生方美久
もっとも好きな1曲
スカーレット
この曲を選んだ理由
毎年10月がよく澄んでいるのは、この曲のおかげです。
ART-SCHOOL25周年に寄せて
25周年、おめでとうございます。
生まれてはじめてライブハウスに行ったのは、2009年16歳のとき。「14SOULS」ツアーの高崎公演でした。対バンがThe Novembersとplentyという、いま思うとまるで自分の思春期をラッピングしたような一夜でした。実は、物販でTシャツを買った際に木下さんに握手してもらっています。お久しぶりです。あのときの女子高生です。
流行りの元気な応援歌にヘドを吐き、甘ったるいだけのラブソングに牙を剥く若者だったわたしにとって、アートはシェルターでした。感謝しかありません。大人になったらこういう音楽とは卒業するものだと思っていましたが、無理でした。
16歳で出会ってから、さらに16年。人生のちょうど半分をアートと共に生きてきました。この先も生き続ければ、人生の半分以上がART-SCHOOLの音楽に染まると思うと、死にたい夜もなんとかなりそうです。
これからも末永くよろしくお願いします。敬愛しています。
プロフィール
生方美久(ウブカタミク)
1993年、群馬県生まれの脚本家。大学卒業後、助産師として勤務する傍ら、2018年から独学で脚本執筆を開始。2021年、「第33回フジテレビヤングシナリオ大賞」で大賞、「第47回城戸賞」で準入賞を受賞。2022年にフジテレビ系連続ドラマ「silent」で脚本家デビューを果たす。川口春奈と目黒蓮(Snow Man)が出演する本作は大きな話題を呼び、「東京ドラマアウォード」で最多となる6冠を獲得した。執筆作に「いちばんすきな花」「海のはじまり」「アット・ザ・ベンチ」など。
金原ひとみ
もっとも好きな1曲
SWAN DIVE
この曲を選んだ理由
初めて聴いたART-SCHOOLの曲が「SWAN DIVE」でした。「Flora」のリリースから十年くらい経っていましたが、ちょうどフランスに住んで心が荒んでいた時、日本の友人が教えてくれ、ずっと支えになっていた一曲です。いつも外に出るときこの曲から聴いていたので、今も聴くとイヤホンの感触、乾いた空気、家の前の通り、角にあるカフェ、パン屋の立ち並ぶ光景が蘇ります。
自分が信じられない時、自分は何かがおかしいと感じる時、自分はぶっ壊れたアイロンだからなあと思ってずっとやり過ごしてきました。
ART-SCHOOL25周年に寄せて
25周年おめでとうございます。皆に愛されている証のようなCDが発売されることを、楽しみにしています。アーティストは長く続くことや、愛されることが全てではないと知っていても、周年やトリビュートには無条件に心が躍ります。好きなバンドが好きなバンドにカバーされるとき私たちの胸に咲くのは、叡智を授かった人類に与えられた罪深き至上の喜びだと思います。これからもひっそりと救われ続けます。ライブにも行かせていただきます。
プロフィール
金原ひとみ(カネハラヒトミ)
1983年、東京都出身。2003年「蛇にピアス」で「すばる文学賞」を受賞。2004年に同作で「芥川賞」を受賞した。2010年に「TRIP TRAP-トリップ・トラップ」が「織田作之助賞」に輝き、2012年には「マザーズ」が「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」を受賞。2020年には「アタラクシア」で「渡辺淳一文学賞」を受賞する。2021年には「アンソーシャル ディスタンス」が「谷崎潤一郎賞」に、2022年には「ミーツ・ザ・ワールド」が「柴田錬三郎賞」を受賞した。著書に「パリの砂漠、東京の蜃気楼」「YABUNONAKA」などがある。最新刊「マザーアウトロウ」が7月25日に刊行された。
清水正太郎(kurayamisaka / せだい)
もっとも好きな1曲
水の中のナイフ
この曲を選んだ理由
kurayamisakaを始める10年以上前のこと、スタジオ練習の隙間時間に先輩がギターを爪弾いていた。そのストロークがあまりにも耳に残るが、俺はその時ART-SCHOOLを知らなかった。後日、友達にCDを借りた。「LOVE/HATE」の1曲目、答え合わせはすぐだった。知らなかった曲が特別になる瞬間をここまで鮮明に覚えているのは、後にも先にも「水の中のナイフ」だけかもしれない。あの日スタジオでギターを弾いていた先輩、CDを貸してくれた友達とは今でもせだいというバンドを組んでいる。
ART-SCHOOL25周年に寄せて
ART-SCHOOL結成25周年おめでとうございます。リスナーだけでなく様々な年代のバンドマンにとって、もはや共通言語になっているロックバンドであること、そのバンドが様々な道程を経ながら四半世紀も音楽活動を続けていてくれているという、その全てがバンド活動に身を投じる私たちにとっての希望になっていると、勝手ながら感じています。そんな敬愛するART-SCHOOLが、これからも健やかに音楽を鳴らしている未来を想像しています。
プロフィール
kurayamisaka(クラヤミザカ)
東京・大井町出身の5人組バンド。別名、旧仙台坂。名前の由来については「鞍止み」「暗闇」など諸説あり。2024年「FUJI ROCK FESTIVAL'24」のROOKIE A GO-GOに出場し来場者投票の結果、2025年の「フジロック」のメインステージ出場権を勝ち取る。イギリスの音楽総合メディア「NME」が選ぶ「2025年注目すべき世界中の新鋭アーティスト100組」に選出されるなど、日本のみならず海外でも注目されている。2025年9月に1stフルアルバム「kurayamisaka yori ai wo komete」をリリース。9月から11月にかけてワンマンツアー「one-man tour 2025 kurayamisaka tte, doko? #6『くらやみざかより愛を込めてツアー』」を開催する。
kurayamisaka (@kurayami_saka) | X
小出祐介(Base Ball Bear)
もっとも好きな1曲
EVIL
この曲を選んだ理由
「クリーンの平歌→サビでディストーション」という王道展開、リズムとリフが束感、ダークなサビの進行、どこをとっても似合うことが難しい曲。
こんな曲に常に憧れているけど、どうも自分らだと何かを真似している感じになってしまうし、似合う日本のバンドもなかなかいない。
これを着こなせるアートは稀有なバンドだと思う。
ART-SCHOOL25周年に寄せて
結成25周年おめでとうございます!
