音楽ナタリー Power Push - アルスマグナ
初主演映画公開!スクリーンで見せた5人+1匹の絆
なんでこんなに面白いんだろう?
──この作品は共演も豪華で、アルスマグナにとってなじみ深いキンタロー。さんや流れ星の2人などが出演されています。ゲスト陣との共演はいかがでした?
アキラ たつきっくと朴は、流れ星のちゅうえいさんに一発ギャグを伝授してもらってたよね。
ウィト はい。コミュニケーションを図らせてもらいました(笑)。
ケント そういうことって、この間のツアー(「炎夏祭~SAMBA CARNAVAL~」)の役に立ったりした?
ウィト はい、立ちました! ちゅうえいさんからは「一発ギャグは勢いだ」っていう名言をいただきましたし(笑)。あと、ちゅうえいさんって、普通に話しているだけなのに面白いんですよ。「なんでこんなに面白いんだろう?」って考えるだけでも、すごく勉強になりました。
アキラ ただ、皆さん基本的に1日のみの参加だったので、ごはんすらご一緒できなかったのが残念ですね。
──本作には、アルスのライバルとして謎の転校生3人組・美少年隊が登場します。彼らを演じた染谷俊之さん、輝山立さん、蒼山真人さんについてはいかがですか?
タツキ 皆さん短いシーンでも作り込んでいたし、僕たちが持っていないものをたくさん持っていたのですごく勉強になりました。1つひとつの動作に無駄がないというか。すごくいいライバルを演じてくださいました。
もともとあった深い絆を見せただけ
──次に、メンバーの皆さんが思う作品の観どころを教えてください。
ウィト 僕はタツキ先輩とコンちゃん(コンスタンティン)のシーンです。5人がバラバラになってしまったことをタツキ先輩が悩むんですけど、コンちゃんが背中を押して先輩が覚悟を決める。コンちゃんが投げかける言葉に僕もドキッとしてしまったので、観てくれるメイトさんの中にも、自分へのメッセージとして受け取ってくれる人がいるんじゃないかなって。
ケント 私は学園祭のシーンかな。映画の主題歌になっている「EverYell」を、このシーンで本当に初披露したので、リアルな感じが出ているんじゃないかなと思います。
奏 実際の練習期間も、劇中と同じくらいでしたもんね。
ケント そう。実際の状況と映画のストーリーがリンクしていたんです。すごく緊張感を持って臨んでいる雰囲気が、リアルに伝わると思います。
タツキ 僕は先生がみんなに問いかけるシーンが好きです。そのときのアキラくんの演技は、胸に迫るものがありました。すごく貴重なシーンかなって思います。
アキラ 俺はそうだな……。メイトちゃんが知っているのって、僕らのライブの中での言葉遣いじゃないですか。でも、映画ではもっと日常的な会話が飛び交っているんです。なので「あ、普段はこういう言葉を使うんだ」「この人とこの人はこんな関係性なんだ」って、新しい発見があると思う。普段の俺たちのいろんなコミュニケーションの取り方を見られるっていうのは、やっぱり見どころなのかなと思います。メイトちゃんは先生がおちゃらけたキャラだっていうことは知っているけど、実際学校にいるときはどんな様子なんだろう?とか、気になっているところだと思うんで。とにかくいろんな角度からアルスのことを見られるんですよ。いつもふざけているパクが、絶対ライブでは言わないような本音をもらしたりだとかね。そういう細かな部分まで表現しているところを、是非観てもらいたいですね。
奏 俺は自分と(音楽教諭の)華京院(響)先生とのシーンですね。初めて2人だけでいるところをほかの人に見せるので、僕らの距離感や関係性がわかるんじゃないかな、と思います。僕らのことを知っている人も、まだ見たことのないアルスマグナが見られると思うし、知らない人は僕らのことがよくわかると思う。本当にいろんな要素が盛りだくさんに詰まっている映画です。
──では、撮影していて面白かったシーンはありますか?
