Appare!がニューアルバム「Appare!Parade」をリリースした。
昨年、新メンバー橋本あみを含む新体制に移行し、天晴れ!原宿から現在のグループ名に改名したAppare!。再出発後初のアルバムとなる「Appare!Parade」は、改名前以上に幅広い方向性の楽曲を収録したバラエティ豊かな作品になっている。音楽ナタリーではメンバー7人にインタビューし、昨年12月24日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で開催された新体制初ツアーのファイナル公演の感想、アルバム収録曲の紹介や3月から4月にかけて行われる東名阪ツアーへの思いを語ってもらった。
取材・文 / 土屋恵介 撮影 / 藤木裕之
年末のZeppワンマンの手応えは
──まず、昨年12月24日に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で行われたライブツアー「Appare! Parade」ファイナル公演について聞かせてください(参照:Appare!の最高は終わらない!新体制初ツアー、ZeppDCでフィナーレ)。
朝比奈れい クリスマスイブということで、クリスマスらしいキラキラした雰囲気もありつつ、お客さんを入れてのひさびさの大きなライブだったので、すごく気合いが入った状態で臨みました。
藍井すず Appare!に改名して初めてのツアーで、1公演ごとに吸収できるものがすごく多かったです。Zepp公演はそのファイナルだったので、Appare!になってからの活動の成果を見せられたと思います。ライブ中の煽りや曲順についてメンバーで話し合うことも多かったんですよ。自分たちで考えて自分たちで作ったツアーファイナルだったと思います。
工藤のか 今までクリスマスライブではクリスマス衣装を着てパフォーマンスしてきたんですけど、今回は普段の衣装でステージに立って。でも、これまで歌ってこなかったクリスマスソングを初めて歌って、そのことがすごく印象に残っています。
藤宮めい もともとZepp DiverCity(TOKYO)公演は、去年の4月に新体制のお披露目ライブとして開催する予定で、ファンの方を8カ月もお待たせする形になってしまったんです。でもコロナ禍の中、お客さんを入れてZeppのステージに立てたのがすごくうれしくて。制限があってできないことも多かったですけど、自分たちでもアイデアを出して、やれることは全部やれたかなと思います。ただ、やっぱりお客さんの声が聞こえないのは寂しかったですね。
永堀ゆめ 私は前回のインタビューのとき、ライブの意気込みとして「堂々とステージに立つ」と言ったんですよ(参照:Appare! インタビュー)。
七瀬れあ どうでしたか、結果は?
永堀 達成できたと思います!
一同 おー!(拍手)
永堀 ライブ中のコーナーで、私、ファンのみんなを仕切っちゃったんです。
藍井 それじゃ伝わりづらいよ(笑)。ツアーの中で私たちがやったことをファンの人が真似するというコーナーがあって、各公演違うメンバーが担当したんです。ツアーファイナルでは「出ました! 永堀ゆめ!」という感じで堂々とやっていて(笑)。
永堀 ペンライトを掲げたり手を上げたり、みんながゆめの言うことを聞いて、気持ちよかったです(笑)。いい景色が見れました。
七瀬 年末のライブということで、1年間やってきたことがいろいろと表れるじゃないですか。去年はライブが少なかったんですけど、その代わりに生配信やSNSをがんばってきて。発信を続けることでファンの方の気持ちをつなぎとめることができたんだなと、その日に実感することができました。ずっと応援してくれている人の顔と新しく来てくれた人の顔、ステージからどちらも見えてうれしかったです。
橋本あみ 私は去年グループに加入したので、Zepp公演が初めての大きなライブで。普段そんなに緊張しないタイプなんですけど、あの日はかなり緊張して、ライブが終わったあとも力不足をひしひしと感じてしまいました。「あそこもここもできなかったな」って。でも、やり切ったという思いもあります。
──1年間の集大成のライブを終えて、Appare!にもっとこういうところをプラスしたい、と思うものも見つかったんじゃないですか?
