Amelie「ビューティフルライフ」特集 mick(Amelie)×渋谷龍太(SUPER BEAVER)対談|“自分がいて、誰かがいる”という美しさ

どう変化しようと「やっぱAmelieだな」って思えるような軸がある

──[NOiD]に入ってからのAmelieは、メンバーの意思でポップな曲をメインに据えたり、観てる人を巻き込んでいくようなライブパフォーマンスに変化したりと、どんどん活動が開けてきているイメージがあります。2015年のレーベル加入から丸3年が経ちましたが、振り返ってみてどうですか?

mick 3年かあ……早いっすね。なんか、ポップな楽曲をメインにすることでいなくなっちゃったお客さんもいて、それは寂しいなって思いますね。初期はもっと“歌謡ロック”一本!って感じで、バーンとそれを前面に押し出していて。ただ自分はもともと、わかりやすくてポップな曲も好きだったし「そういう音楽をやりたいな」って気持ちが強かったんです。しかもそういう曲をやったほうがAmelieを聴いてくれる人がもっと増えるだろうなっていうのは、ずっと思ってた。

左からmick(Vo, G, Piano / Amelie)、渋谷龍太(Vo / SUPER BEAVER)。

──実際に増えましたからね。ポップな曲をメインにしてはいるものの、Amelieには今でも情感たっぷりな歌謡ロックという武器がありますよね。mickさんが歌謡ロックを歌い続ける理由はなんでしょう?

mick Amelieを組む前、歌謡ロックっぽい、マイナーコードでちょっと早い曲にハマってて。弾き語りとか、前にちょっとやってたバンドのライブで披露してたんです。今のメンバーはそんな私を観て「カッコいい」と思って集まってくれて。歌謡ロックはそんなAmelieの原点だから、これからもやり続けたいんですよね。でもポップな曲とか、新しいことにもどんどん挑戦していきたいなって。

渋谷 個人的には、Amelieが大きく変化した印象ってあんまりないんだよね。AmelieにはAmelieっぽいメロがあるし、mickの声があるから、きっと「こんなんなっちゃったのかよ」「全然違うじゃん」とかは思わない。どう変化しようと「やっぱAmelieだな」って思えるような軸があるバンドだと思います。

mick Amelieっぽいメロってあるんだね。うれしいです。

渋谷 あるよ。離れていく人をないがしろにしていいわけじゃないけど、バンドの軸や「こういうものを届けたい」っていう気持ちを貫くために変化していくことは、俺はいいことだと思うな。

最近Amelieに“朝”が見えてきた

──ここからは新作アルバム「ビューティフルライフ」について聞かせてください。オープニングを飾る「Entrance」や2曲目「キセキ」は、自分たちの“今”や“これから”を描いた歌詞です。本作にも入っている最新シングル曲「朝は来る」では“夜明け前”を歌っていたので、Amelieの前進を感じさせる内容になっているなと思いました。

mick けっこう長いこと夜明け前にいるような感覚があったんですけど、最近バンドの状況が変わってきたんだと思います。お客さんも増えてきて、“朝”が見えてきた。目標に掲げてた渋谷クアトロ公演のソールドアウトは叶わなかったけど、なんか、そういうことじゃなかったんですよね。

──数字に縛られずに自分たちが前に進んでいる実感があるんですね。渋谷さんは「ビューティフルライフ」を聴いてどんなことを感じましたか?

渋谷 ボリュームがあるのに聴き終わるのが早い感覚があって。それはアルバムを評価するうえでとっても大事なことだと思うんですよ。あとは、さっきも言ったAmelieっぽい部分がいろんな曲でしっかりと生きてる。個性もあるし、振り幅もあって、聴いていて飽きないんですよね。

mick うれしい。

渋谷龍太(Vo / SUPER BEAVER)

渋谷 伝えたいことをピンポイントで狙って撃ちにいってる感もあるのに、ストライクゾーンが広めのアルバムだなと。その中でライブを意識をしてるであろう部分、聴き手の心をワクワクさせてくれるような部分も忘れてなかったし、とっても今のAmelieっぽい作品ができたんじゃないかな。聴き手が自分にぴったりくる落としどころみたいなものを見つけやすいと思う。

mick 「曲を作ったりライブをしたりするうえで、ターゲットを絞ったほうがいい」みたいなことを聞いたことがあるんだけど、なんかね、ろうにゃくにゃんにょ。

渋谷 え?(笑) 老若男女ね。

mick 老若男女か(笑)。ちびっこもいるし大人の方もいるし、Amelieを好きでいてくれる人の年齢の幅がめちゃくちゃ広いなって感じてて。たぶん新曲は今まで出してきたものよりも、めちゃくちゃキャッチーだし、バラエティーに富んでる。「もっといろんな世代の人に聴いてもらえるバンドになりたいんだよ」っていう、Amelieの思いを示せたアルバムになったと思います。

──アルバムには自主制作盤「メグリメグル」の収録曲「Discommunication」の再録バージョンが入っています。近年のライブでもよく披露しているナンバーですよね。

mick そうなんです。最新シングルのタワレコ予約特典でライブCDを付けたんですけど、そこに「Discommunication」も入ってて。それを聴いたお客さんたちの反応がすごくよかったんですよ。それでこのタイミングで再録することになりました。歌謡ロックの部分を貫くっていう意味で、このアルバムの中で重要な曲になってるんじゃないかな。

