女性の色気が出せていたmick
渋谷 俺はこのアルバムの中では、「朝は来る」もホントにいいけど……「フェイク」がとっても好きです。
mick カッコいいやつ。怒ってる曲ですね。この曲を含めて、今回のレコーディングは歌入れがめちゃくちゃ面白かった。性別と年齢を書いたグラフみたいなものを作って点を置いて「じゃあ『フェイク』のAメロは二十代・女」とか決めて歌ったんです。
渋谷 へえー! 面白いやり方するね。確かに「フェイク」は歌の中の表情の変化がすごくいいなあと思った。
mick 「フェイク」、2番のAメロはメンバーやスタッフから「色気! 色気!」って言われて。だから息多めでがんばって歌いました。
渋谷 女性の色気出せてるじゃん。だって俺はそういうことなーんにも気付かずまんまと「これいいね!」ってなっちゃってるんだからさ(笑)。
mick うれしい、よかった(笑)。通ずるね、さっきの話と。
──ちなみにSUPER BEAVERの「赤を塗って」も女性目線の歌詞であり、色気を感じるナンバーです。
渋谷 女性的な部分、男性的な部分っていうのはどの曲を歌うときにも意識してるかもしれないです。「赤を塗って」は、僕がよく女性アーティストの曲を弾き語りでカバーしてるから、柳沢(亮太 / G)が「女性目線の曲を歌わせてみたい」って作ってくれた曲で。だから女性の曲をカバーするときみたいな心持ちで、レコーディングでは感じたものをそのまま歌いました。
mick へえー。ぶーさんの歌には色気がめっちゃありますよね。どうやってやるんですか?
渋谷 「どうやってやるんですか?」じゃなくて、同じ女性から盗むものなんじゃないの?(笑)
mick そうですよね……難しいなー(笑)。
──グラフを活用したレコーディングを重ねて、いつかグラフをなくしても色気が出るようにするとか?
mick あー!
渋谷 そうそう。「勝手に色気出ちゃった私、変ねえ」ってなるといいんじゃない?(笑)
人間関係は難しいけど、人と関わっていくことが一番大切だなと思った
──今作のタイトルにある“ビューティフルライフ”とは、mickさんにとってどんなものですか?
mick 友達でもいいし、とにかく誰かと関わって生きていくこと。去年1年間で、ホントにいろんなことがあって。新しく出会った人もいたけど、さよならした人もいっぱいいたんです。それで「もう嫌だ、人と会いたくないししゃべりたくない」って気持ちになっちゃって、わざと友達と会わずに家とバイト先とスタジオとライブ会場を行き来してる毎日にしてて。そしたらどんどんどんどん落ち込んでいっちゃって、「あんたヤバいから飲みに行こうよ」って呼び出されたんです。
──友達に?
mick そうです。その友達と会ったら「なんだ、これじゃん!」って、負のループから抜け出すことができて。それで作ったのが表題曲にもなってる「ビューティフルライフ」です。やっぱり人間関係は難しいけど、人と関わっていくことが一番大切だなと思ったんです。
──そうだったんですね。ちなみにSUPER BEAVERにも「美しい日」という「ビューティフルライフ」と通ずるタイトルの楽曲があります。
渋谷 「美しい日」はZepp DiverCity TOKYOの初ワンマンのあとにできた曲で。ライブ直後、ラジオに生出演したときに僕が言った「今日は美しい日でした」という言葉を柳沢が拾って作ってくれたんです(参照:SUPER BEAVER、渋谷涙のZeppワンマン「こうなった以上は絶対に離さない」)。Zeppのフロアには損得感情じゃ語れないような、無垢な気持ちが集まってたし、その人の喜びを自分が喜ぶことができたり、悲しみを一緒に悲しんだりすることができる関係性があった。それが“美しい日”だなと思ったので、積もるところmickが言ったことと似ていて、やっぱり全部人間関係に落ち着くのかなと思いますね。その中での美しさは、造形美じゃなくて抽象的なものですから。好みで語れちゃう部分の普遍的な美しさっていうのは、人と人の無垢な感情が向かい合ってる状態を指すのかなと思いますね。
mick うん。なんかアルバム全編通して、自分がいて、誰かがいる、みたいなことを歌ってる曲ばっかりになったんですよね。自分の生活の中でそばに置いておきたいなって思えるCDを作ることができた。すごくうれしいです。今回もまたベストを更新できたなあって。最高傑作ができました!
渋谷 Amelieはこのまま人間臭く、ピュアにどんどん人間関係を広げていったら素敵だと思う。Amelieでしか作れなかったねっていうつながりを作ったり、Amelieがいたから出会えたっていうつなげ方ができたりするといいのかなと。
mick SUPER BEAVERは兄貴だけど、これからもバチバチやっていきたいなって思う!けど……正直尊敬しすぎてそれどころじゃないんですよね(笑)。
渋谷 (笑)。俺も同じ音楽をやってる人間として、敬意を持って素敵なバンドだなあって思ってる。AmelieもSUPER BEAVERも、個々を高めていた結果、「[NOiD]ってカッコいいレーベルだな」ってお客さんに思ってもらえるのが一番面白いのかなって思ってますね。
- Amelie「ビューティフルライフ」
- 2018年5月30日発売 / [NOiD] / murffin discs
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[CD]
2700円 / NOID-0025
- 収録曲
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- Entrance
- キセキ
- ライアーゲームじゃ始まらない
- ビューティフルライフ
- 朝は来る
- 愛と呼ぶ
- step!
