angela|エンタテイナーが本気で作る一夜限りの「大サーカス」

ヤバい! 次の曲バラードだ!

──セットリストに関して、angelaの在り方を象徴していると思ったのが「SURVIVE!」「全力☆Summer!」「幸せの温度」という、まったく毛色の違う3曲を続けて披露されたパートでした。atsukoさんご自身もMCで「感情のジェットコースター」とおっしゃっていましたけど、振り落とされそうになりますね。

atsuko ひどいですよね。特に客席を練り歩きながらみんなと楽しく歌う「全力☆Summer!」からの「幸せの温度」なので、「ヤバい! 次の曲バラードだ!」みたいな。だからキーボードのhana(大場映岳)ちゃんにも「ここは気持ちを切り替えるのが難しいから、思いっきり間を空けていいからね」って事前に言っておいたんです。おかげでどうにか「幸せの温度」を歌えたんですけど、本当に曲間の時間が長かったのでBlu-rayではちょっとカットしました(笑)。

──「感情のジェットコースター」という点では、本編ラストの感動的な流れからの、あのアンコールもかなりの落差がありました。

アイドルあっちゃん

atsuko アイドルあっちゃん(angelaの事務所の後輩で“あっちゃん星のオムライス村”からやってきた17歳という設定のatsukoそっくりなアイドル)ですか。

──ドメスティック♥ラヴバンド(angelaの事務所の後輩でatsukoとKATSUにそっくりなメンバーが在籍しているという設定のバンド)が登場するのかと思いきや、あっちゃんが出てきて。

KATSU 余計にひどい(笑)。

atsuko 初日のアンコールはドメスティック♥ラヴバンドに出てもらったんですけど、2DAYSを終えて、あっちゃんのほうが圧倒的に人気があるんだなっていうのがわかりました。

KATSU やっぱり今のトレンドはね、バンドよりアイドルなんだよね。

atsuko だから特典ブックレットのページ数にも差があるんですよ。ドメラバは1ページだけど、あっちゃんは2ページ。

KATSU 数字を取れる人のほうが扱いが大きくなる。

atsuko なんならあっちゃんの新曲「バイビー☆伝説」のCDも付いてるし。ただ、ドメラバにしろあっちゃんにしろ、言ってしまえば余興じゃないですか。

──余興の域は超えてると思いますけど(笑)。

atsuko ありがとうございます(笑)。でも、例えばドメラバは2008年結成でちょくちょくangelaのライブで曲を披露しているんですけど、昔から「そんなことよりangelaの曲を」というご意見もたくさんいただいているんです。それでも懲りずに続けてきた結果、ファンの皆さんもあきらめてくださったみたいで。

KATSU そこは「受け入れてくださって」な。

atsuko そうやって長く続けることで、皆さんともいい関係を築けているんじゃないかと思います。

本当に観せたかった大サーカスが実現できた

──ではangelaのお二人にとって、今作の一番の見どころを挙げるとすれば?

atsuko 私が象のぱぉちゃんとの掛け合いで、台本をすっ飛ばしてセリフを言ってしまうところがあるんですけど、そのときのKATSUさんの表情ですね。「あれ? そのセリフ、まだ言っちゃダメじゃね?」みたいな、困惑の表情はなかなか普段見られないので。

左からatsuko(Vo)、KATSU(G, Key)。

KATSU さっきもちょっと話しましたけど、オーディオコメンタリーでいろんな種明かし的なことを語っているんですよ。なので1周目は普通に視聴して、2周目は必ずオーディオコメンタリーを聴いていただきたいなと。そのうえで僕の顔もお楽しみいただければと思います。

atsuko まあでも、そのセリフの間違いとかも、真っ当なアーティストさんだったらきっと編集でなんとかして、滞りなく進んだように見せると思うんですよ。作品として発売するからには。でもそれって嘘になるじゃないですか。なんなら私もある曲で歌詞を1カ所間違えてるし(笑)。

KATSU angelaは真実を伝えたいからね。

atsuko そう。台本をすっ飛ばしたところにしても、私たちが「テロップで対応しては?」と提案したら、キングレコードのスタッフさんが誰も止めてくれなかったんです。だからそういう、私たちとキングレコードさんとの良好な関係があってこその作品に……なんだこのフォローは(笑)。

