安東由美子の人間そのものが出てる音楽

──デビューシングルが発売される今の気持ちはいかがですか？

言葉にはできないくらいの不思議な気分がすごくありますね。クレジットを眺めてみると、これだけの人が私のCDにかかわってくださったんだなあっていうことを改めて感じて、もう感無量です。

──「平凡ガール」は本当に今の時代に新鮮な驚きをくれる曲だと思います。世代によって聴き方が変化しそうなところも面白いですし。

昔っぽいんだけど、今っぽい感じも入れつつという仕上がりになったと思います。根岸さんは相当な数の楽曲プロデュースを手がけた方ですけど、この曲はかなり苦労したって言ってましたね。逆にカップリングの「14才」のほうは根岸さんの王道のアレンジだとは思うんですけど。

──安東さんのはかなげな歌声もいいですね。どんなサウンドに乗っかっても、独特の世界観を描き出せる存在感があるというか。

声質に関しては自分ではよくわからないんですけど、安東由美子の人間そのものが出てるとは思いますよ。外で人と接するときは元気ハツラツなんですけど、家に帰ったらものすごい根暗みたいな。さすがAB型って感じです。恋をすると途端に「どうしよう、どうしよう！」みたいにもなりますし。私ね、男性と2人になるとものすごいっすよ（笑）。それをそのまま描いたのが「14才」です。

──アハハ（笑）。どうなるんですか？

もう甘えっぱなしですよ。甘えて甘えて甘え倒しますね。年上が大好きで、中日の落合監督が大好きで（笑）。ファザコン入ってます（笑）。西部警察の大門軍団に安東由美男として入りたいぐらいです。アハハ。そんなんだから、やっぱり曲も恋愛ものを中心に書いていきたいなって思ってますね。ただ、そんなに恋愛の数をこなしてはいないので、人生観を書いたり曲も増やしたいです。「平凡ガール」も最初はただの恋愛の曲だったんですけど、新しく書き直して私の生き様というか、人生観を歌うストーリーにしたんです。

duo MUSIC EXCHANGEのステージに立ちたい

──今後作ってみたい曲って何かありますか？

聴いてくださる人を癒して勇気づけられる曲を書いていけたらなっていうのはすごく感じますね。今って寂しい人が多いと思うし、私も寂しがり屋なので。背中を押していきたいです。

──アーティストとしての野望はどうですか？

まずは渋谷のduo MUSIC EXCHANGEのステージに立ちたいです。何回かほかの人のライブを観にいったときに、絶対ここに立ってやるぞって思ったので。で、その後にSHIBUYA-AXに立ち、最後は東京国際フォーラムに立ちたいと。それ以上は考えてないと言いますか（笑）。

──どんどんステップアップしていくイメージですね。曲のストックはけっこうあるほうですか？

今もどんどん書き溜めていってますね。トータルすると20曲ぐらいは書いてます。全て完全アカペラで作っているので時間はかかりますけど。クリック（メトロノーム）ひとつで作曲して、作詞は携帯で書いています。曲ってイヤなことがあるとバーッてたくさん書いちゃうんですよ。ハッピーなときよりも、そういうときのほうが書けるんですよね。もし失恋とかしたら10曲くらいぐわっと書いて、私をふった相手の家のポストに入れたいですね、封筒に入れて（笑）。

──新井仁（SCOTT GOES FOR / NORTHERN BRIGHT）さんに提供してもらった曲もあるという話を聞きましたけど。

そうなんですよ。今までは曲を提供してもらうことは一切考えてなかったんですけど、新井くんの明るい世界観でぜひ楽曲を書いてもらいたいなって思ったんです。もう10年ぐらいのお友達なので、彼にはぜひプロデュースをやってもらいたいなって。レコーディングをしたら、なんらかの形で皆さんにもお聴かせしたいです。

──今後の活動も楽しみですね。

そうですね。昭和をキーワードにいろいろやっていきたいです。早見優さんや石川秀美さんもいいですけど、安東由美子もいいと思いますので、ぜひ聴いていただければ（笑）。平成最後の遅咲きデビューだと思ってますので（笑）。