音楽ナタリー Power Push - 雨のパレード
新たな時代を切り拓くメジャーデビュー作
より多くの人に届く音楽を
──雨のパレードの、「ここはほかのバンドには負けない」という部分はどんなところだと思いますか?
楽曲ですかね。同世代に比べると、たぶん自分たちのやりたいことと、ポップな部分のバランスが一番いいんじゃないかなと思っています。僕はアウスゲイル、Rhye、フランク・オーシャンとか、R&Bをルーツに感じるようなアーティストが好きなんです。今回の「New generation」に関してはそういった僕が好きで、やりたい音楽から音色のイメージを作っているんですけど、より多くの人に届けられるようにキャッチーな要素を取り入れています。
──制作におけるメンバーとのやりとりは円滑にいきますか?
制作中はちょっとピリピリしたりもしますし、うまくいかないときもありますね。
──リーダーみたいな人がいて、そのほかのメンバーがその人のやりたいことを叶えていくバンドと、対等な立場で意見を交わし合いながら曲作りをするバンドがいると思うんですけど、どちらだと思いますか?
みんなの意見ももちろん聞きますけど、僕がリーダー的な立ち位置だと思います。
──曲作りはどのように進めているんですか?
僕がまず「この曲のこの音色に寄せてビートはこんな感じで」って詳しく口で説明してから、セッションに入りますね。セッションしつつ、メロも作っていくって感じです。そこで生かせそうなフレーズがあったらキャッチしたり、リズムや音使いを変えたりとか。いろいろ試してみて、常にみんなでトライ&エラーみたいな感じで作っていきます。
日本のポップミュージックに学んだポップスの感覚
──福永さんはもともと山崎さん、大澤さんとバンドを組んでいたんですよね。
そうなんです。そのバンドを組んでいたのは専門学校に通っていた頃だったんですけど、そのときのメンバーは山崎を含めてほぼ年上だったので自分の意見が言えなくて。だから上京したら自分のやりたいことをやろうってずっと思っていましたね。
──今は自分のやりたいことをやれてますか?
はい。メンバーと一緒にやっていく上で言いたいことが明確になってきたので、自分の意見もしっかりと伝えられるようになりました。コードトーンだったり、より専門的なこともわかるようになってきたので、そういう面でも自信がつきましたね。
──メンバーそれぞれ、ルーツは違うんですか?
そうですね。まずギターの山崎はゆずとメタルに影響を受けてます。ドラムの大澤はもともと吹奏楽をやっていたので、クラシックと、あと東京事変とかだと思いますね。ベースの是永は青春パンクとか、亀田誠治さんが好きで。
──バラエティ豊かですね。福永さんはどうですか?
僕は洋楽をよく聴くんですけど、日本のポップミュージックも好きですね。幼少の頃めちゃめちゃ聴いてたのはユーミン(松任谷由実)で。あとは玉置浩二さん、小田和正さんとか。母がよく車の中で流していたんです。あとこれは洋楽ですけど、小6のときに初めて自分で買ったCDがQueenのベスト盤なんです。当時よく観ていたドラマ「プライド」の劇中で使われていたっていうのがきっかけでしたね。
──なるほど。そういった音楽からどんな影響を受けていますか?
雨のパレードのサウンド自体は、同世代の洋楽バンドに影響を受けているんですけど、ポップスとしての感覚は日本のポップミュージックに影響されてると思いますね。メロディラインとかも。
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- メジャー1stアルバム「New generation」
- 2016年3月2日発売 / 3024円 / SPEEDSTAR RECORDS / VICL-64526
- 初回限定紙ジャケット
- 通常盤ジャケット
収録曲
- epoch
- Tokyo
- Movement
- Focus
- breaking dawn
- novi Orbis
- new place
- 10-9(New recording)
- 揺らぎ巡る君の中のそれ(New recording)
- encore
- Noctiluca
- Dear J&A
- Petrichor
ツアー情報
雨のパレード ワンマンツアー「New generation」
- 2016年4月2日(土)大阪府 CONPASS
- 2016年4月3日(日)愛知県 Live & Lounge Vio
- 2016年4月9日(土)東京都 clubasia
雨のパレード(アメノパレード)
福永浩平(Vo)、是永亮祐(B)、山﨑康介(G)、大澤実音穂(Dr)からなる4人組バンド。2015年7月に残響レコードから発売した3rdミニアルバム「new place」の表題曲がスペースシャワーTVのレコメンド企画「it!」に選出され話題を集める。同年10月に大阪・ミナミ地区で開催されたサーキットイベント「MINAMI WHEEL」では、初出演ながら会場に入場規制がかかるほどの来場者数を記録する。2016年1月にインディーズ最後の作品となる1stシングル「Tokyo」を発表。3月にリリースするニューアルバム「New generation」でSPEEDSTAR RECORDSからメジャーデビューを果たす。