Amelie「ビューティフルライフ」
2018年5月30日発売 / [NOiD] / murffin discs
Amelie「ビューティフルライフ」

[CD]
2700円 / NOID-0025

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収録曲
  1. Entrance
  2. キセキ
  3. ライアーゲームじゃ始まらない
  4. ビューティフルライフ
  5. 朝は来る
  6. 愛と呼ぶ
  7. step!
  8. Discommunication
  9. フェイク
  10. クルテク
  11. STAND BY YOU
Amelie「ビューティフルライフ」
Release Tour 2018
  • 2018年6月16日(土)埼玉県 EASYGOINGS / LIVE ABBEY ROAD(「Amelie 鐘フェス 2018 ~君が為に越谷で鳴らす~」出演)
  • 2018年6月22日(金)大阪府 BEYOND(ワンマン)
  • 2018年6月24日(日)愛知県 ell.SIZE(ワンマン)
  • 2018年7月10日(火)神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
  • 2018年7月14日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2018年7月26日(木)愛知県 豊橋 club KNOT
  • 2018年7月27日(金)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
  • 2018年7月28日(土)京都府 京都MOJO
  • 2018年7月29日(日)岡山県 CRAZYMAMA 2nd Room
  • 2018年8月3日(金)長野県 LIVE HOUSE J
  • 2018年8月4日(土)石川県 vanvanV4
  • 2018年8月5日(日)新潟県 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
  • 2018年8月11日(土・祝)広島県 CAVE-BE
  • 2018年8月12日(日)福岡県 Queblick
  • 2018年8月14日(火)山口県 LIVE rise SHUNAN
  • 2018年8月16日(木)高知県 X-pt.
  • 2018年8月17日(金)香川県 DIME
  • 2018年9月7日(金)宮城県 仙台MACANA

ツアーファイナルシリーズ

  • 2018年9月14日(金)大阪府 OSAKA MUSE
  • 2018年9月16日(日)愛知県 APOLLO BASE
  • 2018年9月22日(土)東京都 LIQUID ROOM(ワンマン)
SUPER BEAVER「歓声前夜」
2018年6月27日発売 / [NOiD] / murffin discs
SUPER BEAVER「歓声前夜」

初回限定盤 [2CD]
3564円 / NOID-0026

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SUPER BEAVER「歓声前夜」

通常盤 [CD]
2970円 / NOID-0027

Amazon.co.jp

CD収録曲
  1. ふがいない夜こそ
  2. 閃光
  3. ラヴソング
  4. シンプリー
  5. まちがえた
  6. シアワセ
  7. 美しい日
  8. 嬉しい涙
  9. ひとこと
  10. なかま
  11. 全部
初回限定盤CD収録曲

・Zepp Tokyoで行われた全国ツアー「SUPER BEAVER『真ん中のこと』Release Tour 2017 ~ラクダの、中心~」最終公演のライブ本編を全曲収録

  1. ファンファーレ
  2. 青い春
  3. うるさい
  4. 美しい日
  5. 贈りもの
  6. irony
  7. ひなた
  8. 人として
  9. 27
  10. 361°
  11. 証明
  12. 正攻法
  13. 東京流星群
  14. 秘密
  15. それくらいのこと
  16. 歓びの明日に
Amelie(アメリ)
Amelie
2011年に紅一点のmick(Vo, G, Piano)、あっきー(B, Cho)、直人(G, Cho)、アサケン(Dr, Cho)により埼玉県越谷市で結成されたバンド。2015年6月に[NOiD]より無料CD「手のなるほうへ、光のほうへ」をリリースし、全国各地で8000枚を配布した。同年12月に初の全国流通盤として1stフルアルバム「グッバイ&ハロー」を発売。2017年1月に1stミニアルバム「ドラマチック」を、11月に4曲入りシングル「ステップ×ステップ」をリリースした。2018年3月には2度目の東京・渋谷CLUB QUATTRO単独公演を開催。5月に2ndフルアルバム「ビューティフルライフ」をリリースし、6月には初となるサーキットイベントを地元越谷市で行う。9月には東京・LIQUID ROOMでのワンマンライブを控えている。
SUPER BEAVER(スーパービーバー)
SUPER BEAVER
2005年に渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“29才”広明(Dr)の4人によって東京で結成されたロックバンド。2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビューする。2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを敢行。2012年には自主レーベル「I×L×P× RECORDS」を立ち上げる。2013年、東京・shibuya eggmanのスタッフ・YUMAが「mini muff records」内に発足させたロックレーベル[NOiD]とタッグを組み、精力的にツアーや自主企画を開催。バンド結成10周年の節目に当たる2015年4月1日にフルアルバム「愛する」をリリースし、2016年4月にはバンド史上最大規模のワンマンライブを東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催。6月にフルアルバム「27」を発表し、10月にZepp DiverCity TOKYO公演の様子を収めたライブDVDと渋谷による書き下ろし小説「都会のラクダ」をパッケージした「10th Anniversary Special Set『未来の続けかた』」を発売した。2017年1月にニューシングル「美しい日 / 全部」を発表し、4月からの1年間、渋谷がニッポン放送「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当した。9月には新作ミニアルバム「真ん中のこと」をリリース。2018年4月には初の東京・日本武道館ワンマンライブを開催し、6月にはニューアルバム「歓声前夜」を発売する。