アイドル経験者の加入で7人体制に
──結成から1年を経た今年3月の新メンバー加入は、グループの印象をまた大きく塗り替える出来事だったかと思います。すでにアイドルとしての活動経験がある近藤さんと宇咲さんの加入には驚きました(参照:#ババババンビに元FES☆TIVEの近藤沙瑛子、元monogatariの宇咲が加入)。
近藤沙瑛子 私はFES☆TIVEというグループでアイドル活動を始めさせていただいたんですけど、ガラッと環境を変えて演技とかほかの芸能活動もやってみたくて。もちろんFES☆TIVEもすごく楽しくやってたんですけど、思い立って事務所の方と話して事務所を移籍させていただく形でグループを卒業したんです(参照:FES☆TIVE近藤沙瑛子、事務所移籍に伴い卒業「新しい環境でも一生懸命頑張ります」)。本当はもうアイドルはやらないつもりでの卒業だったんですけど、バンビに入らないかと声をかけてもらって、今やれることはなんでも挑戦しておこうと思って加入を決めました。
宇咲 私は前に所属していたmonogatariが去年の2月に解散して。そのあとはもうアイドルをやるつもりはなかったんですけど、今の事務所からタレントとして所属のお誘いをいただいたんです。所属した後にアイドルをやらないか?と提案されたのですが、やらないと決めてたのもあってすぐに「やります」とはならず。でもミーティングも何回も重ねて、その中でもう一度チャレンジしてみようかなと考え直しました。
近藤 #ババババンビはFES☆TIVEでよく現場が一緒になっていたので、ちょくちょく観ていたんですよ。新しいグループなのにまとまってるし、曲もいいし、お客さんを惹きつけるグループだなと思ってました。入るときにはすでに曲を知ってたので楽でしたね(笑)。
──メンバー個々のキャラクターによってグループ内の役割やポジションがあると思うのですが、活動を続ける中で、また新メンバーが加わったことによって変化した部分はありますか?
水湊 朱音が遠征で夜更かししてくれるようになりました(笑)。遠征のときホテルに入ると、朱音はすぐ耳栓してアイマスクして、夜は口きいてくれなかったんですよ。でも沙瑛ちゃんと朱音がもともと仲がよくて、沙瑛ちゃんがメンバーになってからは夜も話すようになった。
小鳥遊 遠征で浮かれるようになった(笑)。
池田 むしろ一番遅いよね、寝るの。以前からしたら考えられないくらいの変わりよう。
吉沢 ……こんな答えでいいんですか?(笑)
岸 でもいい意味で変わんないよね、あんまり。
水湊 メルダはずっといじられキャラだし……。
池田 新メンバーのどっちかに受け継いでもらおうと思ってたんですけど無理でした(笑)。
小鳥遊 気付いたら2人にもいじられてたもんね(笑)。あと、岸みゆは宇咲ちゃんが入ると最年少じゃなくなるから、お姉さんになると思ってたんですよ。でも……。
水湊 そうそう、一時的にお姉さんになろうとしてたよね?
岸 うん……。
小鳥遊 でも宇咲ちゃんが思いのほかしっかりした子だったからすぐにあきらめた(笑)。
池田 むしろバブちゃんに変わった? さらに赤ちゃんになりました(笑)。
水湊 沙瑛ちゃんと宇咲ちゃんが入ることで、私たちももっと変わるかと思ってたんですけど、2人とも最初からメンバーだったかのようにすぐになじんで。だから本当に変わらないんですよ。最初から7人だった気がするくらい馴染んでるけど、よく考えたら加入してからまだ4、5カ月かってハッとする。
近藤 敬語使っとったの最初の2日間ぐらいだったよね。
宇咲 うん、最初だけ(笑)。
岸 なんなら2人に助けてもらうことのほうが多くて。
水湊 私たちはみんな初心者から始めたから、アイドル経験のある2人から学ぶことがすごく多いです。
──なるほど。ちなみに、皆さんにとっての「アイドル」とはどのようなものですか?
