ナタリー PowerPush - BACK-ON
音楽に垣根なし!自由にシンプルに「Good Job!!」
2011年、1曲の中身が2部構成という新しい試みのシングル「Connectus and selfish」のリリース、倖田來未のシングル「4 TIMES」に収められた「Poppin' love cocktail feat. TEEDA」に作曲および演奏で参加するなど、新たなトライを続けてきたBACK-ON。ドラマー・ICCHANの脱退という大きな出来事を経て制作されたニューアルバム「Good Job!!」は、ヘヴィロック、エレクトロ、ヒップホップ、ポップスといったメンバー自身の幅広い音楽性がダイレクトに表現された作品となった。バンドのターニングポイントとなる本作について、メンバー4人に語ってもらった。
取材・文 / 森朋之
どんな音楽が好きな人でも反応できる部分がある
──ニューアルバム「Good Job!!」、とても楽しませてもらいました。ジャンルを完全に超越していて、ものすごく自由だなと。
KENJI03(Vo, MC, G) 今回は「遊び」がコンセプトなんです。前回の「Hello World」がロックに特化した作品だったので、今回は良い意味で遊んじゃおう、と。元々4人ともいろんなジャンルが好きだし、単純にやりたいことをやろうという気持ちで制作に入りましたね。バンドだからって、絶対にギター入れなくちゃいけないってこともないと思うんですよ。いろんなことを全部取っ払って、とにかく楽しんでもらえるアルバムにしたいなって。ストライクゾーンも広めにしてるし。
SHU(G) うん、すごくバラエティ感のあるアルバムになったと思います。あと、メンバーみんなが好きな音楽の影響もところどころに出ていて、どんな音楽が好きな人でも反応できる部分があるし、いろんな発見ができるアルバムじゃないかなって。
GORI(B) 完全に打ち込みの曲があったり、KENJIがラップをやったり、今までやってなかったことに挑戦して、見えないものを見にいこうとする。それが面白いと思うんですよね。
TEEDA(MC) いろんな人のライフスタイルの中に入っていけるアルバムだと思います。仕事に行くときは「Ice cream」で「イエーイ!」ってテンションを上げてほしいし、家に帰るときはまさに「HOME」がぴったりだし、攻撃的に行きたいときは「WE CAN'T STOP」が合うし。
──皆さんも普段からいろんな音楽を聴いてるんですか?
TEEDA そうですね。僕は好きになったものをずっと聴いてるタイプなんですけど、KENJIとSHUはホントに幅広くて。いつもオススメの曲を教えてもらってます(笑)。
KENJI03 勝手に俺のパソコン開いて聴いてることもあるけどね(笑)。でも、ホントに俺はなんでも聴きますからね。
──ヘヴィロック、ダンスミュージックからJ-POPまで……。
KENJI03 そうそう。最近はテレサ・テンがいいなって。おかんの影響なんですけど(笑)、とにかくメロディが素晴らしいんですよね。僕らは普段からCDショップで試聴もよくしてるし、友達のライブも行くし、生活と音楽が密接してるんだと思います。
「なんだかわかんないけど、カッコよくね?」と思ってくれたら
──では今作は、リスナーとして聴いていた音楽を“BACK-ONの楽曲”として表現できるようになってきた、ということ?
KENJI03 うーん……。昔は固定概念が強かったかもね。「バンドだから」っていう。
TEEDA あと、以前はいろんなジャンルをカタチにしていく技術がなかったかも。いっぱいいっぱいだったというか……。でも、もう結成10年だし、少しずつ技術も身についてきたんじゃないかなって。やっと遊べるようになったっていう感じですね。
KENJI03 気を張ってたところもあると思うんですよ。今回は肩の力も抜けてたし、制作環境も良かったんじゃないかな。
──肩の力を抜いて音楽に向き合えるようになった、と。そういう状態になれた理由ってなんだと思いますか?
KENJI03 なんでしょうね? バンドの体制が変わったっていうのもあるし。
TEEDA ドラムが抜けたあと「じゃあどうしていく?」という話をしていて。最初は「ロックバンドなんだから、やっぱりドラムがいないとね」って思ったんだけど、だんだんと「もっと自由に音楽をやってもいいんじゃない?」っていう気持ちになってきて。
──バンドの転機をポジティブに捉えて、さらに発展させた。
KENJI03 うん、そうだと思います。
TEEDA 今やロックの要素だけじゃなくて、ヒップホップもあるし、ダンスミュージックもあるし。
──「Gimme! Gimme! Gimme!」はエレクトロ系ダンスチューンで、「come on & Let's go」はヒップホップのトラック。BACK-ONの曲と知らずに聴けば、ロックバンドの曲だとは思わないですよね。
GORI ハハハハハ!(笑) でも、ホントにそうですよね。
TEEDA 特に「come on~」は台湾のアーティストのkailis、女性シンガーのEmyliをフィーチャーしていて、歌に日本語と英語と中国語が混ざってるんですよ。かなり面白いことになってると思いますね。
KENJI03 「なんだかわかんないけど、カッコよくね?」みたいに思ってくれたらうれしいですね。洋楽を好きになった頃ってそんな感じじゃないですか。ジャンルとか歌詞とかよくわかんないけど、とにかくカッコいい!っていう。
CD収録曲
- Ice cream
- Highway Dancer
- Connectus
- Gimme! Gimme! Gimme!
- come on & Let's go feat. Emyli, kailis from OVER DOSE(Taiwan)
- HOME
- Word play
- WE CAN'T STOP
- フタリダイアリー
- IT'S NOT OVER
- Selfish
- Mr Yesterday
DVD収録内容
- 「Ice cream」ビデオクリップ
- 「Connectus and selfish」ビデオクリップ
BACK-ON(ばっくおん)
TEEDA(MC)、KENJI03(Vo, MC, G)、SHU(G)、GORI(B)からなる4人組バンド。デビュー以来GReeeeNのプロデューサーとしても知られるJINがプロデュースを担当し、オリジナリティあふれるミクスチャーサウンドが支持を集めている。2006年6月、1stシングル「Chain」をリリース。2008年にはGReeeeNとのコラボユニットBAReeeeeeeeeeNとしてシングル「足跡」を発表する。その後も精力的なリリース活動や国内外でのライブ活動を行う中、2011年11月にドラマーICCHANが脱退し、4人体制となる。2012年5月にシングル「Ice cream」、アルバム「Good Job!!」を連続リリース。6月には東名阪ツアーを開催する。