ALが2ndアルバム「NOW PLAYING」を完成させた。2016年4月リリースの前作「心の中の色紙」以来、1年9カ月ぶりのオリジナルアルバムとなる本作には、80'sネオアコのテイストを感じさせる「会いにいくよ」、しなやかなシャッフルビートを軸にした表題曲、サイケデリックな雰囲気の「ウォータースライダー」など、前作以上に多彩な楽曲が収録されている。また、アップテンポの曲が増えたことも本作の特徴だろう。
ここでは、2017年6月に東京・B.Y.Gで行われた谷口貴洋とのツーマンライブ、11月の大阪・BIGCATと東京・LIQUIDROOMでのワンマンライブを経て届けられた本作について、メンバー4人にじっくりと語ってもらった。
取材・文 / 森朋之 撮影 / 福政良治
あるときにパッと集まって「作ろうか」という話になった
──まずは前作「心の中の色紙」以降の動きについて聞かせてください。2016年4月から5月にかけて行われた1stツアーのあとも制作は行っていたんですか?(参照:AL、1stツアーが“マッドシティトーキョー”で和やかに終幕)
小山田壮平(Vo, G) ツアーのあとはしばらく何もやってないですね。(長澤)知之がソロをやっていたから、スタジオに入ることもなくて。お酒は飲んでましたけどね。ひたすら飲み続けて……。
藤原寛(B, Cho) そんなに飲んでた?(笑)
後藤大樹(Dr, Cho) 俺と壮平はよく飲んでましたね。ほかにやることもなかったから。
小山田 大樹とは家が近くて、散歩中に「飲もうよ」って連絡が来るんですよ。で、友達の話をしたり、最近好きな音楽の話をしたりしながら飲んで。
──ちなみに、最近はどんな音楽を聴いているんですか?
小山田 「レ・ミゼラブル」(2012年公開の映画)のサントラをよく聴いてます。映画も好きなんだけど、曲がすごくいいんです。あと、The Beatlesも相変わらず聴いてます。
──なるほど。藤原さん、長澤さんともよく会ってた?
小山田 うん、ちょこちょこ会ってましたよ。
長澤知之(Vo, G) 行きつけのバーがあって、そこに行くとメンバーがいたりするので。ダーツやって遊んだり、壮平の弟と飲んだりしてました(笑)。
──そういう場所で「次のアルバムどうする?」みたいな話もするんですか?
藤原 そういう話は特にしないんですよね。
長澤 なんとなくの流れだよね。
藤原 うん。あるときにパッと集まって「作ろうか」という話になって。
小山田 最初はミニアルバムを作ろうって言ってたんですよ。
後藤 そうだった! 9曲入りくらいのミニアルバムがいいよねって。
長澤 簡単そうと言うか、気軽に臨めるかなと思ったんじゃないかな。
藤原 コンセプトと言うか、イメージみたいなものもあったからね。
長澤 うん。音像やテーマも決めて「この感じでやろう」って。
衝動的な人間ばかりで、あらかじめテーマを決めても守れない
──それはどんなテーマだったんですか?
小山田 “ショートナイト”です。アルバムにも同じタイトルの曲が入っていて、“短い夜が明ける”というテーマなんです。その曲ができたときに、“ひとときだけの自由”みたいなイメージのミニアルバムを作りたいという話になって。楽しい夜って、すぐに終わっちゃうじゃないですか。そういう感じを出せたらいいねって。
長澤 短い夜がテーマなのに、長めのアルバムはおかしいじゃないですか。だからミニアルバムにしようと思ったんだけど、「この曲もいいね」「これもやりたい」って言ってるうちに「もうテーマなんかいらない!」って(笑)。4人共衝動的な人間ばかりだし、あらかじめテーマを決めても守れないんですよ。
──メンバー全員が衝動的なタイプなんですか?
長澤 彼(藤原)はそうじゃなかったんですけどね、前は。
藤原 テキーラを飲み過ぎたせいか、最近、物忘れが多くて。
長澤 全員ダメになりました(笑)。
──(笑)。具体的なアルバム制作は、どんなふうに始まったんですか?
小山田 えーと、まず知之と話し合って、「この曲を入れよう」って決めて。そこからちょっとずつ形にしていった感じですね。
後藤 レコーディングに入る前に渋谷のB.Y.Gで新曲を披露するライブ(2017年6月に行われた「AL×谷口貴洋 LIVE」)をやったんですよ。それも大きかったんじゃないかな。
長澤 うん。レコーディングの前哨戦みたいな感じで。
藤原 そこで見えてきたものもかなりあるんですよね。
小山田 そうだね。ライブをやるからには、ある程度ベーシックなところは固めなくちゃいけないし、集中して取り組めたので。そこでレコーディングに向けた基礎作りはできたんじゃないかな。まあ、B.Y.Gのときはけっこう荒かったけど(笑)。
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幸せな空間を作りたいという気持ちで音楽をやるようになってきた
- AL「NOW PLAYING」
- 2018年1月17日発売 / Revival Records
-
[CD]
2800円 / POCS-1669
- 収録曲
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- 会いにいくよ
- NOW PLAYING
- ショートナイト
- ドリーマー
- ウォータースライダー
- とびましょう
- 丘の上の記憶
- 輝く飛行船
- LOVE ME
- 青い泡沫 白い光
- ハンアンコタ
- 地上の天国なソングライターの歌
- AL「2nd Tour 2018」
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- 2018年3月2日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2018年3月4日(日)福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年3月9日(金)愛知県 DIAMOND HALL
- 2018年3月11日(日)香川県 高松MONSTER
- 2018年3月15日(木)東京都 Zepp Tokyo
- 2018年3月23日(金)宮城県 Rensa
- 2018年3月28日(水)大阪府 なんばHatch
- AL(アル)
- 2008年頃から楽曲制作やライブを行っていた小山田壮平(Vo, G)と長澤知之(Vo, G)によるプライベートプロジェクトに藤原寛(B, Cho)と後藤大樹(Dr, Cho)が加入し、2015年7月にバンド編成で正式に活動をスタートさせる。2016年4月に自主レーベル・Revival Recordsから1stアルバム「心の中の色紙」をリリースし、4月から5月にかけて全国4カ所でツアー「AL 1st Tour 2016」を開催。2018年1月には2ndアルバム「NOW PLAYING」を発売し、3月に全国7カ所を回るツアー「2nd Tour 2018」を行う。