アンスリューム「すーぱーしゃいん!!!!!!」インタビュー|「TIF」で感じた悔しさ、そこから見えてきた課題と目標 (2/2)

好みが分かれる王道アイドルソング

──2曲目の「疑似恋愛させたげるっ!」ではアイドルとファンの関係性が表現されていますが、これも今までのアンスリュームにはなかったタイプの曲だなと感じました。

月埜 個人的に大好きな曲です。曲調はかわいい王道のアイドルソングなので、アンスリュームのセットリストに組み込みにくくて、ほかの曲と比べると披露する回数がまだ少ないんですよ。これからリリースイベントなどでたくさん披露できたらいいなと思います。

──「課金・絆・疑似恋愛」というフレーズなど、刺激的な言葉も多いですが、ファンの方の反響はいかがですか?

ちぎら はっきりと好みが分かれてる気がします(笑)。

日色 めっちゃショックを受けてる人もいるよね。

もなか ライブ中に顔に出てます。落ち込みつつ無理やり盛り上がってる方もいたりして(笑)。

──「疑似恋愛させたげるっ!」と打って変わって、3曲目「メルトロピカーナ」はさわやかなサマーチューンです。

日色 タオルを振り回せる夏曲が欲しいねって話をずっとしていたので、ようやくそれが叶ってうれしいです。「TIF」で披露したときも、ファンの皆さんが全力でタオルを回してくれて夏の空気を感じられました。

──「TIF」のようなアイドルフェスではアンスリュームだけではなく、いろんなグループのファンが集まるわけですが、「メルトロピカーナ」を披露しているときは会場にものすごい一体感が生まれていましたね。

月埜 タオルがなくても腕やペンライトを回してくれれば一体感が出ますし、お客さんを巻き込んで大きいウェーブを作るパートもあるので、アンスリュームのことをよく知らない人でも盛り上がることができたんじゃないかなと思います。

──フェスで映える曲ですよね。

月埜 「TIF」では屋内で披露したんですけど、夏の野外で歌いたい曲ですね。

6人それぞれ好きなことをやった“生誕曲”

──アルバムの後半には各メンバーの生誕ライブで披露された楽曲が収められています。それぞれ生誕ライブの主役がフィーチャーされた曲になっていますが、1曲ずつ話を聞かせてください。まず、日色さんをフィーチャーした「おにぃちゃんス」は、“お兄ちゃん”への思いをつづった楽曲になっています。

日色 タイトル通り、「お兄ちゃん」って連呼してる曲です(笑)。生誕ライブで初披露したときは、ファンの方が不思議がってるような反応だったんですけど、今は気に入ってくれている方が多いみたいです。踊りやすい振りになってるので、皆さんジャンプしてくれたりして盛り上がってくれています。私はグループ内での立ち位置が妹キャラで、そんな自分のキャラクターを表現できる曲です。セリフパートもあるので、ぜひ音源を聴いてキュンキュンしてほしいです!

日色ゆづ

日色ゆづ

──ちぎらさんの生誕ライブで披露された「本気恋-ガチでこい!!-」は、昭和テイストな楽曲です。

ちぎら まさに昭和をテーマにした曲なので、ご年配のファンの方から「なんだか懐かしくて昔を思い出した」と言ってもらえることが多いです。若いファンの方からも好評で、幅広い世代に刺さる楽曲に育っていったらうれしいですね。イントロにセリフが入ってるんですけど、実はライブのたびに内容が変わるんです。音源だとちぎらのセリフパートですが、ライブでは各メンバーにフォーカスしているので、注目してほしいです。

──この曲は、ちぎらさんが自ら作詞を担当したんですよね。

ちぎら そうなんです。私のファンは“ガチ恋”の方が多いみたいで、生誕ライブのタイトルも「本気恋-ガチでこい!!-」にしたんですよ。タイトルに特に深い意味はないですが(笑)、かわいいなと思ってそのタイトルにしました。

──月埜さんの生誕ライブで披露された「BLUE ROCK」も、月埜さん自ら作詞を手がけたそうで。

月埜 生誕ライブの楽曲ではメンバーが自分の好きなことをやってもいいと言われているので、どの曲も普段のアンスリュームっぽくないんです。ただ、私は生誕ライブを開催するのが4回目だったので、曲を通してやりたいことが特に思い浮かばなくて。でも、アンスリュームにはロック調の曲がなかったと思って、こういう曲にしました。意外とお客さんに気に入ってもらえて、評判がよかったのでうれしいですね。

──歌詞にはどんな思いを込めたんですか?

月埜 私、本当は作詞をしたくなかったんですよ(笑)。正確にはしたくなかったというより、今までしっとりした曲の歌詞しか書いたことがなかったので、ロックな曲調に対してどういう歌詞を付ければいいのかがわからなくて。ただ、自分の担当カラーをタイトルや歌詞に入れたかったのと、晴れた青空をイメージさせる曲がいいなと思って、そういうテーマで書きました。

──歌詞が完成するまで時間がかかりました?

