに言っていただけると、THE BAWDIES自身がいろんな色を持ったバンドだということを証明できたのかなって思いますね。

ニューアルバム「LIVE THE LIFE I LOVE」 / 2011年6月8日発売

  • [CD]2800円(税込) / Getting Better / VICL-63746 / Amazon.co.jpへ
  • [アナログ]2800円(税込) / SEEZ RECORDS / SEZ-3019 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. A NEW DAY IS COMIN'
  2. ANNE
  3. JUST BE COOL
  4. SHOW ME UP
  5. LOVE YOU NEED YOU feat.AI
  6. LOVE YOUR LIFE
  7. WHAT A LONELY NIGHT
  8. THANKS BILL
  9. BITTER BUTTER
  10. WHAT YOU SAY
  11. YEAH
THE BAWDIES「LIVE THE LIFE I LOVE TOUR 2011」開催決定

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THE BAWDIES(ぼうでぃーず)

小学校からの同級生であるROY(Vo, B)、JIM(G)、MARCY(Dr)と、高校からの同級生TAXMAN(G, Vo)によって2004年1月1日に結成。メンバーが敬愛するリトル・リチャード、レイ・チャールズに代表される、リズム&ブルースやロックンロールをルーツとする。唯一無二の圧倒的なボーカルを武器に、ロックンロールの本来持つピュアな魅力やエネルギーをストレートに伝える楽曲やライブが各地で噂を呼ぶ。

2006年3月に1stアルバム「YESTERDAY AND TODAY」、2008年2月に2ndアルバムとアナログ盤「Awaking of Rhythm And Blues」をリリース。2度のオーストラリアツアー、34公演にわたる全国ツアーを成功させ、数々のロックフェスにも出演。さらに自主企画「FREE FOR ALL」を実施するなど、めざましい活躍を見せ、着実に知名度を高めていく。

2009年3月、先行限定7インチアナログ盤&配信シングル「EMOTION POTION」を発表。2009年4月には、NAOKI(LOVE PSYCHEDELICO)初プロデュース曲を含む、メジャー1stアルバム「THIS IS MY STORY」をリリースする。2010年2月には同作で第2回CDショップ大賞を受賞。同年3月発売のシングル「HOT DOG」は、オリコンウィークリーチャートトップ10入りを果たす。4月にメジャー2ndアルバム「THERE'S NO TURNING BACK」を発表し、全国津々浦々をまわるライブツアーを開催。また、夏には計14本にもおよぶ夏フェスに出演。エネルギッシュなステージで新たなファンを獲得した。

2011年3月にはAIをフィーチャリングゲストに迎えたシングル「LOVE YOU NEED YOU feat. AI」をリリース。同年6月には待望のメジャー3rdアルバム「LIVE THE LIFE I LOVE」を発表し、全国37本にわたるライブツアーを行う。ツアーファイナルの11月27日には、バンドにとって初となる日本武道館公演を予定。