音楽ナタリー PowerPush - アンジェラ・アキ 日本武道館ライブBlu-ray / DVD発売記念 村石雅行×沖山優司

本人不在のインタビュー 2人が語るアンジェラの素顔

お酒を飲みながらのバス移動

──先ほども少し話に出ましたが、3人で全国を回るとなると、ライブ後の打ち上げもかなり盛り上がったんでしょうね(笑)。

村石 ひときわ飲んだね。打ち上げとかもそうだけど、バスで5時間とか6時間とかかけて移動だけする日なんて、みんなで飲みながらしりとりとかしてたし(笑)。

「アンジェラ・アキ Concert Tour 2014 TAPESTRY OF SONGS -THE BEST OF ANGELA AKI」東京・日本武道館公演の様子。(撮影:田中栄治)

沖山 意外と盛り上がってね(笑)。

村石 でもそこでアンジーとすごく仲良くなったんですよね。いろんなこと話したし。

──ほかのアーティストとのツアーでもそういうことはあるんですか?

村石 5時間もあったらだいたいみんな寝てますね。

──それだけみんなお酒の楽しみ方とかペースが合ってたんでしょうね。

沖山 そうかもしれない。

──でもアンジーさんにお子さんができてからはしばらくお酒もストップして。

村石 そうですね。でも出産後すぐレコーディングしたりしてたから、一緒にお酒は飲んでないけど、あまり空いたって気もしてなくて。

沖山 彼女はとっても丈夫だよね、喉も体も。身重な状態で武道館公演やって、産休しますって言っても曲作ったりしてたわけだからね。そもそもあんなにお酒飲んでても、喉の調子が悪いなんてこと一度もなかったから。

村石 だけどこの前のツアーのときは、本番の前日はほとんど飲まなかったですね。やっぱり母になってちゃんと良識が(笑)。

沖山 真面目になったのね(笑)。

アメリカ行きの告白

──その「Concert Tour 2014 TAPESTRY OF SONGS」が日本での音楽活動休止前最後のツアーになったわけですが、アメリカ行きの話はどんなふうにお聞きになったんですか?

沖山 公式発表する少し前でしたね。メールをもらって。ちょっと衝撃だったけど、でもアンジーっぽいなと思いました。10年間やってきて、1つ区切りを付けてステップアップするっていうね。すごく納得できたし、がんばっていってらっしゃいっていう。

ファンに挨拶するアンジェラ・アキと、それを見守る村石雅行、沖山優司。(撮影:田中栄治)

村石 僕はアメリカ行くっていうメールをもらったとき、海外にいたんですよ。葉加瀬太郎さんのワールドツアーでドイツに。けっこう、動揺しましたね。

沖山 泣いた?(笑)

村石 いや泣いたっていうか、もちろん行ってほしくないって気持ちはありましたけど。来年もツアーやりたいしレコーディングもやりたいし、一緒に音楽やりたい。毎年のようにこれからも続いていくものだと思ってたから。でもすごい大きな決断だなと思った。そして冷静に考えてみたら、彼女ならできるかもなって思いましたね。

──そのときはもう、このツアーをやることは決まってたんですか?

沖山 やることは決まってたけど、具体的なこととかはまだでしたね。

──お2人にとっても、このツアーに臨む気持ちが全然変わってきますよね。

沖山 そうですね。でもアンジーはツアーでリハやってるときもそんなに変わらなかったよね。僕ら2人は「最後なんだよね」っていう、どこかセンチメンタルな気分があったけど。だって初めての経験なんですよ。ツアーって、何本もやって折り返して、みんなゴールまでちゃんと走れてよかったね、また来年会いましょうねみたいな感じだけど、今回はツアーが終わると同時にお別れでしたから。また1本減っちゃった、また1本減っちゃったみたいな、そんな気分でしたよ。

村石 あっという間でしたね。

ライブDVD / Blu-ray「アンジェラ・アキ Concert Tour 2014 TAPESTRY OF SONGS- THE BEST OF ANGELA AKI in 武道館0804」 / 2014年12月17日発売 / EPICレコードジャパン
「アンジェラ・アキ Concert Tour 2014 TAPESTRY OF SONGS- THE BEST OF ANGELA AKI in 武道館0804」
Blu-ray Disc / 7400円 / ESXL-48
DVD / 6300円 / ESBL-2374~5
収録内容
  1. 告白
  2. Again
  3. 輝く人
  4. Final Destination
  5. Kiss Me Good-Bye
  6. 心の戦士
  7. 大袈裟に愛してる
  8. TRAIN-TRAIN
  9. スナックふるさと
  10. 孤独のカケラ
  11. 始まりのバラード
  12. モラルの葬式
  1. 乙女心
  2. ダリア
  3. This Love
  4. 夢の終わり 愛の始まり
  5. MUSIC
  6. たしかに
  7. 手紙 ~拝啓 十五の君へ~
  8. HOME
  9. サクラ色
特典映像

ANGELA AKI 2005-2014

アンジェラ・アキ

1977年徳島県出身、ピアノ弾き語りスタイルが特徴の女性シンガーソングライター。中学卒業時からアメリカに移住し、大学時代から本格的に音楽活動を開始した。2005年9月にシングル「HOME」でメジャーデビュー。2006年6月にリリースした1stアルバム「Home」は60万枚を超えるロングセラーを記録し、老若男女問わず幅広い人気を獲得する。また、同年12月日本武道館にて史上初となるピアノ弾き語りライブを行い、以降年末の武道館弾き語りライブが恒例化する。2008年には全国学校音楽コンクールの課題曲として「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を提供し、このシングルはプラチナディスクに認定。2013年11月に、2014年秋からアメリカの大学に留学しブロードウェイミュージカルプロジェクトに専念することを発表。2014年3月5日にベストアルバム「TAPESTRY OF SONGS -THE BEST OF ANGELA AKI」をリリース後、4月より全44公演の全国ツアーを実施し、8月4日の東京・日本武道館公演をもって日本での音楽活動を無期限休止した。

村石雅行(ムライシマサユキ)

1964年生まれ。東京藝術大学在籍時より工藤静香、森高千里らのバックドラマーを務める。大学卒業後はKENSOや葉加瀬太郎率いるクライズラー&カンパニーに参加した。これまでに松任谷由実、椎名林檎、アンジェラ・アキ、スキマスイッチらのツアーサポートを担当。ドラムスクール「村石雅行ドラム道場」を運営するなど後輩の育成にも尽力している。

沖山優司(オキヤマユウジ)

1959年生まれ。1979年に近田春夫&BEEFを経て、1980年にテクノポップグループのジューシィ・フルーツのメンバーとしてデビュー。1985年のバンド解散後は、1987年にビブラストーンのメンバーになりアーティストとしての名を広めるほか、ベーシスト、作・編曲家としても活躍。ライブサポートを務めるアーティストに、アンジェラ・アキ、YUKI、清春、安藤裕子らがいる。