活動していたライブハウスも、バンドを発掘した人も同じ、のちにレーベルも事務所も同じになり、まさに直系の先輩であるアートが、いまもロックしてくれていることが希望です。
初めてライブを観た17歳のときに「激しくて美しくて刹那~」と感じた、その質感が保存されたまま骨太肉厚なバンドになっていて、実に羨ましい熟し方をされています!
これからも背中を追いかけていきますので、また対バンしてください!
プロフィール
Base Ball Bear(ベースボールベアー)
小出祐介(Vo, G)、関根史織(B, Cho)、堀之内大介(Dr, Cho)からなるロックバンド。2001年に同じ高校に通っていたメンバーによって、学園祭に出演するために結成された。2006年4月にミニアルバム「GIRL FRIEND」でメジャーデビュー。2018年秋にビクターエンタテインメント内に自主レーベルDGP RECORDSを設立した。2024年にダウ90000の演劇公演「旅館じゃないんだからさ」に書き下ろした新曲「夏の細部」を2025年8月に配信リリース。
斉藤壮馬
もっとも好きな1曲
しとやかな獣
この曲を選んだ理由
初めて買ったART-SCHOOLさんのアルバムが「LOVE/HATE」で、中でも一番好きな曲は「SKIRT」だと方々で言ってきました。
ここではないどこかへ行きたい、自分ではない誰かになりたいと焦がれていた10代のころ、「ひとりじゃないよ」ではなく「ひとりでもいいよ」と言ってくれた気がして、掛け値なしに救われました。
けれど、30代も半ばをむかえ、生きることや死ぬことについて、かつてとは違い、より身近に、よりフィジカルに感じるようになりました。
そんな中「LOVE/HATE」を聴き返して、「しとやかな獣」に辿り着いたとき、涙がこぼれました。
なんて苦しくて優しい曲なんだろう。あのころとは違う形で寄り添ってもらえた気がしました。
だから今回はこちらの楽曲を選びました。きっとこの先、またどんどん変わっていくのだと思います。
ART-SCHOOL25周年に寄せて
初めて出会った中学生のころからずっと、人生の大事なときにはいつもART-SCHOOLの音楽がありました。
新譜も最高に素敵でした。これからも皆さまの鳴らす唯一無二の音をずっと追いつづけていきます。
改めまして、この度は25周年、本当におめでとうございます!
プロフィール
斉藤壮馬(サイトウソウマ)
声優として活動しながら2017年6月にアーティストデビュー。ほぼ全曲の作詞・作曲を手がけ、これまでに3枚のフルアルバム、3枚のEP、3枚のシングルをリリースしている。2023年5月にはデビュー5周年イヤーの締めくくりとして千葉・幕張メッセ国際展示場1~3ホールで2日間ライブを開催した。2025年12月に台湾・台北のZepp New Taipeiと神奈川・横浜BUNTAIにてワンマンライブ「斉藤壮馬 Live 2025」を行う。
ART-SCHOOL 公演情報
ART-SCHOOL 25th ANNIVERSARY TOUR 2025「1985」
- 2025年7月5日(土)宮城県 enn 2nd
- 2025年7月6日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2025年7月12日(土)岡山県 YEBISU YA PRO
- 2025年7月13日(日)京都府 磔磔
- 2025年9月7日(日)東京都 LIQUIDROOM
- 2025年9月20日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2025年9月21日(日)大阪府 梅田CLUB QUATTRO
- 2025年9月23日(火・祝)福岡県 INSA
- 2025年10月4日(土)北海道 SPiCE
ART-SCHOOL TRIBUTE LIVE 「Dreams Never End vol.1」
- 2025年10月12日(日)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
<出演者>
ART-SCHOOL / MONOEYES / PEDRO
プロフィール
ART-SCHOOL(アートスクール)
2001年に木下理樹(Vo, G)を中心に結成されたギターロックバンド。少年性のある木下のはかない歌声と、唯一無二の退廃的で美しい世界観がリスナーから支持されている。幾度かのメンバーチェンジを繰り返し、現在は木下、戸高賢史(G)、そしてサポートメンバーの中尾憲太郎(B)と藤田勇(Dr / MO'SOME TONEBENDER)、yagihiromi(G / Cruyff)という5人体制で活動中。2001年9月にインディーズレーベルからリリースした1stアルバム「SONIC DEAD KIDS」が好評を博し、2002年10月にシングル「DIVA」でメジャーデビューした。2019年春から木下の療養のため活動を休止。2022年7月にEP「Just Kids .ep」をリリースし、活動再開した。2025年5月にミニアルバム「1985」をリリース。7月から結成25周年ツアー「ART-SCHOOL 25th ANNIVERSARY TOUR 2025 『1985』」を行っている。8月にトリビュートアルバム「Dreams Never End」がリリースされた。
ART-SCHOOL 25th Anniversary Website
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