水湊 言葉の通りの憧れや偶像になりたかったんですけど、今はSNSも発達しているから身近な情報も伝えられるようになって……どちらかと言うと、憧れの対象というよりは、身近に感じられる存在に変わってきているのかなと思います。
宇咲 私は一度アイドル活動から離れたことで、改めてアイドルとは何かを考えさせられました。ちょうどコロナで何もできなくなった時期にアイドルを辞めて、家からも出られず、物足りない日々を過ごしていたんです。10月の「TIF」(国内最大級のアイドルイベント「TOKYO IDOL FESTIVAL」。2020年はオンラインフェスとして開催された)も家で観たんですけど、配信で観ていてもすごく元気付けられたし、ライブができないぶんYouTubeをがんばったりしているアイドルの姿を見て、すごく頼もいなって。アイドルがこんなに元気と笑顔をくれる存在なんだというのは、活動していた頃はそんな実感なかったですけど、一度離れたからこそ気付いた部分ですね。
1年越しのリベンジワンマンはすでに反省材料
──幻となったデビューライブからちょうど1年、今年の3月27日に、リベンジ戦と言えるワンマンライブが開催されました(参照:#ババババンビ、1年越しのデビューライブで第2章の始まり)。すごくいいライブでしたが、皆さんの手応えとしてはどうだったんですか?
小鳥遊 改めて映像で観ると……下手くそすぎて……。
宇咲 この間、YouTubeにワンマンライブの映像がダイジェストで上がったので観てみたんですよ。あれからそんなに経ってないけど、今はだいぶ成長したんだなって思いました(笑)。
水湊 7人になって2週間ぐらいで3回目のライブだったし、立ち位置もまだ自然にできるほど覚えられていなくて。
近藤 ミスったところが容赦なく抜かれてた(笑)。
池田 すでに反省材料になってます(笑)。
小鳥遊 今は1カ月に10本から15本のペースでライブをやっているので、1カ月1カ月が濃すぎて、すごく昔に感じます。
水湊 ほんの数カ月しか経ってないとは思えんよね。
宇咲 ダンスや歌が上達したのはもちろんだけど、それよりもメンバーの絆が短い期間ですごく深まりました。
振り回され9割、意見1割
──そしていよいよ満を持してのアルバムリリースとなりますが、アルバムを出すということに特別な思い入れはありますか?
水湊 ありますあります。やっと出せる。
吉沢 私たち、そもそも今までCDを1枚しか出したことがないんですよ。
──去年の8月にリリースされたシングル「はじまりのはじまり」のみですね。
小鳥遊 しかも手売りとオフィシャルのECサイトで限定枚数のみの販売だったので、ちゃんとCDを出すこと自体、今回が初めてなんです。これまで発表した楽曲はサブスクでも配信されているけど、ほとんど5人体制の音源なので、7人バージョンとしてCDで発表できるのはうれしいです。
──吉沢さんはアルバムの全曲に作詞で携わっていますよね。そもそもどうして吉沢さんが作詞を担当することになったんですか?
小鳥遊 最初に曲をもらったときは、もっとティーンっぽい恋愛の歌詞だったんですね。でも私たちは20歳を超えたメンバーがほとんどで、ちょっとリアリティがないかもね……って話していたら、朱音が急に「私、歌詞書いてみたよー」って。
水湊 同じ恋愛ソングでも、ちょっとふざけてるくらいが私たちらしいかもねって思っていたんです。それで朱音が書いた歌詞をプロデューサーの長谷川さんに見せてみたら「いいじゃん!」って。
──与えられたものを歌うだけじゃなく、自分たちにフィットするものを自覚したうえで、その意見がしっかり反映されるって、すごくいいチームですね。吉沢さんはもともと作詞をやってたんですか?
吉沢 いえ、文章を書くのは好きだったんですけど、歌詞を書いたことはなかったです。
水湊 朱音が書く歌詞は夢に向かう前向きな歌詞が多くて、私たちとしてはかわいい恋愛ソングよりもそっちのほうがしっくりくるんですよ。
──楽曲のテイストにも皆さんの意見は反映されているんですか?
水湊 はい。たくさん用意していただいたデモの中から自分たちがいいと思う曲を意見として出させてもらっています。
──ジャケットに顔写真が使われないことなど、そうやって大人に振り回されながら成長しているグループなのかなと思っていたので、そこまで自主性の強いグループだったというのは少し意外です。
水湊 でも基本、振り回され9割、意見1割ですよ(笑)。
小鳥遊 意見はめっちゃ言うけど、それが通るとは限らない(笑)。
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