- Discommunication
- フェイク
- クルテク
- STAND BY YOU
- Amelie「ビューティフルライフ」
Release Tour 2018 -
- 2018年6月16日(土)埼玉県 EASYGOINGS / LIVE ABBEY ROAD(「Amelie 鐘フェス 2018 ~君が為に越谷で鳴らす~」出演)
- 2018年6月22日(金)大阪府 BEYOND(ワンマン)
- 2018年6月24日(日)愛知県 ell.SIZE(ワンマン)
- 2018年7月10日(火)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
- 2018年7月14日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年7月26日(木)愛知県 豊橋 club KNOT
- 2018年7月27日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2018年7月28日(土)京都府 京都MOJO
- 2018年7月29日(日)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
- 2018年8月3日(金)長野県 LIVE HOUSE J
- 2018年8月4日(土)石川県 vanvanV4
- 2018年8月5日(日)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
- 2018年8月11日(土・祝)広島県 CAVE-BE
- 2018年8月12日(日)福岡県 Queblick
- 2018年8月14日(火)山口県 LIVE rise SHUNAN
- 2018年8月16日(木)高知県 X-pt.
- 2018年8月17日(金)香川県 DIME
- 2018年9月7日(金)宮城県 仙台MACANA
ツアーファイナルシリーズ
- 2018年9月14日(金)大阪府 OSAKA MUSE
- 2018年9月16日(日)愛知県 APOLLO BASE
- 2018年9月22日(土)東京都 LIQUID ROOM(ワンマン)
- SUPER BEAVER「歓声前夜」
- 2018年6月27日発売 / [NOiD] / murffin discs
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初回限定盤 [2CD]
3564円 / NOID-0026 -
通常盤 [CD]
2970円 / NOID-0027
- CD収録曲
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- ふがいない夜こそ
- 虹
- 閃光
- ラヴソング
- シンプリー
- まちがえた
- シアワセ
- 美しい日
- 嬉しい涙
- ひとこと
- なかま
- 全部
- 初回限定盤CD収録曲
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・Zepp Tokyoで行われた全国ツアー「SUPER BEAVER『真ん中のこと』Release Tour 2017 ~ラクダの、中心~」最終公演のライブ本編を全曲収録
- ファンファーレ
- 青い春
- うるさい
- 美しい日
- 贈りもの
- irony
- ひなた
- 人として
- 27
- →
- 361°
- 証明
- 正攻法
- 東京流星群
- 秘密
- それくらいのこと
- 歓びの明日に
- Amelie(アメリ)
- 2011年に紅一点のmick(Vo, G, Piano)、あっきー(B, Cho)、直人(G, Cho)、アサケン(Dr, Cho)により埼玉県越谷市で結成されたバンド。2015年6月に[NOiD]より無料CD「手のなるほうへ、光のほうへ」をリリースし、全国各地で8000枚を配布した。同年12月に初の全国流通盤として1stフルアルバム「グッバイ&ハロー」を発売。2017年1月に1stミニアルバム「ドラマチック」を、11月に4曲入りシングル「ステップ×ステップ」をリリースした。2018年3月には2度目の東京・渋谷CLUB QUATTRO単独公演を開催。5月に2ndフルアルバム「ビューティフルライフ」をリリースし、6月には初となるサーキットイベントを地元越谷市で行う。9月には東京・LIQUID ROOMでのワンマンライブを控えている。
- SUPER BEAVER(スーパービーバー)
- 2005年に渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“29才”広明(Dr)の4人によって東京で結成されたロックバンド。2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビューする。2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを敢行。2012年には自主レーベル「I×L×P× RECORDS」を立ち上げる。2013年、東京・shibuya eggmanのスタッフ・YUMAが「mini muff records」内に発足させたロックレーベル[NOiD]とタッグを組み、精力的にツアーや自主企画を開催。バンド結成10周年の節目に当たる2015年4月1日にフルアルバム「愛する」をリリースし、2016年4月にはバンド史上最大規模のワンマンライブを東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催。6月にフルアルバム「27」を発表し、10月にZepp DiverCity TOKYO公演の様子を収めたライブDVDと渋谷による書き下ろし小説「都会のラクダ」をパッケージした「10th Anniversary Special Set『未来の続けかた』」を発売した。2017年1月にニューシングル「美しい日 / 全部」を発表し、4月からの1年間、渋谷がニッポン放送「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当した。9月には新作ミニアルバム「真ん中のこと」をリリース。2018年4月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催し、6月にはニューアルバム「歓声前夜」を発売する。