──急にキングレコードを持ち上げ出した(笑)。

KATSU いやでもキングさんは本当にすごいと思いますよ。武道館のときもそうでしたけど、僕らみたいな素人が考えたストーリーや演出を、ちゃんとお客さんからチケット代をいただけるものに仕上げてくれるんですから。大サーカスが成立しているのは、裏方のスタッフさんを含めたキングチームみんなのおかげです。特に今回の大サーカスは、武道館を入れれば12回目の大サーカスになるんですけど、自分たちが本当に観たかった、あるいは観せたかった大サーカスが実現できたと思っています。

大サーカス=告知

──2019年最後の日に行われた大サーカスで、atsukoさんは最後に「みんなもどうか生きて、2020年、笑顔で会いましょう」とおっしゃっていました。それが2020年の今の状況に刺さってしまうといのが、ある意味で予言的と言いますか。

atsuko ねえ。だって去年の大晦日には、こんな2020年になるとは誰も思ってませんからね。あのとき私は、2020年12月27日にまた大サーカスをやると告知をしたうえで、「それまでみんな元気でね」という意味で言ったんです。しかも「1年前から告知してるんだから、ちゃんと予定空けておいてよ」みたいな、半ば脅しみたいな告知だったんですけど……。

KATSU その2020年の大サーカスも、現時点では開催する方向で動いているんですよ。先行きが不透明なところも大いにあるんだけど、やれる可能性がある限りあがき続けたいというか。ここで早々にあきらめたらエンタテイナーとして失格だと思うので。

atsuko 可能性を信じて、今できることをやっていくしかないよね。

KATSU あとatsukoの「どうか生きて」というメッセージに関して言うと、これは「ファフナー」の影響かわからないですけど、angelaは「生きる」というテーマで曲を書くことがめちゃくちゃ多くて。だからこれからもそのテーマを大事にしていきたいと、密かに思っています。一方で、「はめふら」の主題歌の「乙女のルートはひとつじゃない!」みたいな曲も書き続けたいなと。

atsuko やっぱり楽しい曲を作ってるときは、楽しい気分になるからね。

KATSU 別に「ファフナー」がつらいっていう意味じゃないですよ(笑)。

──「乙女のルートはひとつじゃない!」は、「全力☆Summer!」以降のモードで書かれたangelaの曲という印象が強かったです。

atsuko そうですね。アニメ「アホガール」の主題歌として「全力☆Summer!」をお出ししたという前科があったことで、「乙女のルートはひとつじゃない!」もすんなり受け入れてもらえたというか。楽しいほうのangelaが来た、みたいな。

左からatsuko(Vo)、KATSU(G, Key)。

KATSU 今回の大サーカスの2日目って、その「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」のタイアップの前振りというか、ぱぉちゃんとの掛け合いでもしつこく「転生」を連呼していて。実は大サーカスのサブタイトルを決めるときも2日目だけ「angelaのatsukoさんが〇〇を××したらLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)に転生しました」みたいな、ライトノベル風の長いタイトルにしようという案も出ていたんですよ。

atsuko つまり今回の大サーカスは、3時間かけたタイアップの告知です。

──それを言ったら武道館も「アホガール」タイアップの告知では?

atsuko そうですね。もはや完全に“大サーカス=告知”ですね。

KATSU 中西さんが武道館まで走ったのも宣伝活動の一環ですからね。

──その中西さんを、つまりレコード会社のいちプロデューサーを武道館のステージに上げて某曲を歌わせるというのも、なかなかすごい試みでした。

atsuko 音声はカットされてますけど、ちゃんと中西さんのソロパートもありましたからね。しかも中西さんの歌がね、まあまあうまいんですよ(笑)。

KATSU 絶対練習してきたなっていう。

atsuko そうやって、毎回おかしな世界で壮大な告知をさせてもらっています。

ライブ情報

angelaのミュージック・ワンダー★大サーカス 2020

2020年12月27日(日) 神奈川県 パシフィコ横浜 国立大ホール OPEN 16:00 / START 17:00