ウィト 奏先輩と華京院先生がピアノを弾きながら火花を散らしているところに、アルスの4人がおちゃらけながら乱入するっていうシーンがあるんですけど、あれは面白かったですね! カットがいつかかるのかわからなくて、終着点がよく見えないままノリノリになってました。監督に「自由にして」って言われたから、もうガンガン踊っちゃって。
ケント 「自分が一番目立ってやる!」みたいなね。
ウィト 4人がそれぞれのゴールに向かっている感じが、すごい面白かったです(笑)。
奏 傍から見ても面白そうでしたよ。
ケント タツキは困ってなかった?
タツキ 困ってました(笑)。だってみんなやりたい放題なんだもん。
アキラ ダンサーからしたら、「何をやってもいい」っていう指示が一番難しいんですよ。それに普段のダンスは音を聞き込むけど、このシーンはサラッとした打ち合わせしかなかったから、じゃあこっちもあやふやなまま行ってやろう、と。そうしたらOKが出たので、「ああ、監督はこういうのを求めてたんだな」って思いました(笑)。
奏 シーンの終わり方を観てもらうとわかると思うんですけど、みんながみんな、お互いを探りながらフェードアウトしていくんですよ(笑)。そこも好きなんですよねえ。
──それは間違いなく見どころですね。
アキラ そうかもしれないです(笑)。
──話を聞いていると濃密な4日間の撮影だったんだなということがわかりますが、この作品を撮り終えて、何か変わったことなどはありましたか?
アキラ 大きな変化はないと思うんです。なんと言うか、「この映画で絆が深まりました」っていうよりも、元々あった深い絆を見せただけ、という感覚かもしれないですね。
僕らが背中を押すよ
──では、次はクライマックスで披露される新曲「EverYell」について聞かせてください。
アキラ 自分たち5人と1匹がそれぞれに悩んで立ち止まったとき、周りを見渡すと仲間がいて、1人じゃないと気付けた。この曲には、そんなメッセージが詰まってます。誰しも1人で悩んだり、壁にぶち当たったりすることはあると思うんです。そういうときに「俺らもそうだったよ」って言えるような曲。アルスマグナは昔から「立ち直るには自分で前を向く力が必要だけど、僕らが背中を押すよ」っていう思いを大事にしているんですけど、この曲で改めてその思いを伝えています。そして、自分が元気になったとき、周りを見渡したらそれまでの自分と同じような子がいるかもしれないから、今度は自分がその子の背中を押してあげようってことも伝えたい。いい連鎖を生んでいきたいから、曲のタイトルには「ずっと」という意味の「Ever」って言葉を入れました。
──そうなんですね。では、ダンスでポイントになっているのはどんなところですか?
ケント ダンスパフォ―マンスでは“仲間感”を強く意識しました。1人ずつ見どころとなるパートがあるんですけど、メインで踊るメンバー以外の4人も「ここは任せたぞ」っていう思いを表現していたり。「自分に任せてくれた、信頼してくれるみんながいるから前へ進んでいける」という思いが目で見て伝わるような振りにしました。
アキラ うん。
ケント これまでの曲よりもメッセージ性が強いと思います。ライブの中でも大事にしていきたいなあと思う曲ですね。
ウィト 先生が振りに込めた“仲間感”を、僕らはどう表現するかについてはすごく考えました。どうしたら、お互いが助けあって支えあっている情景がしっかり伝わるかな?って。ライブ中も常にそういったことを意識しながら踊っていますね。
タツキ 振りを頂いたときに感じたのは、これまでの曲よりも、みんなとアイコンタクトがいっぱい取れる曲だなって。だから踊っていて楽しいし、僕らの気持ちも届きやすいと思うんです。一致団結してる感じがあって、すごくアルスらしさが出るダンスだと思います。
奏 この曲を踊っていると「アルスマグナっていいチームだな」ってすごく思うんです。今までの曲は5人で踊るパートが多いんですけど、この曲はソロが多い。でも、そういうときに、ソロを踊っていないメンバーが本当に支えてくれている感じがあるんですよ。「僕らが支えているから、前に出てちゃんと表現してこい」って。そういう空気感を感じられる。一方で、サビのパートはみんなが一直線上に立って踊るんです。「誰かを支えたい、応援したい」っていう気持ちで僕らが1つになれているところが、1人でも多くの方に伝わって、「辛いときでも1人じゃない、アルスがいるよ」っていうことを感じてもらえたらなって思いますね。
