4. サクラトーン
この曲はピュアに、「音楽の道でもう一度がんばっていくんだ」という気持ちで書きました。発表したあとに想像以上のバッシングはありましたけど、その前から、音楽活動を始めたらいろんな声はあるだろうなという心の準備はしていて。それでも音楽の道に行くんだという強い気持ちを歌詞に込めてました。あと、「サクラトーン」は「feel a heartbeat」の第2弾のような感覚もありました。「feel a heartbeat」は初めてのソロライブの横浜アリーナ(「ココロノセンリツ ~feel a heartbeat~ Vol.0」)で1曲目に歌う曲として作った曲だったんですね。同じように「サクラトーン」は、「サクライブ」(再始動のステージとなった2019年3月の「有安杏果 サクライブ 2019 ~Another story~」。参照:おかえり有安杏果、歌に思い込めた「サクライブ」で再始動飾る)のリード曲として書いたんです。
──ミドルバラードのしっとりした曲調ですね。
「feel a heartbeat」第2弾のつもりだったので、最初はもっとテンポが速かったんです。だけど山口さんと一緒にアレンジを進めた結果、最終的にこのテンポにたどり着きました。春のイメージもあるし、Aメロのコード進行が少しだけ和っぽいので、「もうちょっとテンポを落としてみようか」ということになって。あと、このときのライブのサブタイトルが「Another story」だったんですね。「Another story」の歌詞に「地図」というワードが出てきますけど、「地図持たずに 五線譜の上」という歌詞は、そのワードを反映しました。
──歌詞には「24度目の春 来ました」という言葉もあります。まさに2019年の春の記録、ドキュメント的な表現ですね。
ちょうど24歳になるタイミングの時に作った曲なので、そういう表現になりました。
──この曲は和の要素もあるし、メロディもどことなくフォークっぽいですよね。フォークの影響はありますか?
確かに、これまでいろいろ聴いたり、カバーで歌ったりしてきたので、知らないうちに自然とそういう要素が入っているのかもしれません。
5. 虹む涙
「サクラトーン」と同じタイミングでできました。もともと「サクライブ」に向けて作っていたのは「サクラトーン」だけで、2曲作ろうとは思ってなくて。でも、「虹む涙」が突然できたんです。ももクロを辞めてからもう1回ダンスをやりたいと思って、街のダンススタジオに通っていたことがあって。ダンスレッスンのため新宿に向かってたら、この曲が降ってきたんですよ。メロディと歌詞が一緒に生まれることって私は本当にないんですけど、この曲だけは同時に出てきた。なので、人目のない裏道に入って慌ててボイスメモに録音しました(笑)。歩いていたら続きが浮かんだので、またそれを録音して。歩いているうちに全部できて、ダンスレッスンが終わったあとで急いで家に帰ってピアノでコードを付けました。
──歌詞には決意表明のような思いが書かれていますね。
「サクライブ」に向けての思いが自然と生まれてきたんです。メロディと歌詞が同時に生まれることって普段はないので、「音楽の神様からのプレゼントだ」って本当に思うぐらいです。Aメロだけ「もう1ブロックあったほうがいいよ」と山口さんにアドバイスをもらって歌詞を付け足しましけど、それ以外は本当に道端で生まれたそのまま。すごく不思議な曲です。構成もすごく不思議で、サビもBメロもない。譜面を書くとき、いつも「これ、何なんだろうな」って(笑)。エンジニアさんには「洋楽っぽいね」って言われたりします。
6. Do you know
2019年のZeppツアーに向けて作った曲です。ダンスをやっていた子供時代、BoAさんに憧れていた自分を思い出して、そういう曲も作ってみたいなと思って作りました。ただ、レコーディングがすごく大変で……ツアーに向けて、この曲のほかに「Runaway」「ナツオモイ」「LAST SCENE」と全部で4曲作っていたので、アレンジをする時間がなくて。とりあえずライブ用の仮アレンジで作ったんですけど、封入特典のCDに入ってるのはそのときのアレンジですね。そのあと時を経て自分の中でいろんな解釈と世界が広がっていったので、今回のアルバムに向けてアレンジをやり直して、同じメンバーで再録しました。
──ラテンのノリで、パーカッションが印象的なアッパーな曲になっていますよね。
最初は全然ラテンじゃなかったんですよ。アレンジは山口さんがやってくださったんですが、ピアノソロも宮崎さんがラテンと解釈して弾いてくれたんだなと思いました。
──歌詞はどう考えたのでしょうか。
自分の中で「Do you know」は恋の始まり、次の「LAST SCENE」が恋の終わりみたいなイメージで、歌詞も2曲同時進行で書きました。新たな試みでしたけど、ダンスをするイメージとサウンドに助けられながら作りました。
7. LAST SCENE
この曲は最初からジャジーにしたかったんです。前作(2017年10月、ももいろクローバーZ在籍時にリリースされたソロアルバム「ココロノオト」)で言う「遠吠え」みたいな感じで、ライブ映えしたらいいなと思いながら作りました。アレンジは前作の「Catch up」でもアレンジをしてくださったOSTER projectさんにお願いして。私の音楽知識がまだまだ足りなくて、自分が思うジャズのイメージをうまく伝えられなくて苦労しましたけど、OSTER projectさんからはドンピシャなものが返ってきて「これだ!」みたいな。自分の中に「ここはウォーキングベースにしたい」「ここはブレイクで」みたいなイメージがあったので、OSTER projectさんに追加でいっぱいリクエストさせていただいて。結果、自分の思い描いていた120%の「LAST SCENE」ができました。
──演奏、アンサンブルで聴かせるタイプの曲ですよね。
バンドメンバーがリハーサルで一番時間をかける曲です。人力でやるのはキツいって。
──「恋の終わり」のイメージがあったということですが、歌詞についてはどんな情景を思い浮かべていましたか?
自分と切り離した別人のつもりで歌詞を書きました。大人っぽい感じにしたくて。最初、曲のタイトルをカクテルの名前にしようかなと思ってたくらい、そういう雰囲気が似合う歌詞と曲にしたかったし、そういうシーンをがんばって描きました。
──口紅やグラスも出てきますし、歌謡曲のような情景描写の歌詞ですね。
前から感情を描きすぎる癖があって、「もっと情景を描いたほうがいいよ」と言われたことがあるので、そこは意識したかもしれないです。あと、坂元裕二さん脚本のあるドラマのイメージがありました。ちょっと怖いサスペンスドラマで。この曲だけじゃなく、勝手にタイアップを想像して作るようなこともあります。そうすると、ワクワクするし、書きやすいんです。