朝比奈 それはいろいろあったよね。
藍井 うん。MCをもっと上手にできるようになることが、今のAppare!の課題の1つだと思います。
朝比奈 「改名前の天晴れ!原宿と何が変わったの?」とよく聞かれるんですが、私たちとしても「圧倒的にここが変わった」と言えるくらいのものがまだないと思っていて。Zepp公演は、表現力や歌唱力がまだ足りてないと感じるライブでもありました。誰が見ても「ホントに変わったんだ」と感じられるくらいになりたいし、もっと上を目指さないといけないと思っています。
アルバムを漢字1文字で表すなら“新”
──皆さん向上心がみなぎってる感じがしますね。そんなAppare!の今を見せるニューアルバム「Appare!Parade」が3月10日にリリースされました。
藍井 楽曲はかわいい曲や春らしい曲、ライブで熱くなれるカッコいい曲など、今まで以上にいろんなバリエーションがあるんです。ライブでも曲によって表情、歌い方、ダンス、それぞれ違うものをお見せできると思います。音源でもライブでも楽しめるアルバムですね。
七瀬 このアルバムを漢字1文字で表すなら“新”じゃないかな。天晴れ!原宿時代の楽曲はピコピコ音のイメージが強かったけど、そういう要素も残しつつ、バンドサウンドやさわやかな曲調に挑戦していて、新しい一面を見せられてると思います。
──アルバムのリード曲「ダフネ」は、春らしさの詰まったポップチューンになっていますね。
七瀬 王道のアイドルソングというわけじゃないけど、かわいらしくてさわやかで、これはこれでアイドルらしい曲だと思います。歌詞はそばにいて寄り添ってくれるような感じで、すごく優しい印象です。私がアイドルを好きな理由は、どんなときも自分を勇気付けてくれるからなんですけど、これはまさにそういうタイプの曲ですね。私も人の背中を押したいという気持ちでアイドルになったので、その気持ちを込めて歌いました。
藤宮 「ダフネ」はいろんな人を肯定してくれる曲です。でも、聴いてくれる人たちに自分に寄り添ってくれてる曲だと思ってもらうには、私たちの歌が一番重要だと思うんですよね。どんなに素敵な歌詞でもそこに感情が乗らなければ、みんなの心には残らないから。こういう春の歌を歌ったことがなかったので、歌うのは難しかったんですけど、レコーディングではがんばりました。
朝比奈 私はもう学生じゃないけど、やっぱり春になるとなんだか新しい気持ちになるんですよ。「ダフネ」は新学期を迎えた人、新入生や新社会人の方に響く応援ソングだと思います。でも、ただ「がんばれ」って応援する曲ではないんですよね。AメロとBメロはそんなにポジティブな歌詞にはなってなくて、サビでプラスな内容の歌詞になる、そのギャップが好きです。レコーディングで歌うのは大変でしたが、すごく好きな曲で完成してから毎日聴いてます。
藍井 私もこの曲、めっちゃ好きなんです。まず、音が素晴らしいんですよ。オケにいろんな音が入ってて、Bメロに「テーテテレ」って音があってそこがホント好きなんです!
永堀 どこだかわからないよ(笑)。
藍井 (笑)。初めて歌う春の曲だし、どう歌えば春らしく伝わるか考えながらレコーディングしました。結果、「かわいいけどきれいに」というイメージで歌ったんです。
すべてを包み込んでくれる「ダフネ」
──「ダフネ」の歌詞で好きなフレーズはありますか?
藍井 2番のサビの「春を待つキミへ どんなイメージの全部も愛と呼べるんですっ!」というフレーズがめちゃくちゃ好きです。すべてを包み込んでくれるような気がします。
七瀬 私は、めいが歌ってる1サビ前の「苦いとか 甘いとか 日々を 繋いで」というところですね。人って誰しも無駄な日を過ごしてしまうときがあって、そういう時間も全部自分の人生の一部で大切なんだよ、と言われている感じがします。
朝比奈 Aメロの「曖昧でいいよ」「心配でいいよ」という歌詞も、不安な自分を優しく見守ってくれるような、聴いていて背中を押される感じがします。
藤宮 私も「不安だっていいよ たまに振り返っていいよ」のあたりが好きですね。世の中、無理やりポジティブな気持ちにさせようとする曲もあるじゃないですか(笑)。でも、後ろを向くことや立ち止まること、泣くことを許してもらえると気持ちが楽になります。
工藤 新しい季節って不安もいっぱいあると思うんですよ。クラスが変わったときに、自分をよく見せようとしてがんばっちゃったり。そういうときに「不安だっていいよ」と言ってくれることが救いになるし、もし友達がいなくても、私たちが曲を通してその人に寄り添ってあげられたらいいですね。「大丈夫だよ」って温かい心で歌いたいです。あと、私は「何万何千回の明日に あぁ、どうかって出すアンサーに 期待とか 希望とか 意味を 探して」という歌詞もすごく好きで。自分の曖昧なところも人生の過程だと思えるし、自分の嫌なところも認めてあげたくなります。
永堀 私、春が一番好きな季節なんですよ。新しいことを始める時期でもあるけど、少し寂しい時期でもあって、そのことをこの曲を通して感じられると思います。好きな歌詞は、のかと同じ「何万何千回の明日に あぁ、どうかって出すアンサーに 期待とか 希望とか 意味を 探して」の部分で、ここは私の歌割りなんです。あと、「ダフネ」って花の名前なんですよ。花言葉は“永遠”や“不滅”で、そういう意味も曲から感じることができます。
橋本 「ダフネ」を歌うと、「一気に春になった! うれしい!」っていう気持ちになれるんです。私は桃色担当で、実際にピンクが好きなので、この曲を歌えるのがすごくうれしいですね。私が好きな歌詞も自分の歌割りなんですけど、2番の「“さいごには笑う”なんて お人が良すぎでしょう はやいとこ笑おう 例えば今だっていいよ」という歌詞を初めて見たときから「私、ここ歌いたい!」と思ってました。
──皆さんがおっしゃるように、いろいろな人の気持ちを肯定してくれる、包容力のある楽曲ですよね。「ダフネ」が花の名前だったとは知りませんでした。
藍井 歌詞には花を直接的に表現する部分はあまりないんですが、ダンスには花が舞ってる情景を連想させる振りがあるんですよ。ぜひライブで観てほしいです。
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