──すでに何度かライブで披露されていますが、アルスメイトの皆さんの前で踊ってみての手応えはいかがでしょう。
アキラ 僕らのライブって、いつもはみんなが騒いで僕らも騒ぐっていう一体感があるけど、この曲だけはステージと客席の距離がガッと離れる感覚があるんですよ。それは、メイトちゃんたちにこちらのメッセージを一方的に伝えていくからなんですよね。それをどう受け止めるかは相手次第だから……大事な曲だし、難しい曲でもありますね。でも、僕らが伝えたい思いは伝わっていると思う。僕らからひたすらに投げかける曲だから「イエーイ!」って盛り上がることを求めているわけではないし、この曲を聴いて、観て、その瞬間に感じてくれた何かが家に帰ったときに心に沁みてくれてたらいいなって思いますね。これからもっともっと育っていく曲だなって思います。
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出演者
アルスマグナ / 染谷俊之 / 輝山立 / 蒼山真人 / 青木珠菜 / 大熊杏実 / キンタロー。 / ちゅうえい(流れ星) / 瀧上伸一郎(流れ星) / 太田基裕 / and more
スタッフ
- 監督:宮岡太郎
- 脚本:中川千英子
- プロデューサー:池田安寿(UNIVERSAL J) / 藤村芳美(プランチャイム) / 中西研二(MMJ) / 村田泰介(MMJ)
- 制作:メディアミックス・ジャパン(MMJ)
- 企画・配給:ユニバーサルコネクト
- 企画・製作:UNIVERSAL J
- ニューシングル「EverYell」2016年9月21日発売 / UNIVERSAL J
- 初回限定盤A [CD+DVD] 1800円 / UPCH-7177
- 初回限定盤B [CD+DVD] 1800円 / UPCH-7178
- 映画盤 [CD] 1200円 / UPCH-5885
初回限定盤A・B CD収録曲
- EverYell
- BE-BOP SUMMER BABY
初回限定盤A DVD収録内容
- EverYell Music Video
初回限定盤B DVD収録内容
- EverYell モーションキャプチャーCGムービー
映画盤CD収録曲
- EverYell
- BE-BOP SUMMER BABY
- SUTEKI☆MUTEKI(美少年隊)
- EverYell -オリジナル・カラオケ-
- BE-BOP SUMMER BABY -オリジナル・カラオケ-
UNIVERSAL MUSIC STORE 限定盤
- メンバーソロ盤CD6種セット+プレミアムイベント券付き
- メンバーソロ盤(全6種)
アルスマグナ
2011年結成の“2.5次元コスプレダンスユニット”。全寮制の共学高校「私立九瓏ノ主(クロノス)学園」を舞台に、オリジナルの学園ストーリーを展開しながら活動する。メンバーは九瓏ノ主学園生徒の神生アキラ(カノウアキラ)、泉奏(イズミソウ)、朴ウィト(パクウィト)、榊原タツキ(サカキバラタツキ)と科学教諭の九瓏ケント(クロウケント)、うさぎのぬいぐるみのコンスタンティンで構成。素早い動きの振り付けを高いシンクロ率で踊るダンスが持ち味で、ニコニコ動画の「踊ってみた」カテゴリに投稿された彼らの動画は大きな話題を集めている。2015年2月にメジャーデビューシングル「ミロク乃ハナ」と、既発の10曲を集めたアルバム「アルスマグナ In The Box」をリリース。11月に1stオリジナルアルバム「ARSWORLD」を発表する。2016年1月には東京・日本武道館で初のワンマンライブを実施し、7000人を動員した。また7月には九瓏幸子(小林幸子)とのコラボシングル「サンバDEわっしょい! feat. 九瓏幸子」を発売。9月に彼らが初主演した映画「ザ・ムービー アルスマグナ危機一髪!」が公開され、同作の主題歌を表題曲としたシングル「EverYell」がリリースされる。