月埜 うーん、そうですね。やっぱり意欲を持って書いたほうがいい歌詞になると思いますし、こんなモチベーションで臨んで大丈夫かなと不安だったんですけど、完成した曲を聴いたら予想以上にいい曲になったなと感じました。作曲家のkatzさんが少し手伝ってくれたんですよ。私は言葉を語呂で選ぶ癖があるので、ポンポンと単語を曲に当てはめていって、どうしても思い浮かばないところを手伝ってもらいました。

──続いて、星奈さんの「五月病になれない恋をしたい」は切ないラブソングです。

星奈 私は坂道グループが好きなので、そういう系の曲にしたいとリクエストして「五月病になれない恋をしたい」を作っていただきました。今回ははじめましての振付師さんに、今までのアンスリュームにあまりなかったような正当派の振りをお願いしました。

──歌詞にも、星奈さんの意向が反映されているんでしょうか?

星奈 そうですね。自分らしい歌詞になりましたし、曲調も大好きなのですごく満足しています。

成長していく姿をファンの方に見せたい

──もなかさんをフィーチャーした「乱舞 LOんVE 乱武」は、フトメホソシさん作詞、GUCCHOさん作曲のダンスナンバーです。

もなか 私はハロー!プロジェクトさんが大好きなので、生誕ライブの楽曲は歌って踊れる曲にしたいという思いがあって。実は以前からそういう提案をスタッフさんにしていたんです。「乱舞 LOんVE 乱武」については、メンバーやプロデューサーさんからも「曲が似合ってるね」と言ってもらえました。今回は振付も自分で担当させていただいて、メンバーに厳しくレッスンしました(笑)。自分の歌の魅力を出せる曲にしたいなと思って、歌やダンスに力を入れたんです。曲を通して、もなかこゆの世界観を出せたんじゃないかなと思います。

もなかこゆ

もなかこゆ

──「乱舞 LOんVE 乱武」という曲名にもこだわりが感じられますが、なぜこのタイトルにしたのでしょう?

もなか タイトルは作家の方と一緒に考えて決めました。最初は全部漢字で表現しようかと思っていたんですけど、単調でつまらないなと思って。歌詞に「LOんVE」という言葉が出てくるので、これは面白いなと思ってタイトルに引用しました。

──ジョウナイシさんの楽曲「飲酒@セーラー服」もタイトルにインパクトがあります。「飲酒したいよ」と繰り返す歌詞も、アイドルの楽曲としては刺激的ですね。

ジョウナイシ 私は前職がキャバ嬢なので、お酒を曲のテーマにしました。ふざけているような振りが多いんですけど、音源を聴くといろいろと細かいこだわりを感じられると思います。ライブだと振りに目がいきがちですが、まずは音源をじっくり聴いてほしいですね。

ジョウナイシ鳴

ジョウナイシ鳴

──作詞作曲はでんぱ組.incや私立恵比寿中学の楽曲も手がけている、けんたあろはさんですね。

ジョウナイシ 実はけんたあろはさん、友達なんですよ。私の性格をよく知ってる人なので、私らしい歌詞になったんじゃないかなと思います。ちょっと攻めすぎな部分もあるんですけど(笑)。

──ちなみに、ジョウナイシさんはお酒は強いんですか?

ジョウナイシ うーん、強くはないと思うんですけど、アイドルになってからは家でよく飲むようになりました。これまでは仕事として義務感でお酒を飲んでいた中、アイドルになって初めて自分がお酒が好きなことに気付きました。家で酔っ払うとなぜかアンスリュームのライブ映像が観たくなって、この前も家でワンマンライブの映像を観ながら1人で泣いていました(笑)。

──(笑)。アルバムの曲についてお聞きしたところで、最後にこれからの活動に向けての意気込みを聞かせてください。

もなか 現時点では10月4日にZepp Shinjukuで開催されるワンマンライブに向けてがんばっています。Zepp Shinjukuを満員にすることが目標ですし、今までとはやり方を少しずつ変えて成長していく姿をファンの方に見せたいです。

ちぎら 6人全員が同じ意見だよね。みんなで心をひとつにして、ワンマンライブや大きなイベントに団結しながら挑戦していけたらなと思ってます。

アンスリューム

アンスリューム

ライブ情報

アンスリューム「すーぱーしゃいん!!!!!!」

2023年10月4日(水)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)

プロフィール

アンスリューム

「興奮と昂揚をアナタに。」をコンセプトに活動している6人組アイドルグループ。2019年3月に東京・新宿RUIDO K4でデビューライブ、10月に東京・UNITで1stワンマンライブ「強欲なアンスリューム」を開催。2022年8月にジョウナイシ鳴と星奈美緒が加入し、2023年9月に現体制初のアルバム「すーぱーしゃいん!!!!!